ユネスコスクール支援内容
1.加盟申請支援とネットワークを活かしたSDGs教育/ESDの推進
琉球大学は沖縄県内のユネスコスクールおよび加盟を目指す学校への申請支援をはじめ、SDGsの達成を目指してESDに取り組む学校に対しての実践支援、教育研究支援を行っています。また、県内のキャンディデート校への加盟促進につながる支援を行います。2023年度は、支援を続けていた県立高校1校が、加盟申請の表明をしてチャレンジ期間に入りました。(2023年12月よりスタート) 2023年8月に沖縄県教育庁のユネスコスクール担当部署である生涯学習振興課の担当職員と共に、ユネスコスクール等5校(加盟校3校、キャンディデート1校、申請検討中1校)へ学校訪問を行いました。活動状況の把握と加盟校としての課題を伺い、ASPUnivNet加盟大学への支援依頼を積極的に行うよう依頼しました。
2.ESDの推進、実践に関わるさまざまな支援
琉球大学は、1)県内のユネスコスクールや加盟を目指す学校での教職員を対象とした校内研修、2)沖縄県総合教育センターや県教育庁の各地区教育センター等における教員初任者研修等でのESD講習、3)県内の小中高等学校の教職員を対象としたESD及びSDGs達成に向けた教育の理解を深める研修における講師や指導助言を行っています。特に、沖縄の特異性を活かしたESDの推進とユネスコスクールの質の向上に繋がる支援を目指します。2023年度は、1件の中堅教諭研修において学習指導要領に示される「持続可能な社会の創り手」の育成を目指すESDの理念や動向や教育実践例の解説、そしてユネスコスクールの取組みを紹介する講師を担当しました。
ESD活動紹介
1.地域とともに未来社会をデザインする大学としてSDGs教育/ESDに取り組んでいます
琉球大学は、2019年6月に「琉球大学におけるSDGsへの取組みについて(学長メッセージ)」を公式ホームページにて発信後、2020年6月にSDGs推進室が創設され、4つのワーキンググループ(WG)(研究、教育、社会貢献、業務・ガバナンス)を設置し、本格的な取組みを開始しました。その中でも教育WGでは、現在及び将来にSDGs達成に貢献する人材を育成するために、SDGs達成に貢献する教育実践に向けたシンポジウムやワークショップの開催、授業科目とSDGs目標の関係の可視化、SDGs教育カリキュラムの構築などを通じて、自ら主体的に考え行動する能力を引き出すSDGs教育/ESDを牽引する役割を担っています。
SDGs推進室web サイト:https://sdgs.skr.u-ryukyu.ac.jp/
2.沖縄ESDティーチャー研究会の開催と教員の力量形成を支援しています
ESDの視点を持った授業づくりの実践につながるネットワーク(幼小中高大での実践を共有し、相互に活かしていく)の構築を目指し、2021年ESDティーチャープログラム(近畿ESDコンソーシアム・奈良教育大学主催)沖縄会場の開催支援を機会に沖縄ESDティーチャー研究会を立上げ、2021年11月より隔月でESDやSDGsの達成に向けた教育の授業実践の量と質を高めることにつなげることを目的に指導案を持ち寄って実践の報告や相互の近況報告等を行っています。参加者の相互理解と主体性、教科の多様性、経験の有無を問わない開放的な雰囲気を大切にした集まりを目指しています。2023年度の沖縄ESDティーチャー研究会は、オンラインで2回開催しました。また、2023年度はESDティーチャープログラムの修了生たちがスペシャリストコースを受講、そして2024年1月成果発表会・実践交流会に招かれESD実践発表へと繫がりました。
3.学生の主体的・対話的なESD実践を支援しています
全学部の学生有志で構成される琉球大学エコロジカル・キャンパス学生委員会(エコキャン)は、HESDフォーラムやアジア最大の環境見本市であるエコプロへの参加等を通して、他大学の学生団体との交流・意見交換を深め、学生としての個人変容から社会変容に繋げる実践に取り組んでいます。大学では学生のこのようなESD実践をあらゆる側面から支援しています。
第16回HESDフォーラム@芝浦工業大学で エコプロ2023@東京ビックサイトでブース訪問の中高生に
活動紹介をする学生たち 沖縄の地域課題への取組みを説明
4.SDGs教育実践活動報告セミナーを通して、県内の教育連携を促進します
県内の学校では多くのSDGs教育実践が行われており、SDGs研究指定校やユネスコスクールの学校全体での取組みをはじめ、関心を持つ教師個人での活動も多く見受けられるようになってきました。2023年11月18日対面及びオンライン配信で開催したセミナー第一部では、県教育委員会のSDGs達成に向けた教育研究指定校や環境教育研究指定校、ユネスコスクール校からの実践活動報告、そして沖縄ESDティーチャー研究会のメンバーとして所属校(児童養護施設に併設の中学校)でのESD実践報告、琉球大学教員の地域課題をAIの活用で解決する実証実験といった小学校から大学までの実践活動を共有しました。会場では活発な意見交換が行われ、異種学校間でのオープンで網羅的な実践活動報告のメリットを実感することが出来ました。セミナー第二部は、奈良教育大学ESD/SDGsセンター副センター長の及川幸彦氏による『ESD/SDGsの最近の動向と教育的意義~沖縄の特性を活かした取組と連携の可能性』と題した特別講演が行われ、沖縄でESD/SDGs実践に取り組む意義と方向性を確認する機会となりました。
沖縄県が支援するESD/SDGs達成に ユネスコスクール金武町立中川小学校に
向けた教育の事例集報告 よる実践報告
5.高校生のSDGsと関連した探究的な学びを支援します
SDGsの達成には、地域や世界で発生する諸課題を自らの問題として捉え、課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造できる若者の育成が不可欠です。琉球大学では、高校の「総合的な探究の時間」で生徒が取り組んだ探究活動の成果を発表し合い、活発な意見を交え、ともに学び合う、学校を超えた生徒交流の推進を目的とした『沖縄未来社会創生シンポジウム』を沖縄県教育委員会と2019年より開催しています。高校生の発表には沖縄が抱える貧困や環境、平和問題など、SDGsと関連性の高いテーマも多く、琉球大学と県内の高校がSDGsで繋がり、教育の充実・発展を目指しています。
ポスター発表の様子 口頭発表の様子
活動自己評価
https://www.unesco-school.mext.go.jp/supporters/aspunivnet/self-assessment/ryukyu/