2018年度活動報告
本年度の活動内容
活動分野
環境, 国際理解, 世界遺産・地域の文化財等, 食育
本校は、「地域の伝統文化、文化遺産の継承」をテーマとして、活動している。地域の担い手(後継者)不足や自然災害などの諸問題を抱える一方で、国内外から多くの観光客が訪れる地域であるため、自分たちの住んでいる地域の特性や価値などを再認識するための学習に力を入れている。そのため、卒業後は地元を離れて生活するも、いずれ故郷に買帰って活躍する人材の育成を、ESDの視点に立って長期的なビジョンを持って行っている。
具体的には①地域文化・環境を理解する活動、②地域文化・環境を広める活動、③地域文化・環境を深める活動を行った。
①地域文化・環境を「理解する」活動
近隣にある2つの国立公園をフィールドとし、観察(地域巡検)・座学(授業や外部講師による講話)、体験(全校登山)等を通して自然を守ること(環境)と利便性(人々の生活)の共存について学習する。また、シカ肉や外来種であるウチダザリガニなどの地元食材を利用した調理実習等も積極的に行っている。
②地域文化・環境を「広める」活動
平成28年度より、見学旅行先を台湾に設定し、7月に台湾の高校生が本校に来校、また、10月には本校生徒が台湾の高校を訪問するという国際交流に力を入れている。交流ではお互いの学校の紹介や文化体験を通して親睦を深める。紹介・説明をする際に本校の生徒自身が日本文化や地域の良さを言葉にしたり、形にしたりする作業を通して、地域文化等を理解し、愛情を持つことを狙いとしている。また、他国の文化や考え方に触れることで普段の生活では培えないような多様な捉え方ができることにもつながる。
③地域文化・環境を「深める」活動
例えば、シカ肉を調理しながら、シカ肉の特徴や良さをまとめては発表する、地域医療などの課題解決について考察を加え、発表するなどの活動を通して、地域文化や地域課題を探求する活動を行っている。通常授業で学んだ事をまとめたり、つなげたりする力や得た情報を整理・分析する力、また、得たことを実生活の中で活かそうという態度の育成を目標としている。校内の生徒・教員の前で発表することや質疑応答の時間を設けることにより、発表の質の向上も図っている。
来年度の活動計画
平成31年度は、地域のことについて観察・学習を行う地域巡検、お互いの言葉や文化体験などを通して交流する台湾との国際交流、各科目のつながりを意識して地域の課題について理解を深めたり、課題解決の方法を考察する課題研究活動、自然をできるだけ近くに実感できるような自然体験活動(登山やスキーなど)、学校の実践をたこうと交流するため北海道ユネスコ研究大会への参加などを継続して行っていく。また、北海道胆振東部地震を経験したことから、新たにアクサユネスコ減災プログラムへの応募を行い、防災教育に力を入れていく計画がある。