2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は、学校教育目標「全力ENJOY! ~100 点よりも100%~」をもとに、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野の特に②番③番を通して、探究的な見方・考え方を働かせ、地域にある「ひと」「もの」「こと」に関わり、よりよい地域社会や生活を目指して思い・願いをもち、その実現に向けて考え、行動し続けることができる力の育成を目標とし、豊かで確かな学びを実現した。

行徳で制作された神輿は、神輿総数の約8割ともいわれている。小学校の前の歩道橋には「神輿のまち行徳」と書かれた横断幕があり、校内には大きな神輿が展示されている。また、近辺では神輿を担ぐ祭礼がいくつも行われている。特に3年に一度行われる「五カ町の祭り」は、早朝4時から夜8時頃まで神輿を担ぎ続けたり、「行徳揉み」という独特の担ぎ方をしたりする「神輿のまち行徳」にふさわしい神輿を中心とした祭礼だ。

しかし、かつて3件あった神輿店は現在中台製作所1軒になった。また、2000年に妙典駅が開業し、新しい家やマンションがたくさん建てられた今、神輿を担いだことのある児童や保護者はほとんどいない。

⑴祭りの歴史的意義や伝統性、今も続く神輿づくり、祭りの特徴を体験する探究学習

なぜ「神輿のまち行徳」なのか、今も「神輿のまち行徳といえるのか」という問いに対して、各々町の中から神輿に関係のあるものを探したり、自治会や神社氏子代表・神輿店・資料館・呉服屋等の地域の方々から祭りに対する思いや伝統を聞いたりして神輿の揉み方や装束・囃子・踊り等を体験的に学んだ。子ども一人一人が、解決に向けて探究的に学習を深めた結果「問い」に対する自分なりの答えを持つことができた。さらに、地域の方々の祭りに対する情熱によって、子供たちの「祭りをしたい」という思いがより一層高まった。

⑵学んだことを「おみこし集会」で表現し、更なる課題を追究する学習

今年は学校創立150周年ということで、地域の方が本神輿を揉んでいる様子を全校児童が見ることができた。その後、3学年単独で地域の方々をお招きし「おみこし集会」をともに楽しんだ。地域の方々の祭りや地元に対する思いと祭りの楽しさや誇りを体験的に感じ取ることができた。夢中になって学び続け、関わり続けるという子どもの主体性を大切にし、地域の持続可能性に関わる活動を広げていった。

⑶全校・保護者・地域住民に関わり、願いや思いを実現していく学習

今後は3年生のいる4号館を丸ごと「博物館」にし、子供学芸員として、全校児童、保護者、地域に行徳の魅力を発信していく。

来年度の活動計画

〇教師のカリキュラムマネージメント力の向上

総合的な学習の時間における時間や空間や仲間とのつながりをもっと組み立てられるようにする。それぞれの教師自身のもっている感性や資質・能力を豊かに活用しながら、授業構想できるようにしたい。更に、各教科・領域を統合・横断しながらSDGsを意識した授業デザインができるように構想していくことについて深めていきたい

〇子どもたちの社会参画を向上させる

本年度までの学習活動をもとに、さらに発展させ、発信・表現段階を深め、有名なロジャー・ハートの「参加のはしご」を段階的に上がるようにする。子どもたちの「おみこし集会」や体験活動への役割参加から、実際の五カ町の祭りへの意見参加や共同決定の参加などの参画の形まで向上し、地域と一員としての自覚をもった行動へと促していける活動へと深めたい。