2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

本校は,「本校で学んで良かったと思える教育の提供」を使命として,その追求を通じて(1)主体的な学びを促す教育の推進(2)グローバル教育の推進(3)地域の期待と信頼に応える教育の推進の三つの将来像を実現しようとしている。ESDはこの教育推進目標達成のための要として捉えている。具体的には、国際理解を中心として,①平和構築に係る活動②文化多様性の尊重に係る教育について学習を行った。

1.平和構築に係る活動 (SDGsスピーチコンテスト,米国大学生とのオンライン会議,平和紙芝居ボランティア,沖縄研修旅行)

①国際科1年生対象にSDGs Mini-speech Contestを開催した。夏休みのJICAエッセイコンテスト「私たちと地球の新しい未来」の応募から始まり,それを英語に縮約したものをスピーチとしてクラスや教員たちに披露した。生徒全員がSDGsについて深く考え,アクションプランを提案した。

②国際科1年生がアメリカのハバフォード大学の生徒とオンラインで「平和」について国際交流を行った。この発表はPeace Photo Projectという授業で取り扱った学習の一環で,本校生徒が生活の中で気づいた「平和」を感じるものを写真に撮り,米国の大学生に対して自分の考える平和の定義を説明するとともに,さらにグローバルな視点へと広げ意見を述べた。発表後は米国大学生から英語で質問を受け,それに対し本校生徒が協力して答えた。この活動を通じて「平和」への理解を深めるとともに,他国の「平和」に対する考え方を学ぶことができた。

③国際科2年生がフィリピンの学校と協働してプロジェクト学習を行った。SDGsをテーマに5名程度のグループ(日本人2名+フィリピン人2・3名)がそれぞれ研究テーマを定め,問題の要因分析を行い,解決策を考え,プレゼンテーションにまとめた。取組の特徴として,授業外においてもメッセンジャアプリやe-mailを用いて両国の生徒がコミュニケーションを図り,グーグルスライドやグーグルドキュメントを用いてプレゼンテーションの準備を行った。最終成果発表会として,インドネシア第二の都市スラバヤにあるラモンガン地域の12の中学校の生徒及び教員も参加し,Global Youth Summit for SDGsを開催し,平和な世界の実現について考えを共有し,意見交換を行った。

④本校1・2年生7名が,令和3年8月7日(土)に佐々木さだ子さんの一生を描いた紙芝居の上演ボランティアに参加した。このボランティアを最初に始められた府中町在住の中村さんは,毎年8月6日に平和公園で紙芝居ボランティアをされており,本校にも声をかけていただき現在は府中緑ヶ丘中学校・府中中学校の中学生の皆さんと一緒にボランティアを行っている。残念ながら昨年度に引き続きコロナウイルスの影響で今年度も平和記念公園での上演はできなかったが,府中中学校の多目的ホールにおいて紙芝居を上演し,多くの町民の皆様が足を運んでいただいた。この日のために,生徒は中学生と合同練習会を行い,気持ちの込め方や抑揚,発音などについて何度も練習を重ね,平和への思いを込めて発表した。

2.文化多様性の尊重に係る教育(オンライン異文化間協働活動,イングリッシュセミナー,JICA訪問)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,留学生の派遣・受け入れが不可能となり今年度は実施できなかった。対面での交流は難しいが,オンラインを活用した交流を積極的に取り入れ,様々な新たな取組を始めた。

①国際科1・3年生が,フィリピンの生徒と放課後オンライン異文化交流を行った。日本とフィリピンの文化をそれぞれ紹介し,質問したり話し合ったりしながら意見交換を行った。

②国際科1年生対象に,県内の複数名のALTの先生方に参加していただきイングリッシュセミナーを2日間開催した。例年実施している平和公園でのフィールドワークは実施できなかったが,生徒たちは校内で先生方やグループのメンバーと協力し,ゲーム,劇,ワークショップなどを体験した。英語を通じて人と関わる喜びや難しさを実感することができ,大変充実した時間となった。

③1年生全員で,ハワイの姉妹校の生徒とe-mailで交流を行った。ハワイと日本の文化や,お互いの趣味などについてやり取りを複数回行った。様々な写真を送り合ったり,SNSのアカウントを交換したりして,友好関係を築くことができた。

④国際科1年生でJICA中国を訪問し,SDGsと異文化理解に関するワークショップを体験した。国際協力の現状やSDGsの達成状況などについて講義を受けた後,異文化理解とSDGs についてワークショップや貿易ゲームを体験し,楽しみながら理解を深めることができた。

来年度の活動計画

交換留学生や姉妹校留学生の派遣と受入れの再開を目指しながら,引き続きオンラインを活用して交流ができるよう計画し,多様性の尊重,非排他性といった持続可能な開発に関する価値観を涵養する。また,地域や企業との連携を更に深めていくことで地域社会に貢献し,主体的に課題解決に取り組もうとする生徒の育成を目指す。