神奈川県 / 湘南学園中学校・高等学校
食農から考える・問う持続可能性
【事例紹介者(ASPUnivNet)】東海大学教養学部 教授 岩本 泰
(支援担当地域:神奈川県)
学校ステータス
(2021年12月執筆当時)
加盟校
教科等/特別活動 総合的な学習の時間
学年(または年齢) 中学1年生~高2年生
活動テーマ 持続可能な開発と持続可能なライフスタイル
事例の特色

  • 身近な食と農の問題が地球環境とつながっている、という気づきにつながっている
  • SDGsの達成に向けて、伝統的な食と農を大切にすることも大切だ、という価値の創造を試みている
  • 「自分事」から他者、地域、そして世界とのつながりを意識し、視野を広げていく学習活動を展開している
  • 地域(湘南・県西地域)を足掛かりに、地球規模の諸問題を具体的かつ批判的に考える(何が問題の本質か、考える)ことを大切にしている

取組の詳細

地域のNPOが運営する学校のカフェテリアでは、「地域の安全な食材」による食が提供されている。こうしたことから、食の安全・安心とはどうあるべきか、学習活動を始めた。具体的には、繊細な味覚形成、発酵文化、昔ながらの食づくり(かまど炊き・餅つき)などについての学習活動を展開した。その上で、持続可能な山地酪農、在来種・伝統野菜、ユネスコ無形文化遺産としての和食を支える出汁、そして米麹と米麴を支える職人の仕事について、発展的に学習した。こうした内容は、近年の気候変動により、同じ味を作り続けることが難しくなってきている、という課題の把握につながった。
食農の持続可能性に配慮した取り組みは、神奈川の県西地域(山北町)にも、山地酪農に取り組んでいるところがある、という気づきにつながり、地域の産業と関連付けて、これからの持続可能な地域づくりをについて考えるきっかけとなった。また、フードロスの問題から、地球環境について考えることにも発展した。

ASPUnivNetによる
支援の内容

コロナ前に、東海大学教養学部が主催したユネスコユースセミナーに生徒・教員が参加し、教育ネットワーク活動に参加するきっかけを創出した。

取組を通して
変容が見られた点

何かを変えるのは容易ではない。しかしながら、身近な食、食を支える農についての学習活動を通して、食の安全・フードロス・飢餓・動物福祉(アニマルライツ)・廃棄物等の問題の本質を考え、持続可能性に向けての価値観変容のきっかけとなった。

また、生徒の学びの様子に影響を受けた若い教員が、日常の持続可能なライフスタイルに向けて行動するようになった。生徒・教員相互の学び合いによる関係性構築の結果であると考えられる。

資料・画像・動画等