2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は「『知・徳・体』のバランスがとれた国際社会の各分野で活躍できる人材の育成」を目指し,ESDの実践をとおして「持続可能な社会づくりに関わる課題を見出し,それらを解決するために必要な能力や態度を身に付ける」ことを目標としている。

本校ではそのために,(1)総合的な学習及び探究の時間における活動,(2)各教科・科目及び特別活動の学習における活動,(3)ユネスコスクール委員会の活動の3つの活動を通してESDに取り組んでいます。

(1)総合的な学習及び探究の時間

1学年ではESDの視点・考え方の導入を目的として,文部科学省が作成したESD QUESTを活用し,SDGsについての理解を深めた。また生徒に身近な「チョコレート」について考えを深める中で,産地であるガーナの経済状況や教育環境を持続的に解決することができるのか意見を出し合い,現代の諸課題とSDGsの必要性について理解を深めた。さらに,SDGs目標を,ダイヤモンドランキングを用いて優先順位をつけさせ,それをグループで話し合わせる活動を通して,合意形成の困難さを経験し,SDGsという共通理念を通して世界全体で諸課題について取り組むことの重要性について理解を深めた。

3学年では,環境問題と経済問題に関して,どちらかを優先すればどちらかが損なわれてしまう事例について考え,さらにどのようにすればお互いが損なわれることがないのか,その具体的な方策を考える活動を行った。また自己の学びを将来につなげることを目的として,自己の今後の学びや進路について,SDGsとのつながりを考察し,SDGsの達成に向けて貢献する方法について考察する学習を展開した。

(2)各教科・科目及び特別活動の学習における活動

政治・経済の授業では,国連の諸機関を学習する中で現代の諸課題やSDGsなどの詳しい知識を学習した。現代社会の授業においては,日本社会の高齢化に焦点を当て,今後社会医療費を増やしていくべきか,それとも減らしていくべきかについて生徒に考えさせ,今後の日本社会の在り方,持続のさせ方について考察を深めた。

家庭科の授業では,生涯の健康を見とおした食生活について学習していく中で,世界の飢餓問題から日本人の食品ロスなどに焦点を当て,食料の廃棄量を減らすためのエコクッキングについて理解を深める学習を展開した。

また,ホームルーム活動の一環として,地域社会への関心をさらに高め,地域が持つ課題の改善に積極的に行動できる態度を育成するため,1学年から3学年までの学年毎に学校周辺の清掃活動をしたり,最寄り駅であるJR府中駅の花壇に花を植えたりなど,環境整備に励んだ。

(3)ユネスコスクール委員会の活動

夏休みユネスコ研究と題して,ESDの活動として実際にどんな活動が行われているか考えて作文を書いた。作文は校内の掲示板に示し,他の生徒がESDに興味や関心をもってもらえるように努めた。

来年度の活動計画

①本校でのESDの全体計画の明確化

総合的な探究の時間に関してだけでなく,教科学習や特別活動でESDの視点を踏まえて育成したい能力・態度がどうつながっているかを明確化し、組織的な指導を一層推進する。

②総合的な探究の時間のESDの一層の充実

これまで行ってきた総合的な探究の時間におけるESDに係る課題の解決を図り,学年段階に応じたESDの一層の充実を図る。

③委員会活動の充実

生徒自身が活動の意義や意味を意識して取組を進めていける指導を行う体制を整え,指導を進めていく。