2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

ユネスコスクールガイドラインの中で、以下2点について重点的に取り組んだ。

1 持続可能な開発のための教育(ESD)を通じて育てたい資質や能力を明確にし、自分で、あるいは協働して、問題を見出し、解決を図っていく学習の過程を重視した教育課程を編成する。

 1-1 育てたい生徒の資質の明確化

葺合高校で育てたい資質や能力を本校独自で定めた「Neo MAKS」12の力とし、学校設定教科「国際」や「学際」の科目の中、さらに総合的な探究の時間や学校行事の中で、連携しながらそれらの力を育成することを実践する。

Mind

① 物事を多面的に見る力

② 他者の痛みを理解しサポートする力

③ 多様性の中で協働する力

Attitude

④ 経験と知識を融合させる力

⑤ リーダーシップをとり責任を持って調整する力

⑥ 柔軟性に富んだ問題解決力

Knowledge

⑦ 自国や他国の文化・歴史に関する深い知識と理解

⑧ 科学的知識を活用する力

Skills

⑨ ICTを主体的に使う力

⑩ コミュニケーション力

Neo

⑪ 普遍的正義感

⑫ 新しい価値観の創造

 

1-2 問題解決学習を重視した教育課程の構築

生徒が主体的にあるいは協働的に問題を見出し、解決を図っていく学習の過程を重視した教育課程を編成し、学際系科目の7科目を設定している。

上記12の力をどの科目のどのような活動で育てるかを各科目で決めている。

(1)グローバルスタディーズIA(GSIA) 国際科1年生 必修

(2)グローバルスタディーズⅡB(GSⅡB)国際科2年生 必修

(3)グローバルスタディーズⅡC(GSⅡC)国際科2年生 選択

(4)グローバルスタディーズⅢC(GSⅢC)国際科3年生 選択

(5)学際国語  普通科2年生 英語系 文系必修

(6)学際リサーチ 普通科2年生 英語系文系 選択

(7)学際フードデザイン 普通科3年生 文系選択

 

2 持続可能な開発のための教育を基盤とし、問題解決型科目と総合的な探究の時間と学校行事を連携させ、それぞれが重なり合ってユネスコスクールとしての生徒の学びを支えている。

 

社会に開かれた学びの実践――地域の社会教育機関、NPO等との連携

持続可能な開発のための教育を基盤とし、問題解決型科目と総合的な探究の時間と学校行事を連携させ、それぞれが重なり合ってユネスコスクールとしての生徒の学びを支えている。

各学年の総合的な探究の時間での活動と、7科目の国際・学際系科目は、教室の学びだけにとどまるのではなく、社会に開かれた学びの実践の場となっている。国際機関や大学との連携で特徴的なものとして、WHO Kobe センターの危機管理担当技官による英語での講義、アメリカのスタンフォード大学の授業を受け、課題研究をまとめるStanford e-Kobe Program (12回)がある。本年度の講座は対面とオンラインを併用して、国際機関、国内外大学、企業、自治体、NPO等の33講座を開催することができた。内容は、人権、ジェンダー平等、福祉、平和、持続可能な生産と消費、国際保健、防災、 グローバル社会、共生社会、コミュニケーションなどである。

 

本校は年間3回、課題研究の発表・意見交換・解決に向けたディスカッションを校内・校外の高校生と共に行っている。7月には、海外の姉妹校(スウェーデン・オーストラリア・フィリピン・台湾・イラン)が参加し、オンラインで高校生国際会議を行い課題解決のため活発な意見交換をした。12月にはインターナショナルスクールを含めた近隣の国立・公立・私立の高校、海外姉妹校計15校で、課題研究の発表とディスカッションを行う交流発表会を対面とオンラインのハイブリッドで主催した。2月には学際科目を中心に授業公開を行い、他の神戸市立高等学校5校が対面・オンラインを交えた協働学習を進める。

 

さらに今年度は、社会に開かれた学びの実践として、生徒の企画・運営で①ヤングケアラー啓発動画作成 と②「せかいこどもフェス」の開催を行うことができた。また、中央区社会福祉協議会の企画で、③「やさしい日本語ワークショップ」をフィリピン人のコミュニティの方と近隣の住民を招待し、葺合高校で実践した。生徒たちは、社会課題に向き合う中で、社会に変化をもたらせたいという意欲が膨らみ、その志が周りの協力者を動かした。彼らは、行動を起こすことで実践者として、学び、振り返り、企画力、論理的思考力、交渉力、行動力を身につけてきた。

来年度の活動計画

来年度の活動計画
ユネスコスクールの活動チェックシート(令和4年8月提出)の中で、評価が4もしくは5であった項目は継続発展できるように努めていくとともに、評価が1もしくは2の項目は、早急に改善を目指して来年度の取り組みを行事予定の中に盛り込みたい。特に「国際デー」を取り上げたプロジェクトは来年度計画していて、より多くの生徒とユネスコスクールの目的を共有したい。さらに、ユネスコスクールの活動を、学校全体で組織的に継続的に取り組める体制や環境づくりを行いたいと考えている。
2023年度も、活動分野を広げ、国際機関、大学、企業、自治体、NPO等と連携をして生徒に高度な学びを提供していく。 また、国内・海外の生徒との協働活動もこれまでと同様年間3回は行っていきたい。2023年7月に本校で開催予定の高校生国際会議は、海外5カ国(地域)から高校生を招待し、課題研究の発表の他に、活発な議論を行ない、提案を実現するための行動計画を立てて、会議後もその実践を目指していく予定である。2023年12月には、本校主催で引き続き課題研究交流発表会を実施する。探究活動への取り組みが熱心な高校が15校ほど集い、様々な分野の発表をし、日本語・英語でディスカッションを行う。2024年1月のフォーラムも実施予定である。加えて、生徒が視野を広げたり実践力をつけたりする成長の機会となるよう、校外で行われる大学等主催の課題研究発表会や協働学習の取組には、生徒の積極的な参加と深い学びを支援していきたい。