2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 貧困

①「総合的な探究の時間」における探究活動・学習活動(通年)

本年度は昨年度に引き続き第1・2学年の「総合的な探究の時間」のカリキュラムを大きく改訂し,グローバルな社会課題である「平和」をSDGsと結びつけて多面的に考え,第1学年はその中から各自が探究課題を設定するまでの学習を,また第2学年では昨年度設定した課題について各自が探究活動を行った。具体的には,第1学年は年度初めに「新型コロナウイルス探究プロジェクト」というテーマで,コロナ禍で出現した社会課題の解決をめざすミニ探究活動を実施した後,「□□×SDGs」と名づけた学問・企業・行政の3つの方向からSDGsについて考えを掘り下げていく学習,学術の現場に携わる先鋭的な研究者から探究活動の在り方について聴く活動,といった複数のフェーズを経て,自己の在り方生き方と結びついた探究課題を現代社会の中に見出していった。また,第2学年の「総合的な探究の時間」においては「平和で持続可能な社会を実現するためのMy Project」という大テーマの下,生徒一人ひとりが探究活動を行い,その成果を3月の発表会における対面・オンラインハイブリッド型口頭発表という形式で広く発信する。

特に「総合的な探究の時間」での理数コースの試みとして,第1学年「新型コロナウイルス探究プロジェクト」では,発見した課題の解決に貢献するアクションとして科学技術と結びつけたアイデアの提案を行った。また,第1・2学年がそれぞれ1月・10月に一般社団法人日本キリバス協会理事ケンタロ・オノ氏とオンラインで対話,キリバスが直面する危機を実感し,地球環境の持続可能性についてどう取り組むかを考えた。

 「学校設定科目(グローバル平和探究)」における学習活動(通年)

WWLの拠点校指定を機に,本年度第2学年からスタートした「グローバル平和探究」の授業において,SDGsと関連する世界の課題についてグループで学び,考えたことを発信する際,グループ毎に留学生との交流を行い,それぞれの考察に対する質疑応答を行った。

②国際理解に係わる学習活動

ア ハワイ姉妹校とのオンライン交流(11月)

普通科普通は,例年オアフ島を研修地として,昨年同様ハワイの自然・地理,歴史・文化,産業・社会,そして平和について学ぶ多様なプログラムを体験しているが,本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で様々な対面型の国際交流プログラムは中止となり,一部はオンラインとして実施された。一部の生徒に限られたものの,本校の姉妹校であるモアナルア高校生徒との対話も実現し,彼我の文化における共通点や相違点を意識化し,多面的・多角的な見方考え方を身に付けることができた。

イ 米国姉妹校(BCA校)との交流(3月予定)

本校の姉妹校である,米国ニュージャージー州のBCA校(Bergan County Academies)と,SDGsの一部や科学研究の分野における探究活動の成果発表及び意見交換をオンラインで行う予定。外国語による実践的コミュニケーション能力を高め,世界に向けて情報発信する力を身に付ける。

③地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および活動

福島県立ふたば未来学園高等学校との交流(3月予定)

東日本大震災からの復興を目指し,その取り組みについて学習と実践を続けている福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒と3月の課題研究成果発表会の際に交流を行う予定。

この活動を通して自分たちが主体となって未来を切り拓くことの意義を再認識する。

 

 

来年度の活動計画

本校は、「グローバル化の進展に対応し,高い志をもって世界の人々と協働して新たな価値を創造することのできる人材の育成」を教育目標として掲げ,ESDの方法論を「学習者基点の協働的で深い学び」と捉え,その実践を通して知・徳・体全般にわたって高いレベルでバランスがとれた生徒の育成を図ってきた。本年度もWWLの拠点校として,「グローバルな視野と強い使命感をもって持続可能な社会の構築や国際社会の平和と発展に貢献する人材の育成」を目標に加え,より焦点化した取り組みを目指した。

主な内容としては,課題発見・解決学習と異文化間協働活動の推進を柱とした①「総合的な探究の時間」「グローバル平和探究」における平和及びSDGsを意識した学習/探究活動,②国際理解に係わる学習活動,③地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および活動が挙げられる。具体的な取り組みについては,1月以降の内容も含めて前項に記入した通りである。