2019年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和
今年度は、JICAの教師海外研修でアフリカのザンビアとガーナへ派遣された教員を中心に、中高全体のテーマとして「SDGsの授業展開」と「国際協働」を掲げ、これまでの本校におけるユネスコスクールとしてのプロジェクトをより発展させていこうとするものであった。3年目の今年は、①平和学習プロジェクト②環境教育プロジェクト③国際理解プロジェクトをより連携させて、生徒たちに持続可能な社会の担い手に必要な知識、能力、態度、価値観を身に付けさせる学習を展開した。
①平和学習プロジェクト
キリスト教主義を建学の精神に掲げる本校としては、まず「心の平和」を達成することを目標として、聖書や礼拝の時間を使い、一年をかけてすべての生徒がノートを作成した。毎週の講話を聴きながら、生徒たちは平和な世の中をイメージして、自分の考察をその都度ノートにまとめた。さらに中学校では平和な社会を生きるための主体的なコミュニケーションスキルの向上をめざし、演じたり発言したりしながら、自分はどのように感じ、相手はどう思ったかなどを学習した。高校では平和な世界を築いていくために必要な「多面的・総合的な思考力・分析力」を養うために、世界史の授業で戦争の歴史を学んだ後、他者との協働によって平和を実現する方法を学習した。さらに、沖縄への修学旅行で戦争や基地問題について現地の関係者や大学生との議論を行った。その後のカリキュラムでは、国際紛争や経済格差などの地球規模の問題についてディベートを実施して理解を深めた。
②環境教育プロジェクト
中学校では「自然との共生」をテーマに、地球規模の問題解決への糸口を国立極地研究所による出張授業「南極と自然」に求め、全員が自然との共生について学習した。また今年も、長野県の飯田やオーストラリアへの研修によって、環境保全について学んだ。高校ではさらに、地理の授業で「SDGsと環境」について、探究の授業では「防災とSDGs」について、それぞれ授業を行った。また毎年3月に被災地支援活動として東北へのボランティアに参加し、現地の学校との交流を通じて、地域ぐるみの新しい防災体制づくりを学んで、それを当校の生徒会や委員会が自分の学校の防災意識へとつなげ、教員も参加した学校全体の防災教育としてさらに発展させた。被災地の人々の思いに応える活動を自分たちで考え、事前事後学習を通して環境保全の手法に関する知識を得るだけでなく、持続可能な社会を担う責任感を養う努力を重ねた。
③国際理解プロジェクト
中学では、異文化をもつ人々との協働学習をより発展させるために、従来から姉妹校である北京外語大付属中学校(中国)や順天梅山中学校(韓国)と授業やクラブ活動を通じた相互交流を行い、お互いの文化について話し合い、その成果を発表した。高校では、国際化において生じる問題について具体的な解決に向けた行動ができるよう必要とされる能力の育成や知識を習得し、自ら考え、他人の意見を聞きつつも、自分の意見を主張できる能力をのばした。そのために、韓国の姉妹校である細花高校と生徒の交換留学を実施し、お互いの文化や歴史について討議した。
来年度の活動計画
今年度の実績を生かしつつ、生徒全員が参加できるよう体験型学習をより充実させる。そのためにICTを活用した授業をさらに広げ、世界的な学校間ネットワークの枠組みによってアジアやアフリカの学校とも交流を進めていきたい。また、校内でのSDGsをテーマとした研究授業をスタートさせ、それぞれの研究分野について発表できるよう組織づくりを行う。