| 所在地 | 〒722-2102 広島県尾道市因島重井町651-2 |
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| 電話番号 | 0845-25-0012 |
| ホームページ | http://www.onomichi.ed.jp/shigei-j/ |
| 加盟年 | 2025 |
2025年度活動報告
生物多様性, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権
本校は、「Open the Future with Ambition~志を胸に 自らの可能性を広げ仲間と協働し未来を切り拓く生徒の育成」を学校教育目標として教育活動を展開している。今年度の取組を報告する。
【平和】
8月に,重井公民館を会場として行った夏季特別講座では、村上充輝様をゲストティーチャーとしてお迎えして,平和学習を行った。重井町の戦争体験者聞き取りによる膨大な資料と,戦前・太平洋戦争当時の貴重なフィルム上映をもとに,重井町の小中学生が当時,どのような暮らしをしていたか,というお話を伺った。生徒たちは,現代の自分たちの生活と大きく異なる学習環境であったことや,戦地に出征する若者を,身近な港から,町を挙げて涙ながらに送り出していた事などを知り,意見を交流して考えを深めている姿が見られた。
さらに,太平洋戦争末期に起こった『因島空襲』について,ボランティアグループ「むつみ会」の皆様をお招きし,紙芝居の読み聞かせ学習を行った。自分たちの住む島の産業がどのように破壊されたのか,また,平和の実現のために,これからの社会でどのように考えて行くのか,一人ひとりが考えを交流し,表現する力をつけることができた。


【国際理解】
本校では少人数の利点を生かした,きめ細かな表現活動を継続させる事ができた。7月から,英語科での取り組みで,自分の住む地域の魅力を英語で発信するためのプレゼンテーション作成活動を行った。9月からは,生徒のプレゼンテーションをより伝わりやすく、質疑に耐える,やりとりできるものにグレードアップするために,尾道ライオンズクラブの事務職スタッフである長尾理恵様を,特別非常勤講師としてお招きして,発表ややり取りに対するフィードバックと改善を,継続的に行っていただいた。10月に,尾道市内のALT6名を迎えて「イングリッシュ・チャレンジデイ」を実施した。生徒たちは,自分たちの英語でのスピーチがだんだんと上達していることを実感できていた。またその後,因島土生町にある,(株)ジャパンマリンユナイテッドに訪問し,外国船の乗組員や,メンテナンススタッフの皆様に,因島の魅力について,プレゼンテーションを交えて紹介した。その際,アメリカ籍船舶スタッフの1人であるIrma McClaurin様より,訪問のお返しにと,英語と日本語の俳句が披露され,文化交流を深めることも出来た。
12月には,韓国のDonggang Middle Schoolとオンラインでの国際交流授業を行った。生徒たちは,少人数グループで互いの顔を見ながら英語で話し合い,互いの学校生活や好きなアイドル,文化,地域の魅力について,相互にプレゼンテーションを交えながら,英語でやり取りすることができた。それまで,校内であまり自分から話すことの少なかった生徒にも,「自分たちのことを相手と共有したい」という思いから積極的に発言している姿が見られ,コミュニケーション能力の伸長を図ることができた。

【人権・生物多様性】
5月及び12月に,人権をテーマとした全校での学習を実施した。5月の授業では5月22日「国際生物多様性の日」に沿った授業として,ダム建設問題を題材とした授業を展開した。具体的には,ダム建設の是非をめぐる住民どうしの対立する姿から,ダム建設の影響は人間だけでなく,動物や自然などの生態系にも及ぼされることへと徐々に視野を広げていく展開とした。生徒は本授業を通して,人間中心の視点に留まらず,人間と様々な生物が共生している事実やその重要性に気付く姿があった。
12月には,12月10日の「国際人権デー」を含む人権週間(12月4日~12月10日)として,様々なテーマで人権に関する学習を展開した。とりわけ,12月10日には「LGBTQ+」をテーマとして,トランスジェンダーの方の体験談をもとに作成した資料を題材とした授業を実施した。具体的には,生物学的性は男性であり,性自認は女性である方の小学校時のエピソードから,性についての認識を広げ,深めていく展開とした。生徒は本授業を通して,性に対する多様な認識の存在を自覚することや,それらの認識と自らがどのように関わっていくのかを真剣に考えた。さらに,授業終盤では,性の部分に留まらず,誰もが自分らしくいられる社会を形成するために大切なことは何かを考える姿があった。これらの一連の取組を通して,生徒は人権という概念への理解を深め,自己や他者への人権感覚を磨こうとする意識を高めることができた。

【文化多様性】
地域文化の継承を目的として,「地域貢献プロジェクト」を3年生の総合的な学習の時間で実施した。本取組は,因島重井町をはじめとする小規模なコミュニティの消失が加速することでもたらされる文化多様性の消失を防ぐため,重井町の人口を増加させることで活性化を図り,重井町独自の文化を継承・発展させていくことをねらいとして展開した。取組の過程では,生徒が地域文化の保持増進に関わる地域人材へのインタビューを実施した。そして,その様子を動画として編集し,SNSへ投稿することで地域文化の魅力を発信し,移住者の増加へとつなげる取組とした。
また,地域文化のシンボルである白滝山での地域PR動画撮影を行い,SNSへ投稿することを通して,観光客の増加へとつなげる取組とした。生徒は,一連の取組を通して,地域文化についてのより深い理解と文化継承・発展への意識を高めることができた。


来年度の活動計画
本年度の各分野での取組をブラッシュアップすることで,取組や学習の精度を高めたい。具体的には,平和学習や人権学習を通して得た知見を,各生徒自身の学びとすることに留まらず,他者への発信を行うことである。例えば,小学生に向けて学習の成果をプレゼンテーションすることや,学習した内容を踏まえて地域住民と対話することである。さらに,地域の範囲を越え,ユネスコスクール認定校や国籍の異なる人々との交流によって,より国際的な視点での平和や人権に対する認識を得る機会としていきたい。
また,地域文化の継承・発展を目的とした総合的な学習での取組については,来年度の全校生徒が3名となることと本校の閉校を鑑み,地域住民との協働的な学習に一層重点を置いて取り組む。具体的には,中学校という地域文化の継承・発展の役割も担う拠点の一つが失われる中で,今後どのようにその役割を補完していくか等について,地域住民と模索する取組を学習として展開していきたい。
