2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は,これまでのESDの実践を基盤に、SDGsの視点を踏まえたシビックプライドの醸成を目指し,学校や地域の特色を捉え、持続可能な社会を創造していく学習活動を仕組み実践した。
具体的には,地域の方や近隣の施設等に目を向け,①環境に係わる学習活動,②エネルギーに係わる学習活動,③地域の文化遺産に係わる学習活動,④健康・福祉に係わる学習活動を行った。
① 環境に係る学習活動「5年生 総合的な学習の時間『緑の回廊』」
主に社会科との関連を図り,本校の近くにあるどんぐりの森をきっかけに森のよさを調べる学習を仕組んだ。これまで行ってきていた「どんぐり銀行」の取組やエコプラン研究所の方々の思いなどを調べたり聞いたりする活動を通して,自然の大切さについて考えることができた。本校では、十数年前から自分たちが育てたどんぐりの木が渡り鳥を誘導する緑の回廊になることを願って,苗木の世話や植林等の活動を行ってきた。昨年度から苗木の世話等の活動は終了しているが、このような様々な取組が未来へとつながっていくことを理解し,未来に向けて自分ができる取組について考えた。
② エネルギーに係わる学習活動「6年生 総合的な学習の時間『エネルギーと環境』」
本校の近くには、風力発電機が設置され学校からも見ることができる。また、Jパワー(電源開発事業所)も近くにあり、十数年前からJパワーの見学や出前授業等を行ってきている。
本単元では,Jパワー(電源開発事業所)の方からの出前授業を学習課程の中に数回位置づけ,広い立場から専門的な見方・考え方を実験や体験、講話等を通して児童に伝える活動を仕組んだ。現在の私たちにとって,当たり前のようにある「電気」について,様々な発電方法があることや,その発電方法のよさや課題について調べた。さらに,エネルギーと環境の関係について自分なりに考えていくことで,限りある資源を大切にすることや今自分たちにできることを考え,実践していった。
③ 地域の伝統文化,文化遺産に係わる学習活動「3年生 総合的な学習の時間『小石ちょうちん山笠を盛り上げよう』」
3年生は,本単元で学習したことや体験したことを通して,地域を大切にし,伝統を守りたいという思いを込めて自分たちの山笠を作成した。毎年,地域の「小石ちょうちん山笠祭り」のとき,自分たちで作った山笠をかつぎ,地域の方々と一緒になって祭りを盛り上げるのだが,本年度は,新型コロナウイルス感染症拡大のため祭りが中止となった。学習の過程で,地域(保存会)の方に「小石ちょうちん山笠まつり」の歴史や祭囃子を教えていただき,地域の伝統文化を大切にしていきたいという思いを強くしていた。
④ 健康・福祉に係わる学習活動「4年生 総合的な学習の時間『赤崎ユニバーサルタウン』」
本単元は,地域に住む独り暮らしの高齢者の家を訪問したり,高齢者体験をしたりすることを通して,高齢者や高齢者を支えるボランティアの方の思いや願いの理解を深め,地域の一員として自分たちにできることを考えることをねらいとしている。「高齢者疑似体験」や「車いす体験」を取り入れることで,高齢者等の体の不自由さを体感し,様々な人の立場に立った関わり方について考えることができるようにした。本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で,高齢者の家を訪問する活動ができなかった。
児童は,高齢者の立場で身の回りを見直す活動をきっかけに,誰もが過ごしやすいまちづくりやこれから自分たちにできることを考えることができた。

来年度の活動計画

本年度は,昨年度に引き続き,様々な教科で培った力を総合的な学習の時間の学習の中でどのように生かす(関連させる)と効果的な指導になるかを実践しながらカリキュラムの見直しを行った。
次年度は,本年度の計画を基盤として,実践を積み重ねていき,子どもたちの成長を促すとともに,持続可能な社会づくりの担い手を育んでいきたい。