2019年度活動報告
本年度の活動内容
環境
山花の『恵み』
本校は、「山花の『恵み』」を活動のテーマとして、生命の尊重、自然環境に対する畏敬の念を学習の根底に据え、小中併置校の利点を生かし、9年間をかけて「地域の特性や特長に気づき、積極的に関わろうとする姿勢を養うこと」「既習事項や実体験をつないだ「知のネットワーク」を構築し、グローバルな視点を持って物事を思考・判断できる力を養うこと」を目標に活動を続けてきた。
具体的には、通年を通して①動物園学習(小学校)、②栽培学習(小学校・中学校)を行った。
① 動物園学習
小学校では隣接する釧路市動物園において、年3回の動物園学習を行う。学年ごとに担当する動物を決め、えさの仕込み、獣舎の清掃、給餌…と一連の作業を体験する。その中で、命の営みに触れ、かけがえのない生命の尊さを学ぶ。猛獣以外は実際に動物に触れ、手から直接の給餌も行う。6年間でペンギン、アルパカ、アザラシ、トナカイ、シロクマ、ライオン、ウサギ、キリン等々ほぼ全ての獣舎を経験する。
今年度も、飼育員の方々の指導を受けながら、命に正対することでしか得られない貴重な経験を積み、考えを深めることができた。
② 栽培学習
従来の農業体験型の栽培学習から脱却し、化学肥料や農薬が環境に与える影響を考え、土作りから収穫、種取り、堆肥作りを行う「循環型」の栽培学習を目指す。小学校低学年では「ジャガイモ」、中学年では「トウモロコシ」、高学年では「大豆」、中学校はよりグローバルな視点で世界的な収量や日本を取り巻く環境などを捉えることができるように「小麦」を栽培。子供たちの発達段階を考慮しながら、9年間のスパンで総合的な思考力・判断力を培っていく。
今年度は、小学校が担当した作物は天候不順による不作で収量が大きく減少し、自然が農作物に与える影響を強く学ぶ結果となった。中学生が担当した小麦は収穫ができず、低温環境が原因と思われたが、教育連携校である北海道教育大学の調査により「土の窒素分過多」が本因とわかり、肥料が土壌に及ぼす影響を深く学びとる結果となった。
来年度の活動計画
次年度も同様の活動を展開する。今年度の課題を見直し、土作りの見直し、苗作りや作付け場所の見直しを行う。中学生は「土の窒素分過多」が小麦の生長に与える影響を検証するため、昨年秋に作付け場所を変え、秋まき小麦の栽培としてすでに活動をスタートさせている。 小学生は、動物園学習はもちろんのこと、栽培学習は学びを一段階進めて、収穫した食材が地域や家庭とどのようにつながっていくのかを中心に、食料としての作物、飼料としての作物を考えていく。中学生は、様々な栽培条件を考慮して小麦を栽培収穫して、世界の食糧事情にも学びを広げていく。 また、市教委の協力を得ながらALTや釧路在住の外国人とコンタクトをとり、日本と世界の食文化交流も行いたい。 |