2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, エコパーク
当校は、「素直に思いをかわし合うこと」を研究テーマとして,ESDをこれまでの教育活動の再編成・とらえ直しと考え,ESDの実践を通して,子どもたちが,自らの思いの表出から表現していく力の育成を目標とした。具体的には,生活科や総合的な学習の時間を柱に,①ウサギとのくらしをつくる活動,②町名産のリンゴづくりと販売を体験する学習,③大豆にかかわる学習を進めている。
① ウサギとのくらしをつくる学習(2年)
2年生は昨年からウサギとの生活を行っている。昨年支援学級の畑にウサギのふんを毎日まき,ふん,土,野菜,人間,動物の関係を「ぐるぐる」と表現した子どもたちは,今年は自分たちで畑をつくり,そこにふんをまこうと考えた。実際に畑の活動をはじめると,「グルグル大根をつくる畑なんだから,うねもぐるぐる巻きにしよう」と語り,活動をすすめた。7月,12月には,大根の収穫を行うことができた。にんじん畑では間引きを行った。間引いたにんじんをうさぎにあげるとこちらは喜んで食べる。飼っているウサギは大根よりもニンジンの方が好みなのだとわかり,言葉を話さないうさぎのことを分かろうと活動した。9月になると校内音楽会に向け,どんな発表をしたいかを考え,今年も「うさぎとの生活を歌にしたい」ということになり,5つの曲をつくり,全校児童や保護者に向けて発表をした。
② 町名産のリンゴづくりと販売を体験する学習(2年)
2年生は,学校の敷地内にあるリンゴ畑でリンゴ作りの体験を行っている。リンゴの観察や摘花,葉摘み,玉回し,収穫を行った。落ちてしまったりんごを試食した子どもたちは,そのおいしさを改めて感じ,たくさんの人にりんごを食べてもらいたいと願い,道の駅での販売をした。するとりんごを購入した方から手紙が来て,子どもたちもその方に国語で学んだ「しかけカード」で返事を書くなどの活動に広がった。
③ 大豆にかかわる学習(3年 4年)
4年生は昨年に続き,大豆を通して,県や地域を知ること,さらに健康で元気な町づくりについて考えようとしている。昨年の経験も生かして,今年は一人一人が鉢で育てて「マイ大豆」をつくった。さらに畑では大豆を育てているが,鳥に食べられてしまったり虫も大量に発生したりしてしまった。そこで,家の人に聞いたり,地域の人に聞いたりして鳥や虫の対策を進めた。また,昨年しこんだ味噌も用いて,高齢化が進む町の現状を踏まえて,お年寄りもみんなが元気に過ごすための朝食を考えたいと願って活動を進めている。
3年生は「すがたを変える大豆」をきっかけに大豆づくりを行ってきた。11月 に給食で納豆が出されたことや,地域探検で納豆やさんを発見したことをきっかけに,12月に納豆づくりを行った。その納豆をおいしく食べてほしいと願った子どもたちは,各家庭の納豆料理を持ち寄り,一口に納豆といっても様々な方法で食べることができることに気がついていった。
来年度の活動計画
2019年度は,本校のESDテーマを,「つなぎたい,わたしの町の,もの・ひと・こと」と設定して,全校児童と職員はもちろん,保護者,地域の方と共にESDの推進を図っていきたい。低学年においては,生活科を軸として,これまで行ってきた「リンゴつくり」も含めて,身の回りに暮らす町の人や生き物とのつながりを育みたい。中学年,高学年では総合的な学習の時間を軸にして,児童を取り巻く,「もの」や「こと」を知り,かかわる活動をすすめたい。さらに「もの」や「こと」を介して出会う人とのつながりから,改めて,「もの」や「こと」を見つめ直すことで,町の魅力や課題をとらえなおし,自分の問題として行動する姿を育みたい。