2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費, 食育

千坂小学校の周辺には、たくさんのレンコン田が広がり、地域の特産物となっている。また、学校近辺には、「千坂ネイチャーフィールド」という学校園もあり、自然に親しむことができる。平成23年度から、ユネスコスクールの認定を受け、地域や環境をテーマとして、持続可能な開発および持続可能なライフスタイルの実践に向けて取り組んでいる。

 

1.1年生の取り組み「しぜんとなかよし」

 

1年生の生活科を主としながら、地域の自然や地域の人とかかわることを通して、それらに関心を深めるとともに校区に対する親しみがもてるようになることをねらいとしている。

「きせつとあそぼう はるがいっぱい」の単元では、千坂ネイチャーフィールドへ行き、春見つけをした。春の草花や生き物と触れあい、季節を感じることが出来た。「なつだいすき」の単元では、春との違いを見つけ、季節の変化と自然の変化に気付いた。「あきといっしょ」では、校内できれいな落ち葉を探したり、春と同様、ネイチャーフィールドで秋見つけをしたりした後、秋の虫や自然物(落ち葉、ドングリ、まつぼっくりなど)を利用して、おもちゃ作りを楽しんだ。学年の友達に向けてお店屋さんを開き、来てくれた友達と積極的にコミュニケーションを取りながら、楽しんで遊ぶ姿が見られた。本単元を通して、児童が地域の自然や人に関心を深め、それらに親しみがもてるようになってきた。

2.2年生の取り組み 「まちたんけん ~千坂のすてきをみつけよう~」

生活科では、自分たちの暮らす町の魅力を発見する活動を行った。

春には「どきどきわくわくまちたんけん」の一環として「見つけよう!わたしの町のじまん」に取り組んだ。校区にある公園に出かけ、公園の施設や自然等からみんなに知らせたいものを新聞にまとめた。そして、探検した公園のおすすめを紹介したり、友だちが公園で気になるものについて質問したりする中で、千坂校区について詳しく知ることができた。

秋には、図書館、児童館に見学へ行き、どんな施設なのか、どんな仕事をしているのか等を教えていただいた。仕事内容だけでなく働く人の気持ちなどについても知ることができた。施設の方から、幅広い年齢層にとって過ごしやすい場作りをしたり、様々な催しを行っていることを聞き、地域の施設の大切さを感じることができた。

 

3.3年生の取り組み 「金沢の和菓子・茶道文化を学ぶ」

 

金沢の和菓子・茶道文化について栄えた理由を調べたり、体験したりする学習に取り組んだ。2学期には、地域の茶道の先生から、作法やお茶の点て方について教えていただいた。お茶を点てることの難しさ、作法を通して相手を思いやる心などに気づいていた。また、金沢市の和菓子作り職人の方を招き、上生菓子作りを体験した。児童は、職人の技の巧みさや、職人が日頃から努力をしていることに気づくことができた。そして、金沢で伝統的に食べられている和菓子について、由来や食べる時期などについて調べ、今まで深く考えずに食べていた和菓子に意味や願いが込められていると気づき、金沢の和菓子に対する見方が変わった児童が多かった。

この学習を通して、職人や地域の人の茶道、和菓子に対する思いを知り、金沢の和菓子・茶道文化への興味関心が高まり、大切にしようとする意識をもつことができた。

 

4.4年生の取り組み 「ぼくたち地球防衛隊」

 

社会科学習でごみ処理とその再利用の課題について学んだ後に、ユニクロ・ジーユーの社員から難民の方々の生活について、お話を聞いた。自分たちができることはないかを考え、着られなくなった子供服を集める取り組みを行った。「難民の子どもたちを笑顔にするために、不要になった子ども服を集めよう」というめあてをもち、校内に回収箱を設置した。また、全校児童に向けて放送で呼びかけたり、校内にポスターを貼ったりして協力を呼びかけた。その結果、段ボール箱10箱分の子ども服が集まり、企業を通じて難民の方々に送ることができた。「ぼくたち地球防衛隊」の学習を通して、現在学校で取り組んでいる自分たちの取り組みがエコ活動や誰かを助けることにつながっていくことを実感し、地球環境を守っていくのだという意識を育てることができた。

 

5.5年生の取り組み 「千坂の宝!加賀レンコン」

 

千坂の特産物である加賀レンコンの秘密を探るため、地域のレンコン農家の方の指導のもと、レンコンを栽培した。10月にはレンコン掘りをして収穫の大変さと喜びを体験した。さらに、この加賀レンコンの魅力を千坂小学校の人やお家の方に伝えたいというめあてを持ち、「千坂れんこんの魅力を発信」という学習計画を立てた。学習の中で子どもたちが「どんなことを」「どのような方法で」伝えたいかを考えた。同じテーマごとにグループを作り、12月に発表会を行った。発表では、加賀レンコンの魅力を動画にとり、CMを作成するグループや自分たちが調べたおいしいレンコンのひみつをクイズにして出すグループなど様々な発信の様子が見られた。子どもたちは、千坂レンコンの良さを改めて実感したと感想を述べていた。

 

6.6年生の取り組み 「いいね金沢 魅力発信!!」

 

自分達の住む金沢についてより詳しく知るために、インターネットやパンフレットを使って調べるだけでなく、実際に金沢の名所を見学するなどして、金沢の名所について理解を深めた。金沢が他県の人だけでなく、外国人にも人気な観光地の一つであることの意味を考え、「金沢の魅力を発信しよう」というテーマで調べてきた。「金沢の名所」や「伝統工芸品」、それらの魅力などについてGoogleスライドにまとめた。これまでも名所や伝統工芸について学習したことはあったが、今回さらに詳しく調べ、調べたことを伝え合うことによって、文化を継承している人の努力や金沢の魅力をさらに知ることができた。全国的にも注目されている金沢だが、「金沢がますます好きになった」「他の県の人や外国人にもっときてほしい」「金沢の魅力を守り、後世につないでいきたい」という思いをもつことができた。

来年度の活動計画

本校は、ユネスコスクール加盟12年目になり、各学年が総合的な学習の実践を重ねてきた。昨年度の振り返りから、今年度より課題解決に向かう学習となるように、児童の主体性を大切にした単元構成、授業作りに取り組んできた。また、今年度も各学年で地域の防災士さんをお招きし、防災教育も実施することができた。

来年度も、児童の主体性を大切にし、課題解決に向かう学習となるように体験活動やその振り返りを充実させていきたい。