• はちのへせいうるすらがくいんちゅうがく・こうとうがっこう
  • 八戸聖ウルスラ学院中学・高等学校

  • Hachinohe St. Ursula Junior and Senior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

所在地 〒039-1104 青森県八戸市大字田面木字上野平53-2
電話番号 0178-27-2245
ホームページ https://www.ursula.ac.jp
加盟年 2022

2023年度活動報告

活動分野

環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

 「教育を通して平和でより良い社会づくりに貢献する」ことが、全世界に広がるウルスラ教育の基盤にある理念である。本校は「A Person with Others,  A Person for Others 他者と共に、他者のために」をスクールモットーに、「共生・協働・奉仕」ができる人材の育成を意識して、様々な教育活動を展開している。

長年国際教育に力を入れてきた学校の特性を生かしつつ、ユネスコスクールとして、1)多文化『共生』社会の構築 2)持続可能な社会実現のための人材育成 をさらに強化していくことを目的とし、以下の教育活動を実施・継続している。

 

1)多文化「共生」社会構築に係わる活動

【身につけさせたい力】「地球市民としての適切な価値観(人間・多様性・環境の尊重)」「違いをもつ人々と関わるために必要なコミュニケーション力」

2)持続可能な社会実現のための人材育成に係わる活動

【身につけさせたい力】「必要な知識(自国と多文化、地球的諸問題)の理解」、「諸問題を『自分ごと化』し、他者と協働できる力」、「課題を設定し解決しようとする意欲と能力」

 

【本年度の主な活動】

①  祈り・宗教行事

毎朝の祈りの時間や修養会、クリスマスプレーなどの宗教行事では、「世界難民の日」をはじめ国連が定める国際デーを意識的に取り上げた。戦争や自然災害などで弱い立場に置かれた人々に思いを寄せる意向を読み上げ、平和と人権を希求する態度の育成に注力した。

②  「異文化理解」の授業

・中学:留学生との交流、日本紹介・やさしい日本語練習、高校:技能実習生(ベトナム・インドネシア)との交流、タイ姉妹校とのオンライン交流、講師を招いて「やさしい日本語」講座を実施し、地域在住外国人の現状を知ること、また英語以外のやり取りによるコミュニケーションスキルを高めることに取り組んだ。

 

③  「総合的な探究(学習)の時間」の授業

・中学校:1年環境学習、 2,3年協働・探究・発信活動、高校:1年地域課題の探究と発表活動、2年「服のチカラプロジェクト」継続実施と地球的諸問題の探究活動、3年模擬国連。

生徒たちは、身近な環境から地域、そして国際社会と自分とのつながりを学んだ。様々な課題に対してグループで協働しながら発表し合う活動を取り入れたことで、生徒たちは答えのない課題に、前向きにそして忍耐強く取り組む態度と発表スキルを身につけることができた。高校1年生は、県議員の前で行う模擬議会の発表校に選出された。

 

④ 講演・ワークショップ

・「地球のステージ(桑山紀彦氏)」を毎年実施。座談会に中高の約80名が参加。

・グローバル講演:ロータリークラブとの関係からチェコ大使を迎え講演会を実施。さらに駐日欧州連合代表部主催「EUがあなたの学校にやってくる」プログラムにおいて、ルーマニア大使を迎え講演と座談会を実施。

 

⑤ 体験学習

・中学校:1年 社会科体験学習で岩手・宮城を訪問(環境、震災復興学習)、2年異文化体験学習、3年グローバルスタディーズプログラム、高校:1年英語科English Village国際教養大学、2年修学旅行(広島での平和学習。現地の高校生との交流も実施)

 

⑥ ボランティア活動(一部抜粋)

・八戸国際交流協会主催のイベント、三沢米軍基地での通訳ボランティア

・地域の幼稚園や公民館等での音楽科ボランティアコンサートの開催

・募金活動(トルコ大地震やフィリピンの教育支援)

 

⑦ 積極的な海外留学支援

・長期留学(令和5年度はタイ、台湾の姉妹校含め10名留学中)

・トビタテ留学JAPANへの参加支援(3名:フランス、タイ、フィリピンに派遣)

・姉妹校を中心とした短期研修への派遣(7月オーストラリア、12月台湾)

・姉妹校の教員・生徒の受け入れ(6月台湾、12月オーストラリア教員2名)

・中・長期留学生の受け入れ(タイ姉妹校生3名、AFS留学生イタリア1名、アメリカ1名)

 

④~⑦での直接的な交流による諸問題の共有、また自分ができることを実践する様々なアウトプット活動を通して、自己肯定感を高められた生徒が多かった。自身の生き方を見つめ、将来に対して使命感を持てるようになったり、また違いに対して寛容で柔軟な生き方ができるようになったりと、身につけさせたい力が育っていることが感じられる場面が多くあった。

 

上記の活動の成果として、生徒たちは様々なコンテスト等に参加し、数多くの受賞を果たしている。(一部抜粋)

・青森県高等学校総合文化祭国際理解部門 日本語発表:優秀賞、英語発表:最優秀賞、優秀賞、優良賞

・第5回ユネスコスクール東北ブロック大会 児童生徒発表:増えるインドネシア技能実習生との交流を通して気づいた課題とその解決のための試行錯誤を発表

・PDA 青森県高等学校即興型英語ディベート交流大会2023 2位、県代表として全国大会に出場

・第43回高校生英語弁論大会東北地区代表選考会 最優秀賞、東北代表として全国大会に出場

 

来年度の活動計画

現在の取り組みを継続しつつ、今年度直接交流が再開された海外姉妹校との交流内容をより協働的で達成感のあるものになるよう工夫していきたい。さらに他のユネスコスクールとの関わりを構築していく。同じ志をもつ生徒たちとの連携によって、互いに刺激し合う中で生徒たちの学びが深まるよう活動を深化させていきたい。

なお、すでに姉妹校同士で受け入れや派遣を準備しているのは以下の通りである。

・3月に約2週間アメリカ・オハイオ州トレドの姉妹校を生徒16名が訪問、4月から1年間、タイ・チェンマイの姉妹校から1名受け入れ、6月台湾・基隆市の姉妹校から約15名の生徒の訪問受け入れ、7月オーストラリア・トゥ-ンバの姉妹校を高校生約30名が訪問、12月台湾姉妹校に本校生徒が1週間訪問することが計画されている。

また、生徒が学んだことを校内外でアウトプットできる活動も積極的にサポートしていきたい。1月は「能登半島地震」被災者のためのベイクセールを実施し、募金活動につなげる予定である。そして、そのような取り組みを積極的に新聞やSNS等を通して、社会に発信していきたい。

過去の活動報告