2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, エコパーク, その他の関連分野
当校は,ESDを「困難な問題について考え,立ち向かい,解決するための学びであり,持続可能な社会の創り手をはぐくむ教育」と捉え,ESDの実践を通して,ふるさと只見を愛する心(只見愛)をはぐくみ,将来の担い手としての自己実現や社会貢献のための実践力の育成を目標とした。
具体的には、①只見学の奨励、②ふるさと(只見・南会津)の良さを感じる体験の充実、③地域とともにある学校づくり、④海洋教育の視点を付加したESD を行った。
① 只見学の奨励
本校では,地域に学んで理解を深めながら,地域の価値を再発見してまちづくりを担う人材を育てる「只見学」を進めている。児童は,地域の自然環境や食文化,歴史等について調べたり,ゲストティーチャーの指導のもと体験したりして地域を学んでいる。また,学んだことを町の「只見おもしろ学検定」を受検することを通して,将来は誰しもがガイドできる力を身につけることを目標に学んでいる。
② ふるさと只見の良さを感じる体験の充実
児童がユネスコエコパークのまち只見の良さやその只見をはぐくんだ南会津地域の良さを実感するためには,本物を見たり体験したりすることが重要である。そこで,今年度も全校児童による「田子倉湖モーターボート散策」や只見川の源を知る「尾瀬散策(ふるさと登山)」などを通して,只見ならではの雪食地形や巨大雪塊,ブナ林などの雄大な自然を味わい,改めて只見のすばらしさを実感すると共に,他地域や海との水循環によるつながりを知ることができた。
③ 地域とともにある学校づくり
只見の良さは自然環境だけではない。戊辰戦争時,河井継之助にまつわる「命の種もみ」の話でも有名な只見の人の温かさは今も昔も変わらず同じである。コミュニティースクールの機能を生かし,授業,農業体験,読み聞かせなど,学校教育に多くの地域住民の方にゲストティーチャーとして参画していただいている。地域の方の学校教育に対する期待も学校経営に反映している。
④ 海洋教育の視点を付加したESD
テーマを「海とつながる只見町」とし,総合的な学習の時間と生活科,学校行事を中心に「海に親しむ,海を知る,海を守る,海を利用する」という海洋教育の視点を付加してESDを実践している。これは,「只見の自然と共生することが水循環を通して海を守ることにつながること」「八十里越(国道289号)の開通とともに日本海が近くなり,人・もの・文化の流通が盛んになること」を学び,将来の町の在り方を考え,自己実現や社会貢献のための実践力を育む取組である。各学年のテーマを,1年「只見の自然を感じよう」,2年「只見の人や自然を感じよう」,3年「只見の森の四季」,4年「海とともにある只見の食文化」,5年「ユネスコエコパークのまち只見の自然と海」,6年「只見の将来を提案する ~海とつながり,世界と結び付く~」とし,体験的・探究的な学習を進めている。また,全校児童による学校行事「八十里を越えて海へ」を通して,海に親しみ海からの恩恵を感じる体験(地引き網体験等)を実施し,海とのつながりを体感させた。
来年度の活動計画
次年度も,海洋教育の視点を付加しながら,ふるさと只見を愛する心をはぐくむESDに取り組んでいく予定である。
4月 各学年のテーマに基づく学習計画を立案し,ESDの実践をスタートさせ る。
5月 モーターボートに乗って田子倉湖を散策し,只見の自然のすばらしさを体験する。
6月 八十里峠(国道289号工事現場見学)を越えて日本海に進み,水族館を見学しながら海に親しみ,海の恵みを感じる体験をする。
9月 ふるさとの登山を通して,只見の自然の雄大さを味わう。
10月 学習発表会において,ESDで学んだことを劇やポスターセッションなどで発表する。
1月 地域成果報告会
2月 「第7回全国海洋教育サミット」で,一年間の海洋教育の視点を付加したESDの実践を報告する。
その他 海洋教育の視点を付加したESD実践研究授業を近隣のユネスコスクール対象に公開する。