2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

平和, 人権, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等

本校は、「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな人間の育成」を学校教育目標として、ESDを生徒の自主性や主体性、協同性を育むためのさらなる充実の機会と捉え、ESDの実践を通して、歴史や伝統、地域についての関心を高め、社会貢献の精神を育み、意欲的に学びを追求する力を高めることを目標とした。

今年度は防災、平和教育、人権の3分野を柱に、①防災訓練に係わる活動、②平和教育に係わる活動、③人権に係わる活動を行った。

 

防災教育に係わる活動

  本校はESD教育の柱の一つとして、地域ぐるみの防災訓練に力を入れており、防災や生命尊重の意識を高める活動を、教育課程に位置づけて実践している。

主な活動として、地震や火災、竜巻などの自然災害を想定した避難訓練を実施したり、市教育委員会主催の防災と青少年健全育成についての講演会を催したり、9月に防災訓練を実施したりした。避難訓練では、事前指導として、自然災害に関するDVDを視聴した。災害に関する基本的な知識を確認する時間を設けることで訓練への意識を高めている。防災訓練では、「地域ぐるみの防災訓練」として、宇都宮市の消防署や消防団、JRC栃木支部、地域の方々に協力をいただき、様々な防災、救急活動を体験する活動に取り組んだ。具体的な活動内容は、消化器の使用やバケツリレーによる消火体験、煙道体験、避難袋体験、AED講習などである。また、各教科や委員会活動でも防災に対する意識を高める工夫を取り入れている。家庭科の授業では、防災バッグづくりを行ったり、家庭の防災用品の有無や管理につ

いて生徒自身に主体的に考えさせたりする授業を展開している。委員会活動では、BFC(少年消防クラブ)の委員会を設け、生徒に避難訓練や防災訓練活動の司会進行を担当させる機会を積極的に用意した。

 

平和教育に係わる学習

宇都宮市は、昭和20年7月に本土空襲を受け、大きな被害を被った。本校は市内の中心に位置しており、空襲の被害にあった地域に立地している。戦争の惨禍をくり返さないためにも、生徒たちに戦争の悲惨さを知ってもらい、二度と戦争を起こさないという強い自覚をもたせるために平和学習を取り入れている。

市役所の職員を招き、平和に関する講話を実施した。生徒は空襲の実情を、数字や当時の市街地の地図、写真を通して学ぶことができた。被害の様子だけでなく、戦後復興の様子を知ることもでき、平和を希求する人々の切実な願いや、困難から立ち上がる人々の姿を知ることで現在の平和の尊さ、築き上げてきた平和の重みを感じることができていた。

 

③人権意識に係わる学習(一条地域学校園あいさつ運動)

宇都宮市では小学校と中学校が連携して様々な教育活動に取り組む、地域学校園を組織している。本学校園では、児童生徒が地域社会の一員であることの自覚をもち、活動を通して他者と積極的に関わろうとする人権意識を高めることをねらいとして、あいさつ運動に定期的に取り組んでいる。生徒会執行部や学年委員会、生活委員会、各部活動の部長が中心となり、原則、毎月はじめに活動を行っている。小学校とも連携し、今年度は年に3回、担当生徒が出身小学校に出向いて小学生に対してもあいさつを呼びかけた。教職員だけではなく、保護者や地域の方も活動の主旨に賛同していただき、地域全体で協力体制を築いて、活動を推進している。

来年度の活動計画

平成30年度同様に、防災教育に係わる活動、平和教育に係わる活動、人権意識に係わる活動を柱として教育課程に位置付けている。その他の活動として、奉仕活動や行政や小学校、福祉移設等のボランティア活動を毎年展開しており、次年度も継続して取り組む予定である。奉仕活動は地域自治体の協力も得ながら活動しているため、校外組織との連携の一環として推進していく予定である。今年度は天候不順のため実施できなかったが、ボランティア活動(文化遺産)に係わる活動も次年度は再び取り組む計画を立てている。これらの活動を通して、本校の教育目標出る「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな人間の育成」を目指していきたいと考えている。