地域フィールドワーク(奈良めぐり)における、「ひととの出会い」を重視したESD実践 |
【事例紹介者(ASPUnivNet)】奈良教育大学 准教授 中澤静男 (支援担当地域:奈良県・和歌山県・滋賀県) |
学校ステータス (2021年12月執筆当時) |
加盟校 |
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教科等/特別活動 | 総合的な学習の時間 |
学年(または年齢) | 中学1年生・中学2年生 |
活動テーマ | 異文化学習、文化多様性及び文化遺産の理解・尊重 |
事例の特色 |
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取組の詳細 | 総合的な学習の時間の一環として、「奈良めぐり」という地域フィールドワークを1・2年生合同で行っている。そこでは、生徒は8つのコース(茶道・奈良墨・観光・景観・自然・作業所など)に分かれ、地域で活動している人々から話を聞き、対話することを重視し、ESD的価値観に基づいて地域の課題を学び、その解決法をともに考える場となっている。 本実践の展開にあたって各コースの担当教員は、「ESD・SDGsにつながる学び」を基盤にしながら、原則自由に各コースの計画を立案する。これは、従来の「おまかせガイドツアー」ではなく、生徒の興味関心と教員の願いを反映しながら、地域のさまざまなトピックを多角的・多面的に探究することを意図したことによるものである。また、企画段階では、教員主導ではなく2年生徒が夏休み中に教師と共に現地を下見し、教材開発を協働して進めている。その後、2年生は1年生をリードして「問い」を深める作業を行い、教師はファシリテーター役となる。最終的には、教師・生徒・地域の方々それぞれの立場からの気づきや思いを相互にシェアし、それを自分事として捉え、生徒には、将来の豊かな社会づくりに参画できるよう行動の変容に繋げてもらいたと考えている。 |
ASPUnivNetによる 支援の内容 | ASPUnivNet加盟大学である奈良教育大学から、人的また財政的な支援を受けている。 上記取り組みの1つである「春日山原始林」について学ぶコースにおいては、それについての専門家である大学教員に当日のガイドとして参加してもらい、有意義な話を聞くことができ、生徒からの質問にも詳しく答えてもらった。 また、大学からのESDに関する補助金(学長裁量経費)があることにより、講師への謝金をはじめ取組に必要となる経費を賄うことができている。 |
取組を通して 変容が見られた点 | 生徒は、教員とともに取材や下見をすることで、そのスキルを体得するとともに、現地の人々の生の声を聞き、悩みや喜びを共有したり、願いを託されたりする中で、課題を自分事化し、今後の行動化に繋げるためのきっかけを得ることができた。 教員は、新規コース開拓にあたって、さまざまな人物・団体にアプローチする中で、教員間では得がたい物事の見方の変容を迫られる場面を経験することとなった。また、交渉や情報収集のスキルを高めることもできた。 |
資料・画像・動画等 |