2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、6年間中高一貫教育の中で、「持続可能な明るい社会を担うグローバルエリートの育成」を目標に掲げ、SDGsについての理解を毎日の学校生活で深めながら、グローバルリーダーに必要な意識の醸成を図っている。今年度は、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野から、「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」、および「異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」の力の育成を目標とした。

  • SDGsの理解に係る活動

本校ではSDGsの理解を目標とし、地球市民としてどのように幸せに暮らしていけるかについて深く学び、考える機会を多く提供することができた。

前期課程ではSDGsセミナーを1学年対象に開催し、「ゴミ問題の解決するために、私たちにできること」についてのディスカッションが行われ、ゴミ問題から地球環境を考えることができた。

また、後期課程では、4年次、5年次の課題探究の授業でSDGsゼミを2回開催した。17のゴールのうち、自分が興味のあるゴールに関係するトピックスに分かれ、共通する一つのテーマについて、自分のアイコンの視点から課題や影響を考え、その解決策を見出す活動である。そのテーマとは、「新型コロナウイルス」。全世界に流行し、あらゆる分野に影響を与えるこの感染症は、まさに17のアイコンすべての視点から考えることのできるテーマであった。各教室では、どんなことが課題となっているのか、そのために何をすればよいと思うかについて、グループワークを中心に話し合った。

  • 国際理解に係る活動

新型コロナウイルスの影響で、例年行っている4年次のニュージーランド海外語学研修、5年次のベトナム修学旅行は今年度も中止を余儀なくされた。しかし、そんな中でも、今年度はさまざまな手段で、学校において国際理解を深める機会を数多く提供することができた。

海外の出身者や留学経験者から、ある国についての理解を深めるワークショップを複数企画し、開催した。アメリカ、コスタリカ、ベトナム、韓国などの在住、留学経験を持つゲストスピーカーを学校に招いたり、ニュージーランドの姉妹校とオンラインで交流を行い、各回40名以上の参加者が集まり盛況だった。

5年次では、ディスカッション交流を開催した。非英語圏出身の8か国から日本に留学・就労している外国人8名を「ディスカッション・パートナー」として招き、すべて英語によるディスカッションを行った。「教育」、「環境問題」をテーマに、それぞれの国における文化的・社会的・環境的背景について知り、日本や生徒自身をとりまく状況や背景事情との違いを学ぶことができた。1年次対象行事としては、アフリカ、アジア、南米出身のスピーカーを招き、講演会や文化交流を行った。

  • 有志生徒主体のプロジェクト活動

本校では、生徒が主体となり、教員がサポートする形で行う有志活動をプロジェクト型で行っている。

文化祭においては、有志生徒30名が話し合い、フェアトレード商品(マカロン、チョコレート)、オリジナルクリアファイルを販売した。これによって得た収益金のすべてである12,220円を日本ユニセフ協会に寄付し、日本ユニセフ協会からWe Support UNICEF賞をいただくことができた。

また、つくば市内にある「つくばインターナショナルスクール(TIS)」との交流事業を開始した。TISのStudent Council(日本の生徒会のような生徒組織)と、本校有志16名の生徒が交流し、2回の交流を通して生徒自身で活動内容を決定し、2022年3月にワークショップや講演会など、生徒たち自身で決定した活動を行う予定である。

来年度の活動計画

来年度もユネスコスクールとして、①SDGsの理解、②国際理解を深める活動を学校外との連携を計りながら行っていきたい。

① SDGsの理解

後期課程では、課題探究において「1人1探究」をテーマに研究論文作成、校内発表会)を実施している。自身の探究テーマは、SDGsの達成目標とどのように融合させることができるのか、SDGsゼミの実施を通して改良していきたい。

② 国際理解

今年度は「国内でできる国際理解教育」をテーマに、限られた環境の中で外国人と交流する機会を設けることができた。来年度以降は、ニュージーランドの姉妹校・交流校、地元の企業や大学との連携や、本校の整備されたICT環境、SSH指定校といったさまざまな強みを生かし、単発的な活動ではなく、継続的な活動へとつなげるネットワークやシステムを考えていきたい。

本校には、国際貢献に意識の高い生徒が多く、自身の活動と周囲への啓発を積極的に行っている。そうした活動の機会をこれからも多く提供していきたいと考えている。