2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は,「伝統文化の体験と継承・環境学習」を活動テーマとして,ESDの実践を通して,次の点を目標とした。

・体験を通して伝統文化の価値について考え,伝統を守ってきた人々の思いに触れ,それを育んできたふるさとへの誇りと愛情を育てる。

・地球規模の環境保全に関して関心を深め,その重要性を理解し,自ら関わろうとする意欲や実践力の基礎を育てる。

上記の取り組みについて他地域の児童や人々に発信し,これらに関する自分なりの認識や価値観を形成しながら,豊かなコミュニケーション力を育てる。

具体的には,下記の活動を行った。

①伝統文化の体験と継承

○地域に伝わる伝統工芸である藍染めについて総合学習の核として取り組み,蓼藍のサンプル栽培,藍建て、藍染めなどの体験に取り組む。

○郷土の伝統文化である阿波踊りに鳴り物を含めて取り組む。(5年,6年)

②環境学習

○ペットボトルキャップを収集し,子どもの医療の困難な地域へのワクチン供与に協力する。

○エコロジーの観点から電力や水の消費に関心を持ち,校内での電力や水の消費量の調査と広報に取り組む。

来年度の活動計画

①伝統文化の体験と継承

藍染め

[第3学年]・社会科・総合的学習を中心とする地域学習での校区理解

[第4学年]・社会科・総合的学習を中心とする地域学習での藍染めの歴史の学習

[第5学年]

・藍建てと藍液のお世話

藍建てを初めて体験し,藍の世話を継続して,藍染めに取り組んだ。

・染め体験

和紙を染めて,阿波踊りのうちわを作る。

6年生にTシャツの染め方を教えてもらいオリジナルTシャツを作成する。

・藍染めの調べ活動による知識深化

[第6学年]

・5学年までに身につけた藍染めの様々な技法を活かした作品づくり

藍の生葉のたたき染め後藍染めをしたランチョンマットを作り,お弁当の日に使用。

・独居老人訪問も藍染めのハンカチをプレゼント

・藍染めの表紙の卒業文集を制作したり,藍染めの卒業共同制作をしたりした。

・藍染めのコサージュを手作りし,卒業式に親子でつけて参加する。

地域の伝統である「藍」を,歴史・自然・文化など様々な面から捉え,アプローチしていく活動を通して,多面的,総合的に考える力やコミュニケーションを行う力を養い,つながりを尊重する態度や他者と協力する態度を育てることを目指した。本校の高学年の児童は,プレゼントや作品などを作る際には「藍」を使ったものを考えるほど,日常の中で「藍」との関りが深く,「藍」を身近に感じている。このことは,ESDの考え方につながると思われる。

 

阿波踊り

運動会で6年生は阿波踊りのに取り組んだ。阿波踊りの起源について学習した後,「AWA DANCE クラブ」が中心になり鳴り物を担当し,練習を重ねて,当日,自分で作った藍染めのバンダナとうちわを持って踊った。

徳島県の伝統である阿波踊りは,県民全員が踊れるわけでない。まして鳴り物を体験した県民となると非常に少なくなる。このことから,踊りや鳴り物を体験できる取り組みは,伝統文化を継承し,未来へつないでいく活動であると思う。

 

②環境学習

環境委員会がペットボトルキャップの収集を呼びかけ,学校の電力と水の消費量の推移の調査をし,省電力の啓発活動をした。

 

③発信(ボンジュール・プロジェクト)

藍住南小学校で自分たちが取り組んでいることを世界へ発信できないかと考え,卒業生に協力をお願いして,フランスと交流する取り組みを2013年度より継続してきた。藍染め作品や習字作品,折り紙や自己紹介カードやクリスマスカードなどを送ったり,写真やプレゼントが送られてきたりという交流であったが,2018年3月・2019年3月・2021年2月にリモートで直接話をする交流ができた。フランスからは作品の紹介や歌の披露があり,こちらからは藍染めの説明と阿波踊りを披露した。リアルタイムでお互いの情報交換ができた。児童は遠いフランスを身近に感じ,異文化に少し触れることができた。また,先輩の活躍を目の当たりにすることができ,良いモデルとすることができた。2023年2月にフランスのレージュ小学校と交流をテレビ電話でリアルタイムの交流をする予定である。