2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解
当校は「自主創造」「師弟同行」「文武両道」を建学の精神とし、佐野(栃木県)の地から世界に羽ばたく人材の育成に努めている。その中でも「自主創造」を教育上最も重要な課題と捉え、生徒達が自ら考え・行動することを求めている。ESDの実践においては「国際理解教育」を中心に活動を行っており、数多くの海外派遣・生徒受け入れを実施する「実学型プログラム」を充実させている。
ユネスコスクールの認定からわずか2年であり、実際の活動は未だ不安定であるが、平成30年度においては①学習内容の共有、②学習内容のアウトプット、を大きな柱に据え活動を実施してきた。
平成31年度はこれらをさらにブラッシュアップし、体系化した教育内容の確立を目指す。具体的には①「Share the Wonderプログラム」を立ち上げ、学習内容を生徒たちが独り占めするのではなく、佐野市内の児童・生徒にも広げていき、ともに成長していく機会の拡充を目指す。実際、その事前段階として平成29年度以前から市内の小中学校を訪問し、国際交流活動を行ってきた。②「佐日中等EXPO」と題したプレゼンテーションの機会を設け、佐野市・栃木県全域への呼びかけをし、一人でも多くの方に学びの成果を発表していく。
①「Share the Wonderプログラム」について
前述のとおり、公立・私立の学校種を問わず、地域(佐野市)の生徒たちの成長にとって有益となるものを、ともに共有していくことを目的としている。
ア)平成30年度には、平成29年度に引き続き、姉妹校の一つであるマ レーシアのSekolah UCSIの学生を引き連れ、地元の佐野市立石塚小学校を訪問した。UCSIの学生によるマレーシア文化の紹介(ダンス、プレゼンなど)を行い、有意義な時間を過ごした。
イ)近隣の足利市にある「開倫ユネスコ」のご助力の元、「世界哲学の日」を実施。これはユネスコ協会が定めた11月の第3木曜に、本校の生徒を対象とし、「哲学」に関するプロモーション活動を行った。
ウ)「安足ムスリム協会」のご協力の元、パキスタンの現地校校長のグループ(30名)による学校視察を受け入れた。短い時間ではあったが、在校生にとっても貴重な体験となった。
②「佐日中等EXPO」は、一年間の生徒たちの活動を外部に向けて発信する企画であるが、7月14日に実施した。生徒たちが学んだ内容は、彼らが今後成長していくうえで欠かすことが出来ない「財産」であるが、それをレポート作成及び他者への発表と言う活動を通じて「自分のものとする」場を設けている。このイベントはユネスコスクールへの申請中であった平成28年度からスタートしており、佐野市内・栃木県内の小中学校及び保護者、一般の方々へ呼びかけを行い、一人でも多くの方の目に触れる機会としている。
③その他特筆すべき国際理解活動
・オーストラリアフィールドワーク
中等3年生~5年生の希望者20名を対象としたプログラム。姉妹校での滞在だけではなく、SDGsの「環境教育」に関わる学びの場も提供している。毎回人気があるプログラムであり、20名の定員に対し、約4倍もの応募があった。
・マレーシアフィールドワーク
中等3年生~5年生の希望者20名を対象としたプログラム。姉妹校での滞在だけではなく、SDGsの「人と国の不平等をなくす」項目に合致した内容を学ぶ機会となっている。具体的には、世界4大宗教が集う町を訪問し、いかに異なる文化背景を持つ人間が平和的に暮らすかを経験させる。
・中国 北京月壇中学交流
北京市内の公立学校で、唯一日本語を第一外国語とする学校と姉妹校提携を結んでおり、毎年定期的な交流を行う。同一法人の佐野日大高校と共催で実施し、各3名程度の厳選された生徒が参加。
・イギリス研修旅行
中等4年次に、シェイクスピア生誕の地であるStratford-upon-Avonにある姉妹校、Girls Grammar School/King Edward 6th schoolを訪問し、ホームステイ等を実施。
・イギリス ケンブリッジ大学ペンブルック校研修
親学校となる日本大学の全26付属校から選ばれた生徒が参加できる栄誉あるプログラム。ケンブリッジ大学ペンブルック校舎内にある本校の寮を使用し、2週間の滞在をする。
・フィリピン セブ島英語特訓
中等3年生~5年生の希望者20名を対象としたプログラム。徹底した管理の元、集中的に英語を学ばせる。
・アジアチャレンジ カンボジア編(平成31年度予定)
来年度の活動計画
「佐野の地から世界に羽ばたく人材を育成する」という言葉を標語とし、本校においての国際理解教育はスタートしたが、その意思を受け継ぎ、ユネスコスクールがスタートした。
本校の活動目的は「国際理解教育の促進」であり、一人でも多くの生徒たちに世界の現実を学ばせ、既知感を育成していくことである。そこで数多くの海外派遣プログラムを実施し、そこで学んだ内容をプレゼンテーション形式で発表させる場を「佐日中等EXPO」として設けている。
平成30年度は、本校生徒たちが数々の国際活動において学んだ内容を独り占めするのではなく、佐野市内の児童・生徒たちに広めていく「Share the Wonderプログラム」を立ち上げ、国際理解のEvangelistを育成していくことに注力する。これを5年計画で実施していく。ひいては、この活動を通じて保護者・及び市全体を巻き込んだコンソーシアムの立ち上げを標榜する。これにより、将来を担う生徒達が国際的に活躍できる機会の拡充を期待する。
また、SDGsにおいては、新たな項目を日々の教育活動の中に取り入れることも目標としている。具体的には「環境」教育であるが、オーストラリアの姉妹校の協力の元、一人でも多くの生徒たちがその知識に触れる機会を作り上げたい。