2021年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな人間の育成」を学校教育目標として、ESDを生徒の自主性や主体性、協同性を育むためのさらなる充実の機会と捉え、ESDの実践を通して、歴史や伝統、地域についての関心を高め、社会貢献の精神を育み、意欲的に学びを追求する力を高めることを目標とした。

今年度は防災、平和教育、人権の3分野を柱に、①防災訓練に係る活動、②平和教育に係る活動、③人権に係る活動を行った。

 

①防災教育に係る活動

本校はESDの柱の一つとして、地域ぐるみの防災訓練に力を入れており、防災や生命尊重の意識を高める活動を、教育課程に位置づけて実践している。

主な活動として、地震や火災、竜巻などの自然災害を想定した避難訓練を実施したり、市教育委員会主催の防災と青少年健全育成に育成についての講演会を催したり、9月に防災訓練を実施したりした。避難訓練では、事前指導として、自然災害に関するDVDを視聴した。防災訓練では、「地域ぐるみの防災訓練」として、宇都宮市の消防署や消防団、JRC栃木支部、地域の方々に協力をいただき、様々な防災、救急活動を体験する活動に取り組んだ。具体的な活動内容は、消火器の使用やバケツリレーによる消火体験、煙道体験、AED講習などである。また、各教科や委員会活動でも防災に対する意識を高める工夫を取り入れている。家庭科の授業では、防災バッグづくりを行ったり、家庭の防災用品の有無や管理について生徒自身に主体的に考えさせたりする授業を展開している。委員会活動では、BFC（少年消防クラブ）の委員会を設け、生徒に避難訓練や防災訓練活動の司会進行を担当させる機会を積極的に用意した。

 

②平和教育に係る学習

宇都宮市は、昭和20年7月に本土空襲を受け、大きな被害を被った。本校は市内の中心に位置しており、空襲の被害にあった地域に立地している。戦争の惨禍を繰り返さないためにも、生徒たちに戦争の悲惨さを知ってもらい、二度と戦争を起こさないという強い自覚を持たせるために平和学習を取り入れている。

今年度は校長先生による、平和に関する講演を実施した。生徒は空襲の実情を、数字や当時の市街地の地図、写真を通して学ぶことができた。さらに、宇都宮市教育委員会文化課から焼夷弾２つと弾頭部のおもり１つを借り、校内で展示し、体験的な学習も行った。被害の様子だけでなく、戦後復興の様子を知ることもでき、平和を希求する人々の切実な願いや、困難から立ち上がる人々の姿を知ることで現在の平和の尊さ、築き上げてきた平和の重みを感じることができていた。

 

③福祉教育に係る学習

多くの生徒が、地域のボランティア活動に対し、積極的に参加している。今年度はボランティアの中止により参加ができないものもあったが、毎年地域の小学校体育祭ボランティアや、餃子祭りボランティア、宮ハロボランティアなど内容は多岐に渡る。また、クリーンアップキャンペーンとして、小学生とともに、地域を清掃する活動も実施している。これらの活動を通じ、小学生や地域の方々と交流し、地域を担う一員としての意識づくりに役立っている。加えて、活動を通じ、地域の方々から感謝されることを生徒が体験することで、生徒は、社会に貢献する喜びに気づいていく。そして、ボランティアに対し、継続的に取り組んでいる。これらの活動を通じ、社会貢献の精神を育んでいる。

来年度の活動計画

昨年度同様に、防災教育に係る活動、平和教育に係る活動、福祉教育に係る活動を柱として教育課程に位置づけている。これらの活動には、次年度も継続して取り組む予定である。奉仕活動は地域自治体の協力も得ながら活動しているため、校外組織との連携の一環として推進していく予定である。また今後のコロナウィルスの動向を踏まえ、より状況に適した活動方法を模索していきたいと考える。これらの活動を通して、本校の教育目標である「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな人間の育成」を目指していきたいと考えている。