2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 食育

本園は「身近な環境との関わりの中で、主体的に活動し、創造性豊かな子どもを育成する」を目標としてESDを現代社会の課題を自らの問題として考え、身近なことから取組み、新たな行動を生み出す活動と捉える。その中で、幼児なりに、様々な身近のある環境に目を向け、自ら関わって自分たちにできることを考え、行動できる子どもの育成を目指し、継続して取り組んでいる。
 具体的には、子ども自ら創り出す力(主体性)共に関わり育ちあう(協同性)あきらめずにやり抜こうとする力(問題解決能力)保護者や地域の教育力を活かして(連携力)を柱に、栽培・食育の取組、『あいさつ強化デー・クリーンデー』の取組、奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組、自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む以下の取組を行った。

栽培・食育の取組

 年間を通じて季節の野菜を栽培しています。地域の方に植え方や育て方を教わり、収穫祭には園に招いてリリコパーティー(リリコ=トマトの品種)ややきいもパーティーなどを開きました。どんなパーティーにしたいのかを子どもたちが話し合って企画・運営しました。感謝の気持ちを伝え、自分たちで育てたものを食する喜びを存分に感じることができました。他にも、大根、サツマイモ、玉ねぎ、ゴーヤ、ブルーベリーなどの野菜や果物も育て、栽培を通して食育活動を行いました。これらの取組では、食べるものを自分たちでつくり、食べ物を大切にしながらいただくといった過程のの中で、地域とのつながりを感じて、温かい心に触れたり、感謝の気持ちをもったりすることを大切にしています。

『あいさつ強化デー・クリーンデー』の取組
 
 毎学期に2回『あいさつ強化デー・クリーンデー』を実施しています。PTA委員が園周辺に立ち、保護者と子どもたちに積極的に挨拶をし、人との繋がりを感じ、進んで挨拶する大切さを再確認しています。通園途中に親子でごみを各自集め、園の入り口にゴミ箱を準備しておき、拾ったごみは、燃えるゴミ、燃やさないゴミ、その他プラスチックに分別して捨てます。自分たちの住んでいる町をきれいにすること、ごみ分別を通して、温暖化などの環境問題を自分たちの問題として考え、一人一人が環境保全に取り組めるよう、保護者の協力を得ながら行ってきました。

奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組

 鹿は冬になると、食べ物がないため、全園児が集めたドングリを鹿愛護会に寄付しました。ドングリは、お家の方と集めたものを園に持ち寄ったり、4、5歳児が平城宮跡へ園外保育に出かけて集めたりしたものです。今年は、取り組みが定着してきたことから、地域にも広まってきて、地域の方にも園にドングリを持ってきてくださいました。鹿寄せ当日は、手に乗せたドングリを鹿が食べる様子に喜びを感じ、鹿を大切に守っていこうという気持ちが一層つよくなりました。この取り組みでは、自分たちの住んでいる奈良の町が大好きと思える子どもに育てるという世界遺産学習へつなげています。

自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む取組

 本園は天平文化の花開いた平城京の中央に位置し、西には秋篠川、南に唐招提寺、や薬師寺、北には平城宮跡に復元された大極殿や朱雀門などがあり、すばらしい歴史環境に恵まれた地域にあります。年間を通して、自分たちの住む奈良の町とはどんなところかを知る機会を大切にするために、遠足で大仏様を見に東大寺に行ったり、園外保育では地域の方と一緒に校区内にある世界遺産の平城宮跡や唐招提寺、薬師寺に行ったりします。この取り組みでは、身近にある世界遺産について、昔から大切に守られてきた話を聞いたり、実際に見たりしたことでより親しみをもつようになり、奈良を大切に思う気持ちや今までに守ってきた人々の思いを知るなど、伝統文化を大切に思う気持ちを育てていきたいと思っています。

来年度の活動計画

家庭・地域との連携を図りながらESDの取組を継続していきたいと考えています。また、次年度は「環境」の分野から園庭に芝・クローバ・ゴーヤなどを植える取組についても計画しています。芝生やクローバを植えることで、虫などの生き物との関りが生まれたり、園庭の緑化にもつながります。また、ゴーヤを植えて、ゴーヤのカーテンをつくることで、冷房に頼らず戸外で元気に遊べる環境づくりをしていきたいと考えています。