2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は地域密着貢献型私立高等学校として創立97年を迎えた。地域の発展と共に歩んだ歴史を背景に「地域交流」を中心にした活動や「国際理解」・「環境教育」・「防災教育」などに取り組んでいる。ユネスコスクール加盟を機にそれまで各場面で展開されてきた活動を統括して持続発展可能な社会づくりのための能力開発と位置づけて学校全体で取り組んでいる。今年度の活動の主な内容を以下に報告する。


1、黎明グリーンプロジェクト(Reimei Green Project

  本校サッカー場を天然芝にするプロジェクトを開始。3年計画の1年目のプログラムを実施。2年前から準備・研究してきた芝山町の実験圃場から芝を切り出し、総合の時間を利用して全校生徒で芝苗づくりを実施した。(422)
切り出した芝を小さくちぎって砂を敷き詰めた25分割パレットに植え込んでいく。生徒一人当たり2枚の苗パレットを作るのがこの日のミッション。したがって約800名×2=1400枚の芝苗パレットが作られる計画。1枚の苗パレットで25株の苗になるので40000株の苗が作られることになる。約100m×約70mのピッチに幅50cm間隔で苗を植えてゆくと28000株が必要となる計算。苗の成長にムラが生じるので多めに作っておくことにした。
5月、6月の気温と降雨の状況に左右されたが、概ね予定どおり苗が成長し、6月22日(土)、23日(日)の学園祭において、来場した地域の皆さんや少年サッカーの子供たちの手でグランドに植えていく。そして学園祭終了後、各運動部の協力でグランド全面に苗が植えられた。
7月、8月の養生期間を経て10月5日(土)には生徒向け公開として体育祭を実施。全校生徒で作った芝生の上で開催される体育祭には感慨深いものがあった。芝の管理には「潅水」と「芝刈り」がキーを握る。本校では井戸水を利用した「自動潅水スプリンクラー」と「芝刈りロボット」を導入し、管理作業の一部自動化を図っている。現在(1月)、夏芝(ティフトン種)は休眠期に入り、体育祭終了後にオーバーシードをした冬芝が緑を演出している。また、春先に地域を悩ませる「砂ぼこり(砂嵐)」対策にも細やかな貢献をするものと思われる。
地域のスポーツ交流の拠点として、日本サッカー協会、ジェフユナイテッド千葉、芝山町、成田空港、NPO、地域のスポーツ少年団、市民、保護者、全校生徒が関わる壮大なプロジェクトの1年目となった。

2、国際交流 

   数年前に国際理解教室として実施した「Skype」交流会で、当時イスラエル大学の学生アビさん(Abigailさん)APU(アジア太平洋大学)進学のため来日。本校剣道部の練習に参加し交流を深めた。(5)


3「ゆうあいピック」ソフトボール大会運営ボランティア

  毎年秋(9)に開催される「ゆうあいピック」ソフトボール大会の運営スタッフとして女子ソフトボール部員が参加。本大会は知的障害をもつ方のためのスポーツ大会のひとつ。女子ソフトボール部員にとっては毎年参加する大切な活動のひとつ。

4、植草学園主催高校生プレゼンコンテストに参加

  本企画は植草学園が主催したオリパラ開催を機会に、お互いに認め合える、多様性のある社会の形成にどのようにかかわっていくか、また、現在自分(たち)が取り組んでいる地域などでの活動をどう発展させていったらよいかなどについて考えを発表するとうもの。本校から1年生3グループ(11)がエントリーし、それぞれの視点で発表し最優秀賞などを獲得した。(11)
【発表内容】
『共生社会に向けて』 パラリンピックを通して障がいのある方が生きやすい社会へ
『共生社会づくり』  パラリンピックから学ぶこと   他 

5、その他

  地域交流型ボランティアへの参加生徒は延べ人数で全校生徒の約50%が参加。 
防災教育としての震災学習を修学旅行(東北地方へ8年目)と防災宿泊研修(リー
ダー研修)を実施。
    ③ソーラーカーを製作(工学部)したり、環境に関する研究(グリーンカーテン等)の研
究を推進。

来年度の活動計画

 黎明グリーンプロジェクトの今後(2年目)は、芝密度向上や凹凸補修などの管理をしながら地域に解放してゆく。オリンピックイヤーとして地域スポーツの拠点となるべく、周辺地域への公開イベントを計画。その一環として千葉大学や成田市周辺の外国人サッカーチームとの交流会などを検討(依頼)している。グランドの使用と管理については、生徒による課題研究のテーマとなることや、使用前後に簡単なメンテナンス(目土入れなど)を行うことを義務付けることでスポーツの周辺にある環境づくりに配慮できる感性を養いたい。

また、オリパラTOKYO2020の開催にあたり、パラリンピック競技(ゴールボール)を体育実技の授業に取り入れる予定の他、観戦、成田空港でのおもてなし隊などへの参加を予定している。この活動を通じて国際理解、人権、ホスピタリティー、共生社会などと共に自身の喜びにつながる教育活動を目指したい。