2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困

 本校の教育理念は、「一人ひとりが神の愛を受けたかけがえのない存在であることを知り、世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成を目指す」というものである。世界の一員としての連帯感と使命感を持つということは、ESDが重視する「地球上で起きている様々な問題が、遠い世界で起きていることではなく、自分の生活に関係していることを意識付ける」ことと極めて関連が強い。次にあげる3本柱(環境教育、国際理解教育、平和・人権教育)を軸に様々な活動を展開し、他者や世界との「つながり」を重視し、強め、実感させ、生徒自身の生き方の「変容」を期待していくことが本校のESDの大きな目標である。

① 環境教育(高校1年次の「総合的な学習の時間」や委員会活動を中心に)
○校内の自然環境を利用した、生物多様性を意識した森づくり活動
○校内の森林保全活動
・「矢作川水系森林ボランティア協議会」の方々の指導による「森の健康診断」
・上記の「森の健康診断」の成果を踏まえた上での間伐体験
・NPO法人「土に還る木 森づくりの会」の指導を受け、間伐材を利用した木工作品のアイディアコンテスト、商品化、チャリティセールでの販売
○生物多様性と森林保全に関する講義・講演
・獣害駆除と生態系保全について、静岡県自然保護課担当者の講演
・富士山の森の保全について、常葉大学名誉教授の講演
・三井物産株式会社の方による、社有林を活用したCSRについての講演
・宮大工の方による、宮大工の仕事と間伐材の活かし方についての講演
○「温暖化緩和策としての森林保全」を議題とした模擬国連の実施(高校1年生全員参加)
○姉妹校と連携しながら活動を行う委員会において、気候変動に関するワークショップを主催し、気候変動緩和のためのコンタクトケース回収運動を全校生徒にむけて実施

② 国際理解教育
○海外への留学生を送る(姉妹校を含む)
・長期留学・・・カナダ(2名)、NZ(1名)、米国(3名)
・短期留学・・・米国、カナダ
○マレーシアと韓国とタイから各1名、台湾から2名の留学生の受け入れ
○海外体験学習の実施(高校生希望者を対象)
・韓国での体験学習
・姉妹校主催のカンボジアでの体験学習へ生徒派遣
・台湾での世界各国の姉妹校生徒が集まる文化交流プログラムへ生徒派遣
・イギリス・ケンブリッジでのグローバルキャリアプログラムの実施(予定)
○グローバルな意識を涵養するチャリティ活動へ参加・協力
○高校2年生全員で「フランス・ルーツへの旅」の実施
本校の設立母体である聖心会創立者の故郷ジョワニーやパリのユネスコ本部等への訪問
○教員の「フルブライト・ジャパン主催 ESD日米教員交流プログラム」への派遣

③ 平和・人権教育
○長崎での平和学習旅行(キリスト教と原爆)とその準備(中学3年)
○女性としての生き方「人間学」について学ぶ講演や活動(高校3年)
○チャリティ活動、奉仕活動への参加

来年度の活動計画

 環境学習については、昨年度と同様に「森づくり」をテーマに据え、森の健康診断や間伐体験、間伐材を利用した木工作品のアイディアコンテストを前半の活動として行い、後半には「温暖化緩和策としての森林保全」を議題とした模擬国連活動を行っていく。
 国際理解教育については、姉妹校を含む海外校への長期留学・短期留学の促進、姉妹校を含む海外校からの留学生の受け入れ、海外体験学習の実施に力を入れていく。高校2年生全員が参加する本校の設立母体である聖心会のルーツを巡る「フランス・ルーツへの旅」も実施する。
 平和・人権学習については、毎日行われているお祈りや、定期的に実施される奉仕活動などに引き続き力を入れ、取り組んでいく。中学3年生で行われる長崎での平和学習では、現地での研修や講話、教会での祈りを通して、戦争や宗教(信教)の自由について理解を深め、平和を維持する大切さを学ぶ。