神奈川県 / 横浜市立東高等学校
持続可能な社会の担い手を育む企業連携プログラム
【事例紹介者(ASPUnivNet)】東海大学教養学部 教授 岩本 泰
(支援担当地域:神奈川県)
学校ステータス
(2021年12月執筆当時)
加盟校
教科等/特別活動 総合的な探究の時間
学年(または年齢) 1~3年生
活動テーマ 地球市民教育、平和と非暴力の文化
事例の特色

  • SDGsの達成に向けて、主体的に取り組む企業と連携することで、実際に社会でどのような取り組みしているか、実践的に学ぶ
  • キャリア教育と関連付けて、自分の生き方を考える
  • 具体的なアクションを起こしている人たちと交流することで、持続可能な社会づくりへの参加意識、シティズンシップ的な価値観醸成や課題解決行動へのエンパワーメントが高まる

取組の詳細

本実践では、学校の保護者がコーディネーター役として機能し、SDGsに主体的に取り組む企業(例:イケア・ジャパン、セブン-イレブン・ジャパン、東急電鉄、日本郵便、京急電鉄等)、その他中小企業、個人事業主関係者とつながって展開されている。実際の企業が社会で経済活動を通してどのように社会課題・地球規模の諸課題に取り組んでいるか、具体的に学ぶ。また、例えば気候変動に配慮した商品開発の検討に生徒が参加したり、横浜市教育委員会が間に入って地元テレビ局(テレビ神奈川:TVK)と連携、プレスリリース等の作り方など、社会への発信方法について学んだりする、といったことも行われている。
これら実践的な学びにより、日常の学習の社会的意義を実感し、自分の生き方を考えたり、自分と社会とのつながりを意識して社会参画への意欲向上につながったりしている。さらに、持続可能な社会づくりに向けて、政治が果たす役割の重要性の理解、政策提案に対する生徒主体の議論、政治・経済・社会・環境等とのつながりやかかわりについての重要性を意識するようになった。これらは、今後求められるグローバル・シティズンシップの教育として、更なる発展が期待される。

ASPUnivNetによる
支援の内容

神奈川県ユネスコスクール協議会、ユネスコスクール関東ブロックを通した間接的なかかわりを有している。

取組を通して
変容が見られた点

本実践を通した一番の変化は、生徒たちが日々の学びに対しての捉え方が広がったことにある。教科などの学術的な枠組みを超えて、社会とのつながり(学んだことがどのような意義を持っているか)を意識するようになった。とりわけ、SDGsに取り組んでいる大人がたくさんいることを知って、自分にもできることがある、という気づきが生まれている。学びに対する意欲が高まり、政治への関心、政策の立案に対する主体性、持続可能性に向けたシティズンシップの醸成のきっかけが得られた。
他方、教員が日々の教育活動が生徒の生き方に深く関与していること、学校外の人と協働的に教育実践をつくる意義を実感するようになった。さらに、企業担当者が企業理念やこれまでの経済活動にSDGsの達成に貢献できる可能性に気づき、社内の組織改編や課題解決に向けた新規事業が立ち上がる(特に、ジェンダー、地域貢献等)など、学習活動の相乗効果が見られた。

資料・画像・動画等