2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野

本校は、「自主創造―くらしをみつめ 追究する子ども―」を教育目標に掲げている。「追究」とは、生きることそのものであり「子どもが身の回りの人、自然、文化、社会等の対象に出会うか、あるいは何らかの出来事との出会いによって、自己の在り方をみつめ、見直し、生きる構えを深めていくこと」と考えている。この考えは、SDGs、ESDの考え方「持続可能な社会の実現を目指し、子ども一人ひとりが世界の人々や将来の世代、また、環境との関係性の中に生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育む教育を展開する」と目指す方向は同じであると考えている。そのため、子どもが一日のくらしを送る中で、各種教育活動(朝活動、くらしの時間、授業、自主活動、地域活動)を一連の物として意味付けながら、社会的資質や行動力を高めていく子どもを目標とした。
具体的には、①環境に係わる活動、②社会参画の基礎を養う教育、③地域とのつながりに係わる活動を行った。
①環境に係わる活動(朝活動、自主活動等)
毎日の「朝活動」では、発達段階や子ども一人ひとりの興味・関心を生かしながら個性を発揮した活動である。身の回りの環境の維持・保全だけではなく、利用する人、目にする人の立場を考え、多くの人がよりよい生活を送れるように創造的活動に取り組んでいる。「自主活動」では、子ども自らの発想による子どもの手による営みの場の一つとして設けている。通学路や校内の安全、挨拶を呼びかける看板づくりなど、子どもたちが環境に自らはたらきかけることができる時間を日々の生活の中で取り組めるように位置付けている。
②社会参画の基礎を担う教育(授業)
各学年における各教科等の学習を基に発展的に取り組んでいる。一例として今年度、5年生では、社会科・総合的な学習の時間「南富山駅」の学習に取り組んだ。富山地方鉄道の駅として堀川校区に位置している南富山駅について、子どもたちは「昔からある駅だ」「学校や会社に行く人以外の時間帯以外にはあまり利用者がいない」等、自分なりの着眼点をもって調べた。そして、「昔の南富山駅はどんな様子だったのだろうか」と現在の南富山駅と比較しながら歴史について調べた子どもたちは、自動車が普及する前には、数多くの路線があり、駅周辺が賑わっていたことを知り、「なぜもっと路線が広がらないのか」といった利用者のニーズと採算の矛盾から、「このままでは南富山駅は無くなるのではないか」と危機感をもつものの、「電車を残したいけれど、やっぱり車を使ってしまう」自分の葛藤に向き合った。そのような中であっても、地域の諸団体の方との出会いや行政の取組を知る中で、駅がもつ役割やまちづくりにおける駅の意味等、持続可能な社会に向けて自分ができることを実践した。南富山駅が内包する様々な課題に対して、自分の着眼点から学習を進めていく中で生まれる問いに対して、自分の見方・考え方をはたらかせ、事象を多面的・多角的に意味付けながら、問題解決に取り組んだ。
③地域とのつながりに係わる活動(地域活動)
年に2回行われている地域教育推進協議会を基礎にしながら、地域と手を取り合いながら学校教育の充実を図っている。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、今年度も縮小して実施したが、具体的な活動として、夏休みの中の各町内で近隣ファミリー活動や地域教育懇談会がある。また、堀小ふれあいフェスティバルといった学校行事を生かしながら、地域と交流する機会を設けたり、地域の人材を生かした学習を展開したりするなど、地域との交流を行っている。さらに、富山ユネスコ協会主催の事業に参加することで、子どもたちの地域の一員としての意義や態度が醸成される。

来年度の活動計画

次年度も、継続して本校「自主創造―くらしをみつめ 追究する子ども―」の教育目標の下、日々の教育活動(朝活動、くらしの時間、授業、自主活動)を何よりも大切に進めていくことが、SDGsやESDの目指す「持続可能な社会の実現を目指し、子ども一人ひとりが世界の人々や将来の世代、また環境との関連性の中に生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育む教育を展開する」の具体化になると考え、進めていく方針である。