2019年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 環境, 福祉, 持続可能な生産と消費
本校は、「ふるさとに誇りをもち 夢や目標に向かって努力し続ける 真にたくましい子どもの育成」を学校の教育目標とし、その具体的な取組の一つとして、ESDを設定している。今年度はSDGsの17項目について職員が理解し、児童にも意識できるよう掲示用のカードを作り、授業等で活用した。
また、ESDについては、小中連携して取り組んでおり、9年間で学ぶようにしている。小学校は、特に、生活科・総合的な学習の時間において、「地域や町の人々」をテーマとして地域での豊かな体験活動、調査活動等、地域の素材を生かした学習を展開し、他人との関係性、社会との関係性、環境との関係性を認識し、「かかわり」「つながり」を尊重できる個人を育むことを重視してきた。
具体的には、①綾の自然・産物を知る学習、②綾の自然を追究する学習、③綾の産物を生産する学習、④綾のよさを伝え合う学習を行った。
① 綾の自然・産物を知る学習
綾町を知るという目的をもって活動を行った。社会科の学習と関連させながら学習を進めることができた。分かったことや気づいたことを新聞で整理していきながら、他の学級や地域の方々に児童の活動や感想等も一緒に広めていった。地域の特色を知る中で、町内には、いろいろな施設や観光名所、豊かな農作物があることから、一人一人が課題を設定し、調査していく学習内容も取り入れていった。地域の人にインタビューをしたり、施設を訪問したりして、地域の人々の生き方に触れる機会を通じて、自分自身と社会とのかかわりについて関心を高めた。
② 綾の自然を追究する学習
自然の中での様々な体験を通して、綾の豊かな自然への理解を深めた。ユネスコエコパークセンターや国土交通省とも連携しながら、生き物や照葉樹林について、また、それを支える水についての理解を体験的な活動を行いながら、深めていった。後半では、自然と人との関わり、綾町における環境資源としての自然の意義についても考える活動を行ったうえで、自分なりに綾の自然に関わる方法を考えさせた。実際にゴミ拾いをして綾町の環境美化の実態を調査したり、自然環境を守る為の新聞や啓発ポスターを作成したりするなどの活動に繋げることができた。
③ 綾の産物を生産する学習
ふるさと綾の農業の特色を理解するために、お米についての体験学習と綾の農作物についての学習を行ってきた。JA青年部の協力を仰ぎながら、農業に携わる人々の工夫や努力、願いや生き方に触れ、綾の農業について興味を高めるとともに、米作りに必要な作業(肥料まき、田植え、稲刈り)を通して、作物を育てることの大変さを体験した。米作りをしながら、自分で興味をもった綾の農作物についての探究活動を行い、綾の農作物を使った調理を行うことで、綾のよさを体感した。
④ 綾のよさを伝え合う学習
自然や人、物など、様々な視点から、一人一人が課題を設定し、総合的な学習の時間で学習してきたことをもとに綾町のよさを見つめなおす学習を行った。学習の中で、綾町に移住してきて有機農業を営む方から話を聞いた。町外から見た綾町の魅力や、働く意義や生き方を学び、未来の担い手として、自分たちにできることや町で取り組んでほしいことについて改めて考える機会となった。学習のまとめでは、未来の担い手として、自分たちにできることや町で取り組んでほしいことについて提案文を書き、提案を行った。学習を振り返る中で、これからの自分の生き方について考えた。
来年度の活動計画
① 総合的な学習の時間の年間計画の見直し
ユネスコスクールとキャリア教育の視点を踏まえた小中通しての総合的な学習の時間の見直しを行う。
② ESDカレンダーの見直しとその活用
新学習指導要領の完全実施に向け、各教科における学習内容との関連を見直し、より効果的な教育活動を推進することで、総合的な学習の時間だけでなく、教育活動全体を通して、ESDへの学びを深めていく。
③ 問題解決的な学習の積極的な展開(今年度から継続して行う)
問題解決的な学習を積極的に展開した教育活動の推進
ア 生活科・総合的な学習の時間の学習モデルの活用
(ア)地域の人とのかかわり、自然とのふれあいを重視した体験活動の充実
イ 探究意欲が継続する単元開発の工夫
(ア)効果的な出会いの場となる体験活動の充実
(イ)体験活動と課題設定のつながりを重視した指導方法の追究
④ 成果の発信
実践の成果を学校内外に発信する。
ア 学校ホームページを活用して、情報を発信
イ 参観日等で学習の成果を紹介