2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, 減災・防災, 貧困

 当校は、伝統的に力を入れてきた国際教育・英語学習・海外とのネットワークをさらに発展させるため、「隣人愛:持続可能な地球規模の共生社会をめざす」プロジェクトを立ち上げ、ESDを推進している。このプロジェクトでは、ESDを柱として世界的課題につながる自分たちができる取り組みを「平和」「環境」「国際理解」の3テーマを中心に実践することで、地域社会や国際社会に貢献する人材の育成をめざしている。具体的には、①平和学習プロジェクト②環境教育プロジェクト③国際理解プロジェクトによって、生徒たちに持続可能な社会の担い手に必要な知識、能力、態度、価値観を身につけさせる学習をおこなった。

① 平和学習プロジェクト

当校では、まず「心の平和」を達成することを目標として、聖書や礼拝の時間を使い、一年をかけてすべての生徒がノートを作成した。毎週の講話を聴きながら、生徒たちは平和な世の中をイメージして、自分の考察をその都度ノートにまとめた。さらに中学校では平和な社会を生きるための主体的なコミュニケーションスキルの向上をめざし、演じたり発言したりしながら、自分はどのように感じ、相手はどう思ったかなどを学習した。高校では平和な世界を築いていくために必要な「多面的・総合的な思考力・分析力」を養うために、世界史の授業で戦争の歴史を学んだ後、他者との協働によって平和を実現する方法を学習した。さらに沖縄への修学旅行で戦争や基地問題について現地の関係者や大学生との議論を行った。その後のカリキュラムでは、国際紛争や経済格差などの地球規模の問題についてディベートを実施して理解を深めた。

② 環境教育プロジェクト

中学校では「自然との共生」に気づかせるとともに、地球規模の問題解決への糸口を調べ学習と農作業の取り組みとして学んだ。その後で、長野県の飯田やオーストラリアで農家体験を実施し、地域社会における自然との共生や環境保全について学習した。高校ではさらに発展させて、被災地支援活動として東北へのボランティアに参加し、現地の学校との交流を通じて地域ぐるみの新しい防災体制づくりを学んで、それを当校の生徒会や委員会が自分の学校の防災意識へとつなげ、教員も参加した学校全体の防災教育として発展させた。また被災地の人々の思いに応える活動を自分たちで考え、事前事後学習を通して、環境保全の手法に関する知識を得るだけでなく、持続可能な社会を担う責任感を養う努力をかさねた。

③ 国際理解プロジェクト
中学校では「主体的なコミュニケーション力」をより深化させるため、異文化をもつ人々との協働学習を重視した。具体的には姉妹校である北京外語大付属中学校(中国)や順天梅山中学校(韓国)と相互交流を行い、お互いの文化について話し合い、その成果を発表した。高校では、国際化において生じる問題について具体的な解決に向けて行動できるために必要とされる能力の育成や知識を習得し、自ら考え、他人の意見を聞きつつも、自分の意見を主張できる能力を伸ばした。そのために、韓国の姉妹校である細花高校と派遣交換を実施し、お互いの文化や歴史について討議をした。

来年度の活動計画

 SDGsや国際協働プロジェクトをより積極的に教育活動に取り入れるため、今年度本校の教員がJICAの教師海外研修でザンビアへ派遣された。とくに「貧困の解決」は、当校の創立者のめざしていたテーマのひとつでもあったので、当校の①平和プロジェクトのカリキュラムの中へ位置づけると同時に、国際協働のプロジェクトと関連づけた新しい活動を始めたい。そこでは、多くの生徒が参加できるよう体験型学習をより充実させつつ、ICTを活用した授業を展開して、世界的な学校間ネットワークの枠組みによりアジアやアフリカの学校とも交流を進めていきたい。