2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費

主な活動分野:国際理解

実践内容

タイトル:国際理解講演会

ねらい:国際社会に目を向けるきっかけを提供する

内容:1、2年生全員と3年生希望者、さらには保護者や一般市民で参加を希望される方を対象に、人権・医療・インフラ・持続可能な開発などに関して世界で重要な役割を果たしてこられた講師を招き、その仕事の内容や価値、どのようにして、あるいは、なぜその道に入られたのかなどについて語っていただき、国際協力への関心を高めると同時により深い理解へと導く企画になっている。

参加者には事前に資料を配るなどして意識付けをしたり、講師には映像や音声を多く使って視覚や聴覚にも訴えるプレゼンテーションをするように、また、一方的な講義にならにないように参加者に質問を投げかけるなど、効果を高めたり、工夫をしている。

講師の先生を3名固定し、3年サイクルの輪番でお願いすることにより生徒が3年とも違う話が聞けるようになっている。また、担当者が事前に講演を聞いたり、各方面から情報をいただいたりして講師を捜し、有意義な講演を聴く機会に恵まれている。最近3年間のテーマと講師は以下の通りである。

令和元年度:「懸命に生きる人々~日本人こそ学んでほしい~」

一般社団法人アジア支援機構代表理事 池間哲郎氏

平成30年度:「世界の難民の現状と私たちにできること」

国連UNHCR協会職員 天沼耕平氏

平成29年度:「イスラム文化と現代の紛争」

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授 中西久枝氏

写真:     アジアの子どもたちの実情を語る池間氏

成果:講演は生徒の心に響き、自分の生き方についても考えさせる内容のものとなった。実施後のアンケート結果によれば、国際協力の実情や国際事情を理解することは不可欠だと思う生徒は全体の98%前後であり、講演を聴く前から国際協力に関心があった生徒の内96%前後が「更に興味を増した」と、講演を聴く前には国際協力に関心がなかった生徒の内95%が講演後「より関心を持った」と答えている。

実践内容

タイトル:異文化講座

ねらい:様々な国の方々から直接お話を伺い、その国の文化や習慣について理解を深める。

内容:「鉄は熱いうちに打て」の格言に従い、1年生全員(普通科及び国際教養科)を対象に、将来生徒たちが国際的視野を持って活躍できるように、様々な国の文化を知る機会を提供することを目的として行っている。毎年アジア、アフリカ、南アメリカ、西洋諸国などの広範囲な国々から10カ国の講師を招き、生徒と共に楽しめる様々な活動を通して、彼らの文化紹介をお願いしている。

事前準備としては、各クラスの40名を4名×10班に分け、各班一つの国を選ぶ。事前に自分たちが選んだ国の事情を調べ講師に対する質問を用意する。当日は、9クラスからの4人(36人)が一堂に会して5、6限に異文化体験をする。事後の活動として7限に自分のクラスに戻り、それぞれの講座で学んだことをクラスで共有して、全体の感想をまとめる。

異文化体験では、その国の基本情報の他に様々な映像を通して文化の紹介がされたり、生徒が民族衣装を着たり、伝統的な歌を歌ったり、踊りを踊ったりと趣向を凝らした内容になっている。令和元年度は、台湾、南アフリカ、スリランカ、イラン、中国、韓国、タイ、ペルー、イタリア、ドイツの10カ国から講師として来て頂いた。

写真② 南アフリカについて語るプリスカ氏

成果:一人の生徒は自分が興味を持った一国の文化紹介しか体験できないが、クラスで10カ国の体験を共有することで、興味の幅を広げることができる。異文化講座では専門性にこだわらず日常的な生活の中での文化に焦点が当てられているので、海外に目を開くための導入的な企画になっている。

 

実践内容③

タイトル:留学生の受け入れ

ねらい:英語圏に限らず、世界中から留学生を受け入れ、異文化交流の機会を提供する。

内容:今年度は長期留学生がオーストラリア、スイス、デンマーク、タイ、フランス、ドイツ、(各1名)フィンランド(2名)ののべ8名の留学生が日本人の生徒と同じ教室で学んでいる(いた)。アメリカから5名の短期留学生(1か月間)も受け入れた。長期・短期共に配属されるクラスは普通科・国際教養科の両方である。

 

実践内容④

タイトル:「国際課からこんにちは」

ねらい:国際理解を深めるための生徒・教員への啓蒙活動の一つとして年3回国際課通信を発行し、全校生徒に配る。SDGsについても理解を浸透させる。

内容:国際理解を深めるための学校行事(イングランド研修、英語キャンプ、国際理解講演会、異文化講座等)に関わる連絡や情報提供、生徒の感想、また、留学生の情報などを掲載する。生徒が書いた記事が中心となって構成される。

 

実践内容⑤

タイトル:インターアクトクラブの活動

ねらい:ボランティアと国際交流の両方を行う。

内容:今年度は、県内の学生を集めて年2回行うインターナショナルパーティーの企画・運営、小学校の学童保育のお手伝い、SDGsについての研修会への参加や発表、募金活動、“服の力プロジェクト”参加、スピーチコンテストのお手伝い、認知症カフェ訪問などを行なった。

来年度の活動計画

SDGs未来都市の高校としてユネスコスクールの理念を継承し、発展させる。スローガンは“Think globally, act locally.”(世界的な視野に立って考え、身近なところから行動しよう。)である。本校では「自主自律」を学校の基本理念とし、国際理解教育の推進を教育目標の一つの柱としている。「国際的な課題に目を向けて持続可能な社会を形成できる人材」を育成するために、豊かな人間性、異文化理解の力、協働できる力の育成を目指していきたい。また、世界には様々な言語や宗教や習慣があり、人の考えも多種多様であることを学び、多様な人々と共生できる社会を実現していこうという態度の育成も図っていきたい。

1)自ら課題を見つけ、解決する力、2)主体的、批判的、多面的に考える力、3)多様性を大切にし、他者と協力する態度を持った、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指し、今後も一層の努力を重ねていきたいと考える。