2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等

本校は、母島を誇りに思い、ともによりよい社会を築くことのできる人間を目指し「意欲的に学ぶ児童生徒、自らきたえる児童生徒、社会のために尽くす児童生徒」を学校理念として、小笠原の豊かな自然と特有な歴史、伝統文化に対する学習を通し、母校や郷土に対する誇りや愛着を育むためにESDを推進する。

①豊かな自然に係わる活動、②伝統文化に係わる教育、③特有な歴史に係わる学習を柱に、自然環境を生かした校外学習、アオウミガメの卵の飼育と放流活動、星空観察会、全校児童による南洋踊り、小笠原太鼓、父島移動教室での戦跡調べを行った。

①豊かな自然に係わる活動

本校では全学年が自然観察や保護・保全を視点にした校外学習を行っている。3年生は乳房山をフィールドとして固有種を調べ、4年生・5年生は合同で平島または二子島・向島という無人島に隔年で行っている。鳥や植物の固有種の観察、及び外来種の除去活動等を行っている。4年生は他にも乱獲から数が減ってしまったアオウミガメを守り育てるために、卵の観察と孵化までの飼育、放流を行っている。放流会では調べ学習から分かったことを参加者に発表をしている。

また3年生~6年生を対象とした星空観察会を行っている。(5月に実施)母島は街灯が少なく、普段から天の川や流星も観測できるほど星が多く見られる。そこで、島で見られる星座等を調べ、1年に1回星空観察会を行っている。毎年季節を変えることで、4年間で春夏秋冬の星座を観察できるよう配慮している。

②伝統文化に係わる活動

 小笠原の伝統舞踊「南洋踊り」を毎年運動会で全小学生児童が踊っている。南洋踊り保存会の方を招いて、その歴史や踊り・歌詞の意味等を教えていただき、運動会では衣装を身に付け披露している。

 また4年生から6年生まではクラブ活動として「小笠原太鼓」を行っている。小笠原太鼓保存会の方を講師として毎回招き、叩き方やリズムなどを教わっている。児童らは6月の返還祭、11月の学芸会、3月の島を離れる人々へ向けて行う見送り太鼓の年3回を発表の場としている。

 6年生はタコノ葉細工に取り組み、小笠原に伝わる工芸品作りを行っている。

③特有な歴史に係わる活動

 小笠原は硫黄島を始めとして戦場となった島である。そのため島内のいたるところに塹壕や壕が掘られていたり、身近な所に砲台があったりして、戦争の痕跡を間近で見ることができる。

3年生の乳房山校外学習では、登山ルートの中にアメリカ軍が落とした爆弾による大きな穴の観察が出来たり、塹壕や壕の中に入ったりすることができる。また西浦校外学習でも、日本軍が海岸に掘った壕や倉庫、壊れた船を見ることができる。

6年生の父島移動教室では、戦跡調べを行い外部講師に案内していただきながら父島の戦跡を見学している。

平成30年度は小笠原返還50周年を迎えるが、本校では低学年のうちから戦争と平和について考える教育活動を行っている。

来年度の活動計画

1,2年生:南崎校外学習(母島の植物調べ)

3年生:乳房山校外学習(乳房山の植物・戦跡調べ)

西浦校外学習(自然体験及び戦跡調べ)

4年生:平島校外学習(外来種除去、海鳥の調査)

アオウミガメの卵の飼育及び孵化・放流体験

北村校外学習(戦前の集落調べ)

5年生:平島校外学習(外来種除去、海鳥の調査)

南崎校外学習(海鳥を野ネコから守る活動の調べ学習)

6年生:父島移動教室(戦跡調べ、国立天文台VILAの見学、オガサワラオオコウモリの生態調査等)

タコノ葉細工

3~6年生:小笠原の星空観察

4~6年生:父母学習交流会

(父島に行き、社会科見学及び、父島の小学校との
学習交流を図る)

全校児童:年3回のユネスコ集会