2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は地域密着貢献型私立高等学校として創立95周年を迎えました。地域の発展と共に歩んだ歴史を背景に「地域交流」を中心にした活動や「国際理解」・「環境教育」・「防災教育」などに取り組んでいる。ユネスコスクール加盟を機にそれまで各場面で展開されてきた活動を統括して持続発展可能な社会づくりのための能力開発と位置づけて学校全体で取り組んでいる。今年度の活動の主な内容を以下に報告する。

 

①「地域交流」

ボランティア活動を中心としたもので、全生徒に向けて年間約20のボランティアを紹介。全校生徒の約半数が自らの意思でボランティアに参加。リピーターも多く、生徒の能力開発の一場面として学校全体で推進している。

また、学校開放講座の開催や市内小中学校との連携事業を数多く展開。それらがもたらす地域交流は地域の活力や文化づくりにも役立ち、豊かな地域づくりに役立っていると考える。

 ②「国際理解」
2020東京オリンピック・パラリンピック教育推進校に認定されたこともあり、8月の女子ソフトボール世界大会(千葉県開催)では会場運営のボランティアやイングランドチームとの交流会(書道部による書道体験教室など)を積極的に実施。また、2012年ロンドンパラリンピックに出場した渡邊紫帆さん(視覚障がい/陸上競技/走り幅跳び)を招いて講演会を実施した。(今回で3回目の来校) 一方で、敬愛大学国際学部大槻教授による「ココア農園を経営してみよう」という特別講座を実施。フェアトレードやアフリカの貧困や労働問題について学ぶ機会となった。

③「環境教育」
ソーラーカーの製作を行い、鈴鹿で開催される「ソーラーカーレース」に毎年出場している工学部のチャレンジはクリーンエネルギーの活用から派生した、いくつかの研究テーマのひとつ。校舎の西日を遮るグリーンカーテンの設置・管理なども自然環境部の研究として取り組んでいる。
また、サッカー場を天然芝にする研究がスタートし、来年度には実際にそのプランが進行することとなった。本プロジェクトの周辺には環境に関するさらにたくさんの課題研究テーマが存在し、それぞれの生徒取り組みは将来の成果につながる経験になるものと期待している。


④「防災教育」
本校では東日本大震災の翌年から修学旅行の教育プログラムとして被災地を訪ねる震災学習を組み込んでいる。本年度も復興最中の被災地を訪問。南三陸町や気仙沼市を中心に震災学習を実施した。特に気仙沼市内にある私立東陵高校との交流会では、被災当時小学生だった生徒が被災体験を語ってくれたことは同じ世代を生きている生徒にとって印象深い場面となった。その後、語り部の皆さんと一緒に震災地を回り、心静かに震災遺構を見上げる生徒の瞳に写ったものは人生の宝物になるに違いない。
また、学校施設が避難所となった場合を想定した宿泊防災訓練(リーダー研修を兼ねて)を実施。これは非常時の生活体験と避難場所での高校生の役割などを意識したプログラムで、非常食の作り方や緊急時の心構えなど、地元の警察官や消防署員の指導の下で貴重な体験となっている。

来年度の活動計画

オリパラ教育推進校としての活動機会を広げる予定。年度内開催の世界大会へのボランティア支援など積極的な関りを進めてゆく。もちろん本校に何度も足を運んでくださっているパラリンピスト渡邊紫帆さんへの応援も継続。国際理解や人権に関する諸問題を考える機会としても活用。

 また、地域交流(ボランティア活動など)・環境教育・防災教育に関するたくさんの活動はこれまでと同様に充実継続を目指す。特に、環境教育の新プロジェクトである「グリーンプロジェクト」(グランド天然芝化計画)がこれまでの研究を経て、この春から始動する。