2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校のESD学習活動は、主に以下の三つの柱で成り立っています。

一つ目は「修学旅行を通じたESD学習」です。ユネスコスクールへの加盟申請を機に、修学旅行の学習を、学校全体で取り組む「ESD学習」と位置付けました。そして平成26年度より、全校的なESD学習活動として、第2学年500人を対象とした「課題探求型学習」をスタートしています。教育課程の異なる4つのコースの修学地(沖縄、シンガポール、オーストラリア)に対して「持続可能な社会の発展に向けての街づくり、国づくり」を共通のテーマに定め、1班4~5人に分かれて、5つの研究領域(①少子高齢化 ②経済 ③環境 ④平和 ⑤異文化理解)から一つを選択し、事前学習→ 授業公開週間での中間発表 →現地学習 →まとめ学習(研修記)→全体発表(プレゼンテーション)の流れでESD学習を実践しています。修学旅行を活用した「課題探求型学習」は、現地学習(フィールドワーク)を含むため、生徒が事前学習で得た知識を、現地での体感とともに確認でき、学びに対する充実感や達成感が得られることが期待できます。2021年は10月に予定していた修学旅行が新型コロナウイルス感染症の影響で12月に予定を変更して実施しましたが、従来行われていた現地での活動が予定変更に伴い行うことができませんでしたが、今後も修学旅行での活動は継続していきます。

二つ目は、本校国際コースの「異文化学習」です。これまで10年以上にわたり、JICAの研修員や中部大学の教授を招き、「総合的な学習の時間」や学校設定科目である「異文化理解」の時間に、「異文化理解、並びに発展途上国に対する望ましい国際協力の形」を学習してきました。現在カナダやオーストラリア、インドネシア、ベトナムの高校に交流校があり、異文化理解の「生」の学習機会を増やしていく計画です。

三つ目は、本校インターアクトクラブ(ボランティア活動クラブ)の「地域貢献活動」です。これまで10年以上に渡り、週末に地元地域の高齢者施設、障害者施設、学童保育施設を訪れ、施設のお手伝いや、施設の人々を元気づける娯楽等の企画を立案・運営してきました。現在は約90人まで部員数が増え、年間を通じて40か所近い施設で、多彩な地域貢献活動を行っています。今後は、その活動領域を外国に広げ、国際化を目指していきます。

令和3年度も新型コロナウイルス感染症の影響で海外から高校生を招き、グローバルミーティングを開催できませんが、オンラインでベトナムやインドネシアの高校と交流を図り、「持続可能な社会の発展に向けての街づくり、国づくり」について話し合いを3月に行う予定です。またESDコンソーシアム愛知「愛知県ユネスコスクールESD・SDGs活動成果発表会」で今年度の研究内容の発表もする予定です。

本校は、これまでの教育活動を「ESD」の概念に照らして見つめ直し、その教育内容の充実へとつなごうとしています。ESD学習を通じて、生徒が実社会に目を向け、自分の未来像を描くきっかけとなるように、今後もESD学習を発展させていきたいと考えています。

来年度の活動計画

SDG’sの理解教育や実践を軸に、STEAM教育を取り入れ、文理融合型の課題研究を目指す。各コースの特色を活かしつつ各研修地で調査を行い、大学や地域との連携をさらに強化し、個人やグループの研究を深化していくものにする。沖縄やシンガポール、インドネシア、ベトナムでSDG’sの現地調査を行い、事前研究やその現地調査を踏まえて研究内容を国内外へ発信する。グローバルミーティングや校内ESD発表会、愛知県ユネスコスクールESD・SDGs活動成果発表会などで国内外の高校生との交流や意見交換を行っていく。文理融合型の研究で、生徒一人一人がSDG’sを身近なものに感じ、日本や世界の未来を変えていく人材に成長できることを目指していきます。