2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, エコパーク

本校は,「将来にわたって,持続可能な只見町や国際社会を構築する担い手を育むための教育」をテーマとし,只見愛をもち,ふるさとを持続・発展させるために考え,未来へ向かって行動できる力の育成を目標としている。土台となる「ふるさと学習」として,只見の素晴らしさを実感し,誇りに思うとともに,ふるさとをかけがえのないものと大切にしていく郷土を愛する心を育てるために,6年間を通した学びの系統性を意識し,以下の活動に取り組んだ。
① 只見のよさや課題に気づく学習
只見の「人・もの・こと」に直接触れることを重視し,低学年では学区内や地域の「人・もの・こと」と積極的に交流し,直接体験する学習を行った。3年生では地域の森林散策を通してブナ林に代表される自然に,4年生では黒谷川を例にとって水の豊かさにそれぞれ焦点化して学習を進めたことで,その素晴らしさを感じるとともに,それを保全していこうという心情を育てることもできた。5年生では地域の伝統食を調べることで,食材に込められた人々の思いや願い,食材を通した海とのつながりを感じ取ることができた。
また,全校生での黒谷川遊びでは,実際に川に入ったり魚つかみ体験を行ったりした。水の冷たさや流れの美しさを実感し,そこに生息している生き物とのふれあいを通して地域の自然の豊かさを感じることができた。
② 町の課題と地球環境問題や海洋問題との関連に気づく学習
実際に地域の人々と交流する中で,自然環境の変化や近年になって生じてきた問題など,かつての只見と今の只見の違いについて聞くことができた。また,気象庁福島地方気象台の調査官から「地球温暖化」についての講話を聴くことで,地球規模の問題が,身近なところに表れてくるということを知ることができた。高学年が行った海洋交流学習では,海辺に漂着するゴミを見て,海洋を中心とする環境問題の存在を身近なものとして捉えることができた。こうした学習を通して,自分たちのふるさとの未来と地球環境問題には密接なつながりがあることに気づき,ふるさとを守るためにはどうすればよいかを主体的に考えることができた。
③ ふるさとを守ることと地球を守ることのつながりを意識した学習
集大成となる6年生は,地域の課題を解決すること(ローカルな視点)と地球規模の課題を解決すること(グローバルな視点)が双方向につながっていることを実感し,持続可能な只見を実現するためには,地球環境問題への対策が不可欠であること,その対策は自分たちの身の回りから小さな一歩を踏み出していくことが自分たちにできる最良の手段であることを学んだ。そして,実践を通してより多くの人々にこの考えを共有してもらいたいと願い,町長をはじめとする行政担当者に対し,地球環境問題に対して自分たちができる具体的な行動を「ワンステップアクション」という形で提案することができた。

来年度の活動計画

令和4年度は,ここまでの学びを土台として,以下の内容を積み上げていく。
① ふるさとの持続可能な発展と地球環境問題を関連づけていく単元開発や単元構想のさらなる工夫(SDGsの概念を積極的に提示して,子供たちが総合的な学習の時間に限らず日常生活の中でも環境問題への意識をもって行動を選択できるような取組みの実践も考えていく)を進める。
② 海へのあこがれをベースとして,海辺の学校との交流を積極的に行う。この中で,地域のよさを再発見するとともに,海のもつ素晴らしさや怖さ,課題を体験できる機会を設定することで海洋への意識を高め,只見と海のつながりを実感し,海洋の問題をより身近なものとして学習できるようにしていく。
③ 自分事として捉え,実践を通して手に入れた知識や経験を他者と共有し,具体的な形で学びを外部へ発信していく活動の充実を図る。