2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校では、「地域とともに歩む稲四の子」をテーマとして、地域の人々との豊かな関わりを通して、自分の生まれ育ったふるさとを大切にいていこうという心情とともに、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育を推進している。ESDの実践を通して、コミュニケーションを行う力の育成を目標として重点的に取り組んでいる。

具体的には、地域、福祉、環境を柱に、①つながりを尊重する態度に係わる活動、②コミュニケーションを行う力に係わる教育、③多面的・多角的に考える力に係わる学習を行った。

 

1.つながりを尊重する態度の育成に係わる活動

第3学年では、総合的な学習の時間に安全マップづくりを行った。駐在所の方、民生児童委員の方に学校に来ていただき、安全な場所、危険な場所について学んだ。それをもとに、保護者の協力のもと、地域巡りを行った。地域巡りを通して、地域の中の安全な場所、危険な場所、子供110番などを見つけることができた。特に子供110番を意識しながら生活している児童は少なかったため、新しい発見に驚いている様子が見られた。活動を通して、地域の方、保護者の方、地域とのつながりを深めることができた。

 

2.コミュニケーションを行う力に係わる学習

第4学年では、高齢者疑似体験(視野狭窄眼鏡や重りの装着)を行い、高齢者の気持ちの理解を図った。白杖体験も行い、障害のある方、介護する方の両者の気持ちを知り、ボランティアマインドを学んだ。地域には、障害のある方など様々な人たちが暮らしていることを理解していた。単元を通して、「困っていたら体験で学んだことをいかして助けてあげたい」コミュニケーションを行う大切さを実感していた。また、「障害のある方も住みやすい町づくりを考えていきたい」と地域づくりの大切さも実感していた。

 

3.多面的・多角的に考える力に係わる学習

第5学年では、米づくり体験を出発点にし、地域の環境について学習を行った。田んぼの環境について学んでいく中で、身近な環境の変化が生物に与える影響について知ることができた。「田んぼの生物を減らさないように田んぼを守っていくことの重要性」について理解した一方で、「人口の増加に伴う宅地化が進むことも生活するために必要である」と違う視点から、環境について考えることができた。多面的・多角的に考えることは、難しいが、少しずつ、積み重ねていけるように指導を行っていく。

今年度は、コロナウイルス感染予防のため、十分に実施できないことがあった。来年度、感染状況が落ち着けば、例年通りに実施していきたい。

来年度の活動計画

授業実践を重ねる中で、ESDの視点に立った学習指導で重視する能力・態度(例)を身に付けることができるように指導の工夫や単元の見直しを進める。自分の考えもち、表現できる児童が少ないことが本校の課題である。校内研究でも体験したことや学習したことをもとに考える活動を重視して、授業改実践を行っていく。

また、来年度もコロナウイルス感染症予防による制限が考えられるため、制限の中で工夫して活動を行っていきたい。

ESDに係る学習活動の場面において、「世界を変えるための17の目標(SDGs)」のロゴマークを引き続き掲示し、児童の目に見える分かりやすい取り組みを継続していく。さらに、教員が17の目標と単元のつながりが意識できるように総合的な学習の時間の年間指導計画にSDGsのロゴマークを取り入れていく。