2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野

①「総合的な探究の時間」における探究活動・学習活動(通年)

本年度も昨年度に引き続きグローバルな社会課題である「平和」をSDGsと結びつけた探究活動を行うものとして「総合的な探究の時間」のカリキュラムを修正し,3年間を見通した内容づくりを目指した。第1学年では平和・SDGsについての視野を広げ,各自が探究課題を設定するまでの学習を,また第2学年では各自が昨年度設定した課題について探究活動を行った。さらに第3学年ではその活動を論文形式にまとめるとともに,自らの学びの軌跡を振り返ることとした。具体的には,第1学年は年度初めに「新型コロナウイルス探究プロジェクト」というテーマで,コロナ禍で出現した社会課題の解決をめざすミニ探究活動を実施した後,「□□×SDGs」と名づけた学問・企業・行政の3つの方向からSDGsについて考えを掘り下げていく学習,学術の現場に携わる先鋭的な研究者から探究活動の在り方について聴く活動,といった複数のフェーズを経て,自己の在り方生き方と結びつく探究課題を現代社会の中に見出した。また,第2学年の「総合的な探究の時間」においては「平和で持続可能な社会を実現するためのMy Project」という大テーマの下,生徒一人ひとりが探究活動を行い,その成果を昨年3月の発表会と同様,本年度も対面・オンラインハイブリッド型口頭発表という形式で広く発信する。第3学年は昨年度の発表内容を論文にまとめ,類似するテーマで研究した生徒同士でのグループディスカッションを経て,各自の学びの軌跡をポートフォリオ形式で残した。

新たな試みとして第1学年の学習活動にSDGsカードゲームを取り入れた。この活動を通してSDGsとは何かがより俯瞰的に見えるようになった。

「学校設定科目(グローバル平和探究)」における学習活動(通年)

WWLの拠点校指定を機に,昨年度第2学年からスタートした「グローバル平和探究」の授業において,SDGsと関連する世界の課題から「環境」「都市・貧困」「人口」「食料」「エネルギー」を取り上げ,グループでその解決策を考えた。発信の場面での使用言語には英語が含まれ外国人生徒との議論も想定しているが,本年度はそれが難しいため,BOPビジネスプランシートを作成して当該のコンクールに応募した。

国際理解に係わる学習活動

米国姉妹校(BCA校)との交流(2021年3月・12月実施,2022年3月予定)

本校の姉妹校である,米国ニュージャージー州のBCA校(Bergan County Academies)と,SDGsの一部や科学研究の分野における探究活動の成果発表及び意見交換をオンラインで実施した。今後も同様の活動を企画し,外国語による実践的コミュニケーション能力を高め,世界に向けて情報発信する力の育成をめざす。

③ 地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および活動

福島県立ふたば未来学園高等学校との交流(2021年3月・12月実施,2022年3月予定)

東日本大震災からの復興を目指し,その取り組みについて学習と実践を続けている福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒と2021年3月の課題研究成果発表会の際に交流を行った。また,2021年12月には上述のグローバル平和探究の授業の一環として,同校第2学年生徒と,「(原子力)エネルギー問題」をテーマとするグループディスカッションを実施した。この活動を通して自分たちが主体となって未来を切り拓くことの意義を再認識することができた。2022年3月の課題研究成果発表会でも研究交流を行う予定である。

◇どの活動も,「グローバルな視野と強い使命感を持ち,持続可能な社会の構築や国際社会の平和と発展に貢献する人材の育成」を共通の目的として行われた。

来年度の活動計画

本校は、「グローバル化の進展に対応し,高い志をもって世界の人々と協働して新たな価値を創造することのできる人材の育成」を教育目標として掲げ,ESDの方法論を「学習者基点の協働的で深い学び」と捉え,その実践を通して知・徳・体全般にわたって高いレベルでバランスがとれた生徒の育成を図っている。本年度もWWLの拠点校として,「グローバルな視野と強い使命感をもって持続可能な社会の構築や国際社会の平和と発展に貢献する人材の育成」に焦点化した取り組みを目指した。

主な内容としては,課題発見・解決学習と異文化間協働活動の推進を柱とした①「総合的な探究の時間」「グローバル平和探究」における平和及びSDGsを意識した学習および探究活動,②国際理解に係わる学習活動,③地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および探究活動が挙げられる。具体的な取り組みについては,1月以降の内容も含めて前項に記入した通りである。