2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境

本校は,「持続可能な社会の担い手を育成するために,主体的に課題を見付け,解決できる」生徒の育成を目指している。ESDと防災を関連付け,「自ら学びよく考え,課題解決に主体的,創造的に取り組む態度を育成する」ことをねらいとした。具体的には,地域と地域人材とのつながりを重視しながら,災害発生時に必要な判断力や,発生後に対応できる知識や技能を身に付ける「(1) 体験学習」と,「防災×○○」をテーマとして,見いだした課題から,個人で調べ,考えや提案などをまとめて発信する「(2) 探究学習」を総合的な学習の時間(45時間)を中心に,各教科・領域で横断的に行った。

(1) 体験学習
① 学年毎防災学習
 被災地として,津波災害を知り,復興に向けた地域のまちづくりについて学ぶために,大学教授から全校で地震・津波 のメカニズム講話を受けた後,1年生は東日本大震災津波伝承館いわてTSUNAMIメモリアルを訪問した。2年生は,女川町を訪問し,町職員から,津波による被害状況と復興に向けたまちづくりについての説明を受けながらまち歩きをした。3年生は,階上小学校の1~4年生へ,紙芝居や塗り絵,カルタなどを活用して防災啓発活動を行った。また,アクサ ユネスコ減災教育プログラムの参加者の先生方と意見交流(オンライン)を行った。

② 総合防災訓練
 11月21日(日)の気仙沼市津波総合防災訓練に合わせ,午前中は地区毎の避難訓練に全生徒が参加した。訓練では,感染症拡大防止のため規模を縮小して実施した地区もあったが,避難所の受付や,安否確認の手伝いなど,中学生としてできる活動を行った。また今年度は,本校校庭をメイン会場として行われた,気仙沼市,消防署,消防団等と連携した倒壊家屋救出訓練や自助共助強化訓練に参加した。加えて,ヘリコプターによる吊り下げ救助訓練等を見学し,防災意識を高めた。
午後には本校体育館で避難所初期設営訓練を行った。生徒が在校中に災害が発生したことを想定し,地域の災害対策本部に引き渡すまでの初期設営を目的として,昨年度作成した設営マニュアルを基に,委員会毎に役割を分担して活動した。感染症拡大防止の観点から,パーティションの設営や,受付での検温・消毒セットの準備等も行った。階上小学校6年生と気仙沼向洋高校生徒会も一緒に活動した。また,階上小学校1~5年生には,本校の有志生徒が学年毎に防災啓発活動を行った。

(2) 探究学習
 防災を軸としながらもSDGsとの関連にも波及させた「防災×○○」というテーマを基に個人で課題を設定し,学習を進めた。内容を海洋,環境,産業や地域づくり等に発展させ,聞き取り調査やアンケート集計,現地調査,文献研究等での情報収集,比較,分類,関連付けにより課題解決を図った。加えて,保護者,地域の方を招いて防災学習発表会を実施した。

来年度の活動計画

令和4年度は,防災・減災を基盤としたこれまでの学習から更に視点を広げ,地域と地域人材とのつながりについて考えさせる探究学習を充実させ,推進していく。そのために,気仙沼市探究学習コーディネーターから協力をいただいたり,大学等の専門機関から指導・助言をいただいたりしながら,全校体制で進めていく予定である。さらに,全ての教育活動において,ESDの視点に立った教科横断的学習をより意識して実践していきたい。