所在地 | 〒173-0004 東京都板橋区板橋2-52-1 |
---|---|
電話番号 | 03-3961-0200 |
ホームページ | https://www.ita.ed.jp/swas/index.php?id=1310269 |
加盟年 | 2018 |
2023年度活動報告
生物多様性, 環境, 持続可能な生産と消費
板橋第二小学校は平成30年「ユネスコスクール加盟校」として認定されました。また、環境都市宣言をして設立された板橋区エコポリスセンターより「子ども環境大使」を任命されました。
本校では「ビオトープ(15㎡×2カ所)」を中核に据えた環境教育を展開しESDを推進しています。
板橋第二小学校の学区域は、板橋ジャンクションの真横にあり、自然が大変少ない環境です。蝶の幼虫やオタマジャクシを見たことがない児童がたくさんおり、自然体験・生活体験の度合いに差が大きいという児童の実態(課題)がありました。
そこでこの課題を解決するために、平成24年度より「環境教育」の推進を図ることとし、まずはビオトープ(15㎡)を二カ所、校庭に作成してクロメダカを放流しました。次に、蝶の幼虫の食草を植えたバタフライガーデンを作成しました。さらに、鳥の巣箱を設置したり、腐葉土コーナーを設置してカブトムシの住処を作ったりと、児童を取り巻く環境を児童自身の手によって創り上げていくことから始めました。
環境教育を中心として展開するESDの活動テーマは「豊かに感じ、自分で考え、行動しようとする児童の育成」です。人は、何かを考えたり、発言したり、行動したりする際は、これまでの生活体験をもとに計画をします。人の考える力や行動する力の土台となる部分(児童を取り巻く環境)を豊かに整備し、登校から下校まで身近に自然や生き物と触れ合える学校にすることで、命を感じ大切にすることのできる児童、豊かな感性や人間性を身に付けた児童を育てることができるのではないかと考え、ビオトープなどが作られました。
現在も継続して「ビオトープを中核に据えた環境教育の推進」を学校理念の一つとして、学習活動を展開しています。またSDGsの目標を目指して、児童が自分達には何ができるかを考えながら環境教育に取り組んでいます。
具体的には、(1)ビオトープを活用した学習活動(全学年)、(2)環境委員会を中心とした学習活動(5、6年)、(3)家庭や地域との連携、等を行っています。
(1)ビオトープを活用した学習活動(全学年)
・「季節の俳句」
春、夏、秋、冬の合計4回、校内の自然を観察し、自分の思いや考えを五七五と絵で表現します。全学年が廊下へ掲示
します。
・「自然発見カード」
季節の俳句と同様に年間4回(春夏秋冬)、校内の自然を観察し、自分の思いや考えを文章と絵で表現します。全学年
が廊下へ掲示します。1人1台タブレットを使えるようになったので、植物の名前を調べる事や、写真を撮り記録する
事など、活用しています。
・「ビオトープ保全活動」
完成から11年が経過したビオトープは経年劣化が進みます。柵や手すり、橋、池など補修が必要です。柵の色が剥げ
てきたので、柵を新しくし、綺麗な状態を保っています。
(2)環境委員会を中心とした学習活動(5、6年)
・「バタフライガーデン(蝶の幼虫の食草を植えた花壇)」
蝶の幼虫は食草が決まっています。どんな蝶を呼びたいか考え、食草を植えました。ミカンの木を植えるとアゲハチョ
ウが産卵し幼虫が見られました。パンジーの花を植えるとツマグロヒョウモンもやってきました。幼虫は3年生に贈り
理科で活用しました。
・「ソーラーポンプ」
ビオトープの池の水を循環させるために環境委員会の児童を中心にソーラーポンプの設置を行いました。また、同時に
水芭蕉とヒメガマも植えました。それによって水が綺麗に保たれ、トンボの姿も増えました。
(3)家庭や地域との連携
・「子ども環境大使」としての成果の発表
板橋区立エコポリスセンターにおいて、平成30年度のユネスコスクール認定校としての取り組みの様子を紙面発表し
ます。
・「ニリンソウ」の植樹
板橋区のシンボルフラワー(区の花)は「ニリンソウ」です。本校には一輪も生えていなかったため、東京都内で最大
のニリンソウ群生地でもある「板橋区立赤塚植物園」から3株分けてもらい、植木鉢を作成して育てています。
・「コミュニティガーデン」
地域の方が花壇を整えてくださいます。パンジーの花にはツマグロヒョウモンがやってきます。
・「地域清掃」
年間3回、地域の方々の協力を得て、全校児童が地域清掃を行いました。奉仕体験活動を通して、地域に根ざした教育
の展開、地域を担う人材の育成を図っています。
来年度の活動計画
板橋第二小学校のビオトープは、完成から11年が経ちます。経年劣化による老朽化が進んでいることや、教員の入れ替わりが短いスパン(6年)で行われることを考慮すると、「地域に根ざした管理体制の構築」や、「ビオトープを活用した環境教育の確実な引継ぎ」が急務となっています。
そこで、平成30年度の学習活動に加えて、①ビオトープの維持管理、②環境教育の確実な引継ぎ、を追加して展開していきます。
①ビオトープの維持管理
・予算の確保・・・壊れた橋や柵の補修、やぶれたネットの補修、水漏れする防水シートの張り替え、池を浄化する赤玉土の増強、新たに植えるミカンの木等の購入、等
・人材の確保・・・学校地域支援本部コーディネーターの方と連携し、親二会の力を借りながら、「いつ」「どのタイミングで」ビオトープの補修を行うか、教務主幹と計画を立てる
・環境委員会の活用・・・環境委員会(5年4名、6年4名、計8名)によるビオトープの維持管理を継続していく。(池の藻の除去、オタマジャクシやメダカの管理、鳥の巣箱の管理、腐葉土コーナーの管理、バタフライガーデンの植樹、児童朝会での啓発、等)
②環境教育を中心としたESDの確実な引継ぎ・「環境教育全体計画」「環境教育年間指導計画」の見直しと修正・・・板橋区教育委員会への教育課程届け出の際は、どの教員が担当となっても今年度と同じように環境教育を中心としたESDが展開できるよう、計画を見直し修正する。
・板橋区オリジナルの環境教育プログラムの活用・・・板橋区では「保幼小中一貫環境教育カリキュラム」「テキスト『未来へ』」を全学校に配付。より一層の活用を図っていく。