2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は,「地域社会・国際社会に貢献し,その持続的な平和と発展に寄与する人材の育成」を使命として,その追求を通じて(1)主体的な学びを促す教育の推進(2)グローバル教育の推進(3)地域の期待と信頼に応える教育の推進の三つの将来像を実現しようとしている。ESDはこの教育推進目標達成のための要として捉えている。具体的には, 国際理解を中心として,①平和構築に係る活動,②文化多様性の尊重に係る教育について学習を行った。

1.平和構築に係る活動 (「原爆の子さだ子の願い」紙芝居)

本校では平成27年より有志の生徒たちが地元の中学生とともに8月6日に平和記念公園で紙芝居の上演を行っている。下の絵(左側)はその時の模様をモチーフに美術部の生徒が作成したデザイン画であるが,この作品は広島G7サミットに向けた取組の一環として広島市内を走行するラッピングバスのデザインとして採用されている。

  

また国際科1年生の授業ではインドネシアやフィリピンの生徒等を招待してオンラインでの紙芝居を7月に上演した。参加者は本校国際科1年生,インドネシア・ラモンガンの公立中学校48 校,フィリピンの高校生,佐々木雅弘氏(禎子さんの兄),ラモンガン副摂政 Abdul Rouf氏,ラモンガン教育委員会教育長 Munif Syarif氏,義務教育課長 Chusnu Yuli Setyo氏である。この取組の模様は地元テレビ局の取材を受け,7月31日にNNNドキュメント’22『禎子さんの折り鶴 千羽になったら願いが叶うんよ』として全国放送された。

放送後は視聴者から本校に励ましの便りが届く,あるいは絶版となっていた紙芝居の再版が決定するなど反響も大きく,生徒も充実感とヒロシマの高校生としての使命感を感じている。さらに10月25日の禎子さんの命日を「World Peace Day from Hiroshima」と位置づけ,交流のある海外の高校生および,Maya Kassandra Soetoro-Ng氏(オバマ元アメリカ合衆国大統領の妹)を招待してオンラインでの紙芝居上演会も行った

   

こうした草の根的な取り組みの輪を広げていき,最終的には2023年5月に広島で開催されるG7サミット関連行事の中で,禎子さんの想いを紙芝居に乗せて発信していくことを目指している。

2.文化多様性の尊重に係る教育(インドネシア・フィリピンとの姉妹校提携)

オンラインでの交流を続けてきたフィリピンのイマキュレイト・コンセプションスクール・バリウアッグおよびインドネシアのマンドラサ・アリヤ・ネジェリ高等学校との間で,本年11月に姉妹校提携協定を締結した。12月には提携先より代表生徒12名が来校し,本校生徒と交流行事を行うことで親睦を深めた。

  

交流行事は全校行事として行い,国際科の生徒のみならず普通科生徒にも文化多様性を感じられる機会が提供できた。

来年度の活動計画

海外研修や姉妹校留学生の派遣と受入れを軌道に乗せつつ,引き続きオンラインを活用して交流ができるよう計画し,多様性の尊重,非排他性といった持続可能な開発に関する価値観を涵養する。また,地域や企業との連携を更に深めていくことで地域社会に貢献し,主体的に課題解決に取り組もうとする生徒の育成を目指す。