2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 福祉

本校では、各教科・領域等の学習を始め、小・中学部における総合的な学習の時間及び高等部における総合的な探究の時間、道徳の学習、進路・キャリア学習、生活単元学習、自立活動等、あらゆる学習活動で他者と関わり、学び合う中で、児童生徒の「持続可能な社会を生きる力」「持続可能な社会を構築する力」を伸ばしていく取り組みを、本校のESDと位置付けている。平成27年度よりキーワードとして掲げる「つながり」は本校のESDを象徴するもので、「学校内でのつながり」「地域とのつながり」「他校とのつながり」「社会や学校外とのつながり」の4つに大別される。

令和2年度の活動は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、例年とは大きく異なる活動を余儀なくされたものや、試行錯誤の結果断念した活動が多数あった。特に、感染症拡大予防の観点から、校外での学習の機会がなくなったり、校外の方を学校に招けなくなったりしたことは今年度の活動に少なからぬ影響を与えており、次年度も同様の体制の中でESDに取り組んでいく上での課題である。

 

①学校内でのつながり(人や物とのつながり)

校内の教職員や友達との関わりを通して、人とのつながりの大切さや、友達と協力することのよさを感じる活動である。

今年度は、密集、密接、密閉を避けるため、従来は各学年が集まって毎週実施していた学年集会を、各教室をオンラインで繋いでリモート開催した。画面越しのやりとりに戸惑いつつも、直接会う機会が大幅に減ってしまった他学級の友達と交流することができた。

 

②地域とのつながり

地域を知ること、地域に知ってもらうことを通して、地域、またその地域に住む人々とのつながりを感じる活動である。

例年は、運動会や文化祭などの校外に開かれた行事や、生徒会による校外の美化活動などをその機会としていたが、今年度は当該行事が軒並み中止あるいは校内限定公開となってしまった。コロナの終息までは今年度同様の状態が続くことが想定されるため、方向性の修正、検討が次年度の課題である。

 

③他校とのつながり

同年代と児童生徒との交流及び共同学習を通して、多面的・多角的な見方を身に付けたり、協働して課題を解決したりすることをねらう活動である。

例年、小・中・高等部がそれぞれ近隣の小・中・高等学校と交流学習を行なっていたが、今年度は断念している。一方で、リモートでの共同学習を行なったり(中学部国語科)、アートマイルプロジェクトに参加し、連絡を取り合って協働して絵を描いたり(高等部)と、他県の特別支援学校の生徒とのインターネットを介した交流は行うことができた。

 

④社会や学校外とのつながり

広い視野で物事を捉えたり考えたりする機会を確保することで、児童生徒の学校外での生活につながる思考力や判断力が身に付くことをねらう活動である。

校外に出たり、校外から人を招いて学習することはできなかったが、国や自治体からの感染症拡大予防のための呼びかけを元に、校内の児童生徒に正しいマスクの着用や手洗いの方法を啓蒙するポスターを作って掲示したり、コロナが社会に与えた影響を考察したりと、生活単元学習や総合的な探究の時間などでの学習を通して、外へ出る以外の方法で社会に積極的にかかわろうとする態度を育むことができている。

来年度の活動計画

引き続き「つながり」をキーワードとし、「『つたえること、つながること、ひろがること』の活動を通して共生社会の実現を目指す」をスローガンに活動を行なっていく。

具体的には、まず、今年度の振り返りを元に「持続可能なESD」のあり方について考えることになる。今年度実施できた活動については引き続き取り組み、今年度実施できなかった活動については、そのコンセプトに沿った形で新しい方法を模索する。特に、他校をはじめとする学校外とのつながりのもち方を前向きに検討していきたい。

また、小学部1年生から高等部3年生まで12学年が在籍している強みを生かし、高等部卒業を起点に逆算しながら、系統性のある学習にしたい。児童生徒が自己の役割を考えたり、生き方を選択したりしていくための基礎となる学習であることを考えると、道徳教育やキャリア教育との連携もより密にしていけるとよい。

「コロナ禍であっても、つながりを維持する方法を考えていく」ことを念頭に、つながり合った仲間と共にSDGsに示された諸課題について考えることで、児童生徒の「持続可能な社会を生きる力」「持続可能な社会を構築する力」を伸ばしていきたい。