2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, 環境, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, 食育, その他の関連分野
本校区は埋め立てにより開発された、新しいまちである。そのため本校区には、昔から伝わる地域の祭りや、地域の心のよりどころとなるべき神社・寺などの施設はない。また、本校には豊かで教育熱心な家庭が多く、習い事等でいそがしい子どもが多い。つまり、地域に出て地域のことを深く知るような機会も多くはない。
以上のことから本校の子ども達は、地域に対する愛情を持ちにくい環境にある。
本校の子ども達は、将来的にはリーダーとして、大都市や海外で活躍する子ども達も少なくないであろう。そんな子ども達に将来、本校区を巣立っていった後にも、故郷への誇りを持つことができる。そんな人間になってほしい。それが本校の実践の大きなねらいである。
そのようなねらいを達成するためには、百道浜小学校が地域の行事の中心として機能することで地域のよりどころとなっていくべきである。さらに、地域にある「ひと」・「もの」・「こと」を活用して、子どもと地域とを繋ぐパイプ役としての役割を担っていくような実践を重ねていく必要があると考える。以下、主な実践を簡単に紹介する。
~地域の「ひと」・「もの」・「こと」を活用した行事~(百道浜小学校を中心として)
・学校オリンピア(縦割りの集会遊びを全校で行う)
・「芝生で映画をみる会」(芝生の校庭の上で、希望する子ども・保護者が映画を鑑賞する)
・「はまっぴフェスタ」(学校全体を会場にした、バザー)
・「夏祭り(子どもみこし)」(地域の夏祭りを、学校を中心に行っている)
※上記の活動はPTA、おやじの会、グリーンプロジェクト(本校の芝生を守る会)公民館・校区自治協議会、老人クラブなどを活用している。
~地域の「ひと」・「もの」・「こと」を活用した学習活動~
・道徳…お世話になっている地域の「ひと」(校庭の芝生を守っている方、読み聞かせ
ボランティアなど)をゲストティーチャーに迎え、独自の教材を作成している(全学年)
・総合学習…福岡市博物館・福岡タワー・公民館等の見学や、大相撲体験(春日野部屋交
流)など、地域の「ひと」「もの」「こと」を活用し、見学・体験を中心にした学習を行っている
来年度の活動計画
地域の「ひと」・「もの」・「こと」を活用する実践は、非常に効果的だったと考える。それらの活動をさらに効果的なものにしていくためには、学年の発達段階に応じた内容に整理したり、他教科との関連性・系統性を明確にしたりしていく必要がある。つまり、本校の教育活動全体を貫く、本校独自のESDカリキュラムづくりをしていくことが、次年度に向けての課題である。今年度ユネスコスクールの研修等に参加して、ユネスコスクールの取り組みが充実している学校では、全教育活動を横断的に位置付け、クロスカリキュラムの視点で教育計画を立てていることが多いように感じた。次年度は、クロスカリキュラムを作成し、本校における教育活動全体でESDを進めていきたい。
また、本校には外国籍の子どもが多く、本校区には外国人観光客が非常に多い。さらに、近くにインターナショナルスクールがあることなど、国際理解教育を進めていくために非常によい環境が整っている。将来的には、国際理解教育も本校のESD教育の大きな柱のひとつにしていきたいと考えている。
さらに、本校は福岡市の小学校における、唯一のユネスコスクールであるため、ユネスコスクール間のネットワークがあまりないのが現状である。そのようなネットワーク構築も、大きな課題である。
昨年度の総合学習の内容について、学年・学期ごとに、ESDの学習で使用したワークシート・資料・学習の流れなどをデータ化して保存しておいたため、今年度はスムーズに学習が進めていけた。今後も各学年ごとに資料をより蓄積していき、よりスムーズに学習を進めていけるようにしていきたい。