2019年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 文化多様性, 持続可能な生産と消費
本校では6年一貫の「総合的な学習/探究の時間」として「探究学習 (PBL)」を展開し、SDGsをヒントとしながら課題発見力・課題解決力を高める取り組みを実践している。1年次・2年次生は合同で「身近な自然環境のなかで課題発見・解決」(前期)および「現代の食の問題を解決するビジネスプランの創出」(後期)という取り組みを行ってきた。3年次生から5年次生までは個人が関心を持つ事柄について疑問を深め、情報収集・整理スキルを高めて論文を執筆している。さらに学校全体として、ユニクロ様・ジーユー様の「届けよう、服のチカラ」プロジェクトに参加して、難民のためにこども服を集めた。また、国連勤務経験者を講師に招き「ユネスコスクール講演会」を実施した。
(1) 身近な自然環境の探究
1年次・2年次生混合の5名程度のグループで地域の緑地公園へ出掛け、事前にたてた仮説を立証するために動植物を観察し、のちにレポートにまとめた。課題発見・解決の方法を身につけ、その成果発表の方法を習得する取り組み。これをもとに夏休みは個人で課題を設定し、ポスターにまとめて発表する。
(2) 食の問題を解決するソーシャル・ビジネス
1年次・2年次生混合の5名程度のグループで「フードロス」や「フードバンク」、「昆虫食」など現代の食にまつわるトピックを研究し、課題を解決するためのソーシャル・ビジネスを構想した。地域の実際の取り組みを知るため、フードバンク茨城様にご協力いただき、食品仕分け作業体験をさせていただいた。また、構想したビジネスプランの発表会には、水戸ユネスコ協会および茨城県女性起業家支援ネットワークの方々にご来校いただいてコメント・評価をいただく予定。
(3) 個人課題の探究
1年次・2年次で身につけた課題発見・解決スキルをもとに、3年次~5年次では一人ひとりの関心に応じた課題設定を行い、論文を執筆する。そのため、図書館実習を行い大学に入ってからも活用できる情報収集能力を身につける。課題設定においてはSDGsを一つのヒントとし、「その課題が解決されたら、どのような人が喜ぶだろうか」という問いを重視している。
(4) ユニクロ・ジーユー「届けよう、服のチカラ」プロジェクト参加
全校の取り組みとして、ユニクロ・ジーユーが実施する「届けよう、服のチカラ」プロジェクトに参加し、難民の生活について学びながら各家庭に協力を頂き、多くの子ども服を集めてお送りした。水戸ユネスコ協会にもお声がけし、地域の方々からも服を届けていただけた。
(5) オーストラリア交流団来校
水戸ユネスコ協会より委託された交流事業。オーストラリアのモリアルタ・ロータリークラブの方々が茨城県を訪問されるにあたり、ユネスコスクールである本校との交流事業が企画された。書道部・空手部・合唱部・筝曲クラブが成果を発表し、喜んでいただいた。
(6) ユネスコスクール講演会
本校の母体である常磐大学の学長に国連勤務経験者が就任したことを受け、現場での経験やSDGsについて講演会でお話しいただいた。気軽に取り組めるSDGs達成のためのアクションなどをご紹介いただき、生徒たちも積極的に発言・質問をしていた。
来年度の活動計画
2019年度はこれまで以上に地域の方々と交流する機会をもうけることができたが、それをさらに一歩進め、恒常的な交流事業に昇華していきたい。
(1)水戸市の魅力向上プロジェクト
水戸市は偕楽園を中心に観光都市としての再開発を検討している。これに本校も主体的に関わっていきたい。まずは地域の誇りをあらためて学ぶ。それをもとに観光を活性化するためのアイディアを、課題発見・解決型アプローチおよびデザイン思考を用いて創出する。地域の方々と意見交流をしてアイディアを掘り下げ、積極的に発信していく。