2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 世界遺産・地域の文化財等
本校は,「伝統文化の体験と継承・環境学習」を活動テーマとして,ESDの実践を通して,次の点を目標とした。
l 体験を通して伝統文化の価値について考え,伝統を守ってきた人々の思いに触れ,それを育んできたふるさとへの誇りと愛情を育てる。
l 地球規模の環境保全に関して関心を深め,その重要性を理解し,自ら関わろうとする意欲や実践力の基礎を育てる。
l 上記の取り組みについて他地域の児童や人々に発信し,これらに関する自分なりの 認識や価値観を形成しながら,豊かなコミュニケーション力を育てる。
具体的には,下記の活動を行った。
①伝統文化の体験と継承
○地域に伝わる伝統工芸である藍染めについて総合学習の核として取り組み,蓼藍のサンプル栽培,藍建て、藍染めなどの体験に取り組む。
○郷土の伝統文化である阿波踊りに鳴り物を含めて取り組む。(5年,6年)
②環境学習
○ペットボトルキャップおよびプルトップを収集し,子どもの医療の困難な地域へのワクチン供与に協力する。
○エコロジーの観点から電力や水の消費に関心を持ち,校内での電力や水の消費量の調査
と広報に取り組む。
①伝統文化の体験と継承
藍染め
[第3学年]
・社会科・総合的学習を中心とする地域学習での校区理解
・初歩的な藍染め体験(ハンカチの絞り染め)
[第4学年]
・社会科・総合的学習を中心とする地域学習での藍染めの歴史の学習
・藍染めの体験(ハンカチの絞り染め)
藍の館(藍住町 藍染め体験館)で,身近な道具を使った簡単なしぼり染めを体験した。
[第5学年]
・藍建てと藍液のお世話
藍建てを初めて体験し,藍の世話を継続して,藍染めに取り組んだ。
・染め体験
和紙を染めて,阿波踊りのうちわを作る。バンダナを染め阿波踊りの時に着ける。
6年生にTシャツの染め方を教えてもらいオリジナルTシャツを作成する。
・藍染めの調べ活動による知識深化
・阿波踊りの修得(踊りと鳴り物)
[第6学年]
・5学年までに身につけた藍染めの様々な技法を活かした作品づくり
藍の生葉を使ったたたき染めをし,その後藍染めをした。
藍染めをした箸袋を作り,お弁当の日に使っている。
・「藍の館」でのボランティア
毎年お盆に校区内の藍染め体験館「藍の館」で染めのお手伝いや,館内の案内等の
ボランティアをしている。ボランティアをするには,藍の館についてよく知ってお
かなければならないので,「藍の館マスターになろう」という活動をし,藍の館を見
学して自分で詳しく説明できるようにした。
夏休みには,4日間でたくさんの児童が5年生の時に自分で染めたTシャツを着て
参加した。
・独居老人訪問も藍染めのハンカチをプレゼント
・藍染めの表紙の卒業文集を制作したり,藍染めの卒業共同制作をしたりした。
・藍染めのコサージュを手作りし,卒業式に親子でつけて参加
地域の伝統である「藍」を,歴史・自然・文化など様々な面から捉え,アプローチしていく活動を通して,多面的,総合的に考える力やコミュニケーションを行う力を養い,つながりを尊重する態度や他者と協力する態度を育てることを目指した。本校の高学年の児童は,プレゼントや作品などを作る際には「藍」を使ったものを考えるほど,日常の中で「藍」との関りが深く,「藍」を身近に感じている。このことは,ESDの考え方につながると思われる。
阿波踊り
5・6年生児童全員が運動会で阿波踊りに取り組んだ。阿波踊りの起源について学習した後,「AWA DANCE クラブ」が中心になり鳴り物を担当し,練習を重ねて,運動会当日,自分で作った藍染めのバンダナとうちわを持って踊った。
徳島県の伝統である阿波踊りは,県民全員が踊れるわけでない。まして鳴り物を体験した県民となると,非常に少なくなる。このことから,踊りや鳴り物を体験できる取り組みは,伝統文化を継承し,未来へつないでいく活動であると思う。
③環境学習
環境委員会がペットボトルキャップおよびプルトップの収集を呼びかけ,学校の電力と水の消費量の推移の調査をし,省電力の啓発活動をした。
① 発信(ボンジュール・プロジェクト)
藍住南小学校で自分たちが取り組んでいることを世界へ発信できないかと考え,卒業生に協力をお願いして,フランスと交流する取り組みを平成25年度より継続してきた。藍染め作品や習字作品,折り紙や自己紹介カードやクリスマスカードなどを送ったり,写真やプレゼントが送られてきたりという交流であったが,平成30年3月にskype(スカイプ)を使って直接話をする交流ができた。フランスからは作品の紹介や歌の披露があり,こちらからは藍染めの説明と阿波踊りを披露した。リアルタイムでお互いの情報交換ができた。児童は遠いフランスを身近に感じ,異文化に少し触れることができた。また,先輩の活躍を目の当たりにすることができ,良いモデルとすることができた。平成31年2月にも,フランスの小学校と交流予定をしている。
来年度の活動計画
平成31年度も,30年度と同様,伝統文化の体験と継承・環境学習を中心に取り組み,ボンジュール・プロジェクトで発信することを計画している。