2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 世界遺産・地域の文化財等

 本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒のための特別支援学校で「ことば豊かに 強く 明るく」を校訓としている。聴覚障害のある幼児児童生徒にとってESDを社会とのつながりと捉え、「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会とかかわろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念としてESDに取り組んだ。
具体的には、幼稚部、小学部、中学部、高等部それぞれの発達段階や実態に応じて、①環境教育に係わる活動、②伝統文化の継承に係わる活動、③国際教育に係わる活動を行った。

① 環境教育に係わる活動
 幼稚部では、季節ごとに校内外の自然に触れ、親しんだ。6月~11月にかけて、校内の畑に夏野菜やサツマイモの苗を植え、水やりや草とりをした。秋には収穫した野菜をそれぞれの家庭に持ち帰り、親子で調理してもらうことで、野菜への苦手意識の軽減、食への興味・関心の広がりがみられた。
中学部では、5月の遠足で竹島(蒲郡市)を訪れ、海岸のごみ拾いを行った。また、10月からは正門周辺の落ち葉清掃を実施し、地域美化に貢献した。7月の野外活動では「水」の浄化についての簡単な実験を行い、身近にあるものへ焦点をあてることで、環境への興味・関心を広げ、学びを深めることができた。

② 伝統文化の継承に係わる教育
小学部では、4~6年児童12名がクラブ活動として和太鼓の練習に取り組み、伝統芸能の継承に努めた。8月には豊橋市教育委員会主催の「小中学生による芸能フェスティバル」に参加し、校外発表も行った。また、本年度は、第9回ユネスコスクールESDアシストプロジェクトの助成金で本校オリジナル曲を制作し、演奏演目のレパートリーを増やすことができた。

③ 国際教育に係わる活動
高等部では、総合的な学習の時間において国際理解活動に取り組んだ。インドの文化や教育についてグループごとで調べたり、インドで生活をしていた方を講師に招き、民族衣装やスパイスなどの実物を体験したりした。また、各国の教育制度やファッションなど、興味のある事柄を探究する活動にも取り組み、世界の国々について理解を深めることができた。

来年度の活動計画

平成31年度も「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会とかかわろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念として、①環境教育、②伝統文化の継承、③国際教育の三つの分野を柱にして、ESDを教育課程に組み込み、全校で取り組む。野菜の栽培など自然との触れ合いを大切にした活動(幼稚部)、和太鼓の練習と地域での発表(小学部)、野外活動における清掃活動(中学部)、カナダマニトバ聾学校との交流(高等部)など、年齢や発達段階に合わせた特色ある活動を、平成31年度も継続して行っていく予定である。