ユネスコスクール支援内容
1.ユネスコスクール支援大学間ネットワークでのユネスコスクール支援
岡山大学は、ユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)の創設期からの加盟大学です。2013~2015年度には事務局担当大学(2015年度途中からは運営委員会構成大学)となり、文部科学省・ユネスコスクール事務局(ACCU)と協働して、大学によるユネスコスクール支援について企画・実施・評価・改善のリーダーとしての役割を担ってきました。
教育学研究科は2010年度に「ESD協働推進室(現:ESD協働推進センター)」を設置し、ユネスコスクールおよび加盟を目指す学校への研修会講師派遣、ESDを実践しようとする教員からの相談への対応など、ESD実践に対するさまざまな支援をおこなっています。
2.岡山地域を中心としたユネスコスクール支援の取組
岡山地域を中心としたユネスコスクールへの支援として、岡山県ユネスコスクール高校ネットワークの活動を支援しています。具体的には、年1度開催される「実践交流会」とその事前学習会の企画・運営に対するアドバイス、および学生スタッフの養成・派遣をおこなっています。「実践交流会」はRCE岡山の協力を得ながら、毎年多様なESDの学習プログラムを企画しています。2023年度は事前学習会で「防災」をテーマに、阪神淡路大震災の被災経験者の先生から多くのことを学びました。これに基づき、各学校でのESD実践に「防災」の視点を取り入れていった過程などを、実践交流会でポスター発表し、各学校がそれぞれのアイデアを普及するためのワークショップを実施しました。マレーシアの大学の先生がたも参加し、グローバルな視点で地域の取組を進めることの意味を学びました。これらの企画段階からユネスコスクールOB/OGを含めた教員志望学生が継続的に参画することで、将来のESDを担う人材育成に貢献しています。
実践交流会「防災×ESD×ユネスコスクール」で活躍する学生スタッフ
防災ワークショップの様子
防災ワークショップの様子
3.学校間国際交流の支援
国際交流を希望するユネスコスクールの支援として、小学校とインドネシアのアチェ州にある学校とのオンラインでの国際交流、高校とマレーシアの国立高校のオンラインでの国際交流を支援しています。それぞれの学校が探究学習で学んだ地域の魅力と課題、学校生活の様子、地域の文化の紹介などを伝え、児童・生徒どうしが率直な質問をし合えるように進めています。予め資料を送付し、質問をまとめておくなど、オンラインの交流時間の中で有効かつ継続的に交流が深まるような工夫をし、教育目標やその背景などを双方が理解した上で進められるよう、先方でコーディネートをする大学教員との打合せ、教員どうしのウェビナーなども開催しています。海外の学校においてもユネスコスクールへの関心が高まり、申請に向けての支援もおこなっています。
ESD活動紹介
1.全学でSDGs達成を推進、その鍵となるESD
岡山大学は全国の大学に先駆けて『SDGsに関する岡山大学の行動指針』(2017年)を定めています。それは「SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動に取り組み、持続可能な社会の実現を牽引していく」ことです。
この行動指針のもと、全学を挙げてSDGsの達成に向けた取組を進めています(Whole Institution Approachと呼んでいます)。2017年度には岡山大学SDGs推進本部を設置し、SDGs達成の観点を取り入れた大学経営体制を整備するとともに、2017年12月には国連大学サステイナビリティ高等研究所やユネスコ、RCE岡山と協力して「SDGsの達成に向けたRCE第1回世界会議」を開催し、地域および国際社会とのパートナーシップを構築しています。そしてこれらの活動が評価され、2017年12月に国公立大学で唯一の「第1回ジャパンSDGsアワード」を受賞しています。
ESDはSDGs達成の鍵であり、高等教育におけるESDの教育研究を多方面に展開しています。
2.ESDの理念を位置づけた教員養成、ESDの教師教育推進に向けた国際研究拠点の構築
岡山大学の全学教職課程は「ESDの理念をもち、4つの力で構成される教育実践力をバランスよく身につけた反省的で創造的な教員」を育てることをディプロマ・ポリシー(DP:修了時の到達目標)に掲げています。教育学研究科では、このDPの実現に向けて、必修科目にESDの基礎的理解に関する内容を盛り込むとともに、ESDの実践力向上を目指す「ESDの理論と実践」を開講しています。
2019 ESD教師教育世界大会(岡山)
また、アジア唯一のESDのユネスコチェアならびにRCE岡山の主要機関としてESDの教師教育を推進してきたことから、日本学術振興会研究拠点形成事業「ESDの教師教育推進に向けた国際研究拠点の構築」(2017-2019年度)、政府開発援助ユネスコ活動費補助金事業「SDGsターゲット4.7の達成に向けた『ESDの教師教育のアジア太平洋スタンダード』の開発」(2018-2019年度)を実施しました。アジア太平洋地域16か国34の教師教育機関と連携しながら、教師教育を持続可能性の考え方を取り入れたものへと再方向付けすることを目指し、そのフレームワークとガイドの共同開発を進めてきました。
関連URL http://ceteesd.ed.okayama-u.ac.jp/
活動自己評価
https://www.unesco-school.mext.go.jp/supporters/aspunivnet/self-assessment/okayama/