2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, 福祉, 健康

本校では、学校教育目標「共に未来を築く、心豊かで、かしこくたくましい子どもの育成」の実現に向け、大きく二つの柱を立て、ESDを推進している。

 

一つは、体育科を中心に、人々・社会とかかわる課題解決的な活動を重視し、

 

「オリンピック・パラリンピック」を通したESDを展開している。

 

さらに、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターの支援を受け、「天領小学校・みなと小学校・天の原小学校の3校が連携した海洋教育」を通したESDを展開している。

 

具体的には、①パラリンピアンとの交流学習、②海洋教育「海に親しむ」に関わる学習、③海洋教育「海を守る」に関わる学習、④海洋教育「海を利用する」に関わる学習を行った。

 

①  パラリンピアンとの交流学習

 

ロンドン、リオパラリンピックの車椅子テニスに出場された川野翔太選手を招聘し、事故に遭った後の自分の生き方についての話を聞いたり、車いすテニスを体験したりした。その中で、努力することの大切さ、周りの人への感謝などを学んだ。これに関連し、3学年の道徳では、高橋尚子選手を題材として取り上げ、他人と比較せず自分の頑張りに目を向けることで、自分自身の力や前向きに頑張り続けることのよさに気づき、深く自らのこととしてとらえることができた。

 

また、環境省の「メダルプロジェクト」の出前授業を受け、携帯電話やゲーム機等をリサイクルすることで東京2020で使用されるメダルが作られることを学んだ。

 

   海洋教育「海に親しむ」に関わる学習

 

「宝の海・有明海」は世界有数の干潟を擁しており、そこに生息する生物は実に多様なものである。そこで、ネイチャーガイドから有明海の特徴や生物についてのガイダンスを受け、干潟に入り、海の生物を採集・観察する干潟観察会を実施した。その後、協力校それぞれで「海祭り」を開催し、お互いを招待し合って交流した。そこでは、干潟の生き物とその暮らしを劇や歌で表現するなど、有明海の生きものを中心に教科横断的に学ぶ学習活動が展開できたと考える。

 

   海洋教育「海を守る」に関わる学習

 

「守る」ためには「大切に思う」ことが必要になる。そこで、校区を流れながらも、なじみの薄い諏訪川でカヌー体験を行うことで川に関心を持ち、水源から三池港付近までの水質検査を行うことで、生活排水が水質に関係していることに気づかせた。そして、環境にくわしいゲストティチャーの助言や水質検査の結果から諏訪川の環境をとらえ、自分たちにできる行動をポスターや新聞で発信し、有明海を守る活動へ広げた。

 

  海洋教育「海を利用する」に関わる学習

「100年先の大牟田の未来を考える」学習活動を展開した。教育委員会主催の世界遺産見学に加え、国土交通省九州地方整備局出前授業や三池港クルーズ学習を通して、海上から現在も稼働する三池港の閘門や周辺の地形を見学した。その後、今の大牟田市の事業計画や全国の海洋の利用状況を調べ、100年先の大牟田市の海を利用した町おこしを考えた。そして、協力校とのテレビ会議や九州地区6校海洋教育パイオニアスクールの子どもサミット等の交流を通して、学びを深めることができた。

来年度の活動計画

 来年度も「オリンピック・パラリンピック」の学習と、「海洋教育」の二本柱でESDを推進していく予定である。

「オリンピック・パラリンピック」の学習では、オリンピアンやパラリンピアンと交流することにより、よりよい生き方について考えたり、東京2020に向け、自分たちに何ができるかを「メダルプロジェクト」も含め考えたりし、行動化につなげていく。

 また、「海洋教育」の学習では、本年度作成した実践事例集を基に学習を展開していく。その際、学習過程や他教科とのつながりの確認、GTの開発なども行い、さらに学校の特色が出るものにしていく。また、九州地区6校の海洋教育パイオニアスクールでの交流学習を基に、自校の教材の改善や開発を行っていく。