2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉

本校では,ホールスクールアプローチをESD推進の理念として,よりよい吉野のまちづくり『吉野ハッピータウンプロジェクト』を学校全体の中心テーマとして,3つの領域「環境」(SDG7,13,14,15)「郷土・国際理解」(SDG11,17)「いのち・人権」(SDG3,11,17)から,自己の生き方としての系統化を図りESDを推進していく。その際,児童の発達段階に応じた学習の展開が図れるように,学習対象を空間軸と時間軸から捉える。

「環境」は、「持続可能なエネルギー問題、環境問題」について、子どもたちの視点から地域の身近な「エネルギー・環境の様子」について学ぶ。「郷土・国際理解」についても、子どもたちの視点から、我が国や地域の文化・歴史等と身近な外国の文化・歴史等について学ぶ。「いのち・人権」の学習では、自分の命や他者の命の大切さや、成長、福祉(高齢者・障害のある方)等について学んできた。これらの持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組む際に、本年度工夫した点は「自己の学びの振り返りを位置づけた課題解決活動の工夫を通して」をテーマとしたことである。そこで、ESDで育みたい能力や態度を育ませるために、子どもたちの心を揺り動かし、子どもたちが納得、成就感が味わえるような学びとすることに重点をおき取り組んだ。
(ア) 「環境」に係わる活動(SDG7,13,14,15)
有限性、多様性、責任性を中心とした課題に取り組んだ。4年生の「生き生きビオトープ大作戦」では、ビオトープの管理人として、自分たちにできることを考え、友達や地域の方々と協働で黒メダカなどの日本固有種を守り育てていく活動を行った。そのことを通して、吉野小のビオトープを“自然の中の命のつながりの場所”として守り育てていきたいという思いを持ち、生物多様性の意味やそのすばらしさを知ることができるようにした。
(イ) 「郷土・国際理解」に係わる活動(SDG11,17)
相互性、連携性を中心として取り組んだ。5年生「吉野小桜プロジェクト2020」では、吉野小のシンボルである桜に対する先輩や地域の方々の思い・願い、そして現在の桜の状態について取材・調査、観察をした。その活動を通して、自分の考えをつくり、地域に多様な方法で発信したり、友達や地域の方々と協働で桜を通した町づくりについて考えて実践したりした。また、地域に誇りを持ち、地域の今やこれからについて考え、地域に貢献したいという思いを持つことができるようにした。
(ウ) 「いのち・人権」に係わる活動(SDG3,11,17)
公平性、多様性を中心として取り組んだ。6年生「つなごう吉野・大牟田の宝」では、地域の方々とつながりを協働しながら未来の大牟田に希望を持ち郷土愛を深めることができるようにした。また3年生では「人にやさしい吉野の町」として、地域のよさを福祉の視点から見る活動を行った。そのことにより、自分たちなりに、人にやさしくできることを考え行動し、地域の一員として頑張っていこうとする態度を育むことができるようにした。

来年度の活動計画

学校教育目標を「持続可能な社会づくりを担う、心豊かでたくましい吉野の子どもの育成」とし、学校全体で取り組む。その際、教育活動のみにとどまらず、学校全体としてESDの視点からの取組を考え、ホールスクールアプローチとして次のように進めていく。(SDGsでは4,11,17を中心とし3,13,15,16を関連させる。)
①授業づくりについて
新学習指導要領で求められている資質・能力が育成できるように、子どもたちの主体的・対話的で深い学びを促していくとともに、主題研究においては、ESDを主題として取り組む。
②教科等の関連の充実
ストーリーマップ(学習指導計画)の見直し改善を継続的に行い、より総合的・横断的な学習となるようにカリキュラム編成を工夫する。その際、特に生活科・総合的な学習の時間と各教科・領域等との関連を内容面と方法面から、そのつながりを明確にする。
③ESDの活動の広がり
子どもたちが主体となって発信する・行動する場を設定する。
④職員室のESD
職員室内における職員の過ごし方をESDの視点から改善していく。