2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康

(1)起業家教育講演会 令和3(2021)年7月12日健康、福祉

実際に起業した方を招聘し、現在学習している商業教育が将来役に立つことや身近な課題から解決に向け取り組むことの面白さについて講演をしていただきました。我が子の皮膚炎を完治させようと東奔西走する中で、効果的な漢方薬や食事、衣服に多く出合った。同じ境遇の方から要望に対応していく中で、自然にビジネスへと転換していった経緯をお話しいただいた。事後のアンケートに「日常の課題から起業したことに感動した」と記述する生徒がいるなど、有意義な講演会となった。

(2)平和の懇話会 令和3(2021)年7月21日平和

当時の凄惨な状況や恒久平和への思いを継承していく趣旨で本校の前身である広島市立造船工業学校の先輩から戦前にあった広島での生活や文化や被爆体験について語っていただいた。ただ、原爆被害の説明よりも、当時の生活状況を聴く方がより共感することができたようである。事後の生徒の感想には、「今の私たちの生活は恵まれている。」「戦時中は言われるがまま過ごすしかない状況で、多くの人たちの犠牲や努力の上に、今の私たちがあることを忘れず、過ごしていかなければならない。」「市商高校の生徒であることを誇らしく思う」など現在の自身の生活と比較して考えた意見が聞かれた。

(3)平和探求学習 令和3(2021)年9月13日平和

授業科目「総合的な探究の時間」において、平和に関する学習を全学年で展開し、

生徒が先生役となり授業を行った。この授業のために、1学期は資料作りや分かりや

すい説明を模索した。各学年の学習テーマを1年生は「広島と原爆」、2年生は「長崎

と原爆」、3年生は「恒久平和に向けて」とし、3年間をかけて恒久平和への思いを継

承する資質を身に付けている。

(4)第15回広島市商ピースデパート 令和3(2021)年12月4日~5日

平和、世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等、環境、持続可能な生産と消費

本校では、毎年12月に開催している模擬株式会社販売実習「広島市商ピースデパート」の取組を授業科目「総合的な学習の時間」を使って、年間を通して、学習や準備、運営に当たっている。主な内容については次のとおりである。

平和に関する企画展示として、「ヒロシマを伝える被爆建物」の特集をはじめ、平和の象徴となるモニュメントの制作展示など、様々な活動を続けている。姉妹校である長崎商業高等学校との平和交流を通じて、同じ被爆都市として、平和を希求する心を育んでいる。

今回の大きな企画として「リサイクルブース」を設置し、「リサイクルの意義や仕組み」、「ごみの分別の推進」をコンセプトに、多くの方に環境について考えていただいた。また、新企画「SDGsクイズラリー」を開催し、多くの方に楽しんでいただきながら、よりSDGsを身近に感じていただく工夫もした。また、今年度も利益の一部を広島と長崎の平和事業へ寄付することができた。

(5)平和と気候変動の懇話会 令和4(2022)年3月9日 平和、気候変動

世界各地で気候危機を訴えた「Friday For Future広島支部」を立ち上げ、「広島のグレタ」と呼ばれる奥野華子様を講師として招聘し、「平和と気候変動」についてご講演いただいた。「人間が作り出したことは解決するのも人間である。」の信念のもと、戦争の悲惨さだけでなく、生存者が今でも「たすけて」の声に応えず、怖くて逃げた負い目があることにも焦点をあて、改めて語り継ぐ大切さを考えずにはいられなかった。

また、気候変動についても、一人ひとりがレジ袋を断り、マイバッグを持参すればよい段階はもう終わっている状況であり、あと7年で気温は1.1℃上昇、いずれ4~5℃上昇すると言われている。これは、例えば平熱36℃の人が37.1℃、あるいは40~41℃になることを想像すると、その危険度が理解するには十分である。仮に子や孫に「なぜ、そのとき行動してくれなかったの?」と聞かれたとき、どう答えるのか。自分ごととして捉え、授業等でも考えていく場面や仲間を増やすアクションが今日から必要であることについて、身をもって実感させられる内容であった。

来年度の活動計画

ユネスコスクールに加盟している学校との交流を踏まえながら、多様な価値観に触れ、世界の平和につながる取り組みを推進していく。毎年開催している「広島市商ピースデパート」を継続開催し発展させながら、恒久平和を希求し、経済社会の発展に貢献する資質を身に付けていく。また、生徒が学習している商業教育の知識や技能を活用しながら、主体的にビジネス活動の立案に取り組めるよう、指導していく。そのためには、一部の教職員や生徒の取組とせず、学校全体で情報を共有し、校外からの意見にも耳を傾け、外部と連携しながら、生徒の活動を支援する日々の指導体制を整えていきたい。