2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, エコパーク

本校は,「つながりの中で育む『只見愛』 未来へ向かって行動できる子供の育成」をテーマに総合的な学習の時間と生活科を核として,各教科等との関連を図りながら実践を行ってきた。今年度は,自分たちのふるさとの課題と地球規模の気候変動や海洋の問題との関連を探りながら,ふるさとの持続可能な未来のために何が必要なのか議論し,具体的な行動について考えていくことのできる子供たちの育成を目指してきた。

具体的には6年間で育成する姿を明らかにし,

① 只見町のよさや課題に気づく学習

② 只見町の課題と気候変動や海洋の問題など地球規模の課題との関連に気づく学習

③ 只見町を守っていくことと,地球を守っていくことのつながりを意識した学習

に取り組むことを通して,只見愛を育み,ふるさとを持続・発展させるために考え,未来へ向かって行動できる児童の育成に取り組んできた。

① 只見町のよさや課題に気づく学習

只見のよさを実感するためには,只見の「人・もの・こと」に直接触れることが何より大切であるという考えのもと,1年生では学区内の,2年生は地域や町の「人・もの・こと」と積極的に交流し,体験を通してそのよさに気づくことができるようにしてきた。更には3年生で地域の自然,4年生で水の豊かさに焦点化して学習を進めていくことでその素晴らしさを感じるとともに,それを守っていこうという心情を育てることができた。

② 只見町の課題と気候変動や海洋の問題など地球規模の課題との関連に気づく学習

3年生で地域の自然の素晴らしさを学ぶ段階で地域の方との交流を行うことで,昔に比べて自然環境が変化していることや,以前にはなかった問題が起こっていることを直接聞くことができた。また,4年生の水の学習では,理科の学習と関連を図りながら進めていったことで,温暖化による環境の変化,海面上昇,水の循環による他地域とのつながりなどを自分たちの地域の問題と関連付けながら学ぶことができた。5年生の学習で,地域の農業従事者が感じている問題に直接触れたり,6年生の学習で行政や地域住民への取材活動を通して町の持続可能な未来のための課題に触れたりする学習により,自分たちのふるさとの未来と,地球環境の関連について主体的に考えることができた。

③ 只見町を守っていくことと,地球を守っていくことのつながりを意識した学習

6年生では,小学校での学びのまとめとして,これまでの学びを生かしながら,自分たちのふるさとのよりよい未来について考え,発信していく学習を行った。「只見の自然を守ることが地球を守ること」「地球を守ることが只見の自然を守ること」につながることを実感することができた。これまでの学習を通して,ふるさとのよさを十分に感じ,ふるさとへの愛情をたっぷりと持っている子供たちだからこそ,ふるさとの未来を真剣に議論し合い,自分事として環境保全への提案事項を考えていくことができた。

来年度の活動計画

令和5年度は,今年度の学びをベースに,ふるさとの持続可能な発展のための課題と気候変動をつなぐ単元開発や単元構想の工夫に取り組みながら,ふるさと只見町の素晴らしさやその価値を実感していく学びを基盤に,それを持続させていくためには解決しなければならない課題が存在すること,その課題の中には気候変動など地球規模の大きな課題と大きく関係しているものがあることに気づかせていく。またその解決方法を考え議論し合いながら自分たちの取るべき行動を模索し,実践に結び付けていくことを通して,持続可能な社会の担い手の育成を図っていく。

実践にあたっては,生活科,総合的な学習の時間を中核に,各教科や特別活動等と関連を図り,教科横断的に取り組んでいく。また,「ふるさと只見町の素晴らしさやよさを実感し,大切にしようという思いを高める学習」をベースとしながら学びを進めていくことで,ふるさとの未来と,地球環境の問題の関係を理解し,双方の持続可能な発展のために考え,議論しながら,行動していこうという意思や意欲,実践力を高めていく。

また,山間部の子供が持つ海へのあこがれをベースに,海辺の学校や地域の人々との交流を積極的に行っていく。海の素晴らしさを味わい感動する体験や,海の怖さや課題を学ぶ機会を持つことにより,海洋の問題をより身近にとらえながら学習することができるようにしていく。