2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 国際理解, 平和, 健康

本校では校内に「若竹プロジェクト(ユネスコスクール委員会)」を設置し、ユネスコスクールとしての活動について、様々な教育実践を企画・運営している。具体的には「命」「心」「環境」をキーワードに、教育課程の中に位置づけて「人間教育」として実践している。近年では「防災」「国際理解」の実践活動にも取り組んでいる。

2021年度は一昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、実施できなかった行事も多くあったが、2022年度は、少しずつではあるが、行事も戻りつつある。しかしながら、1年生全員が体験していた「赤ちゃんふれあい交流授業」は、0歳から2歳半くらいまでの乳幼児とその親の協力が必要で、毎年実施することで何とか協力者をつないできたが、3年連続で実施できなかったため今後は協力者の新規開拓が大きな課題となる。さらに、近隣の特別養護老人ホームにおける交流も難しい状況が続いた。毎年大切にしてきた行事を実施することができなかったことは大変残念である。ただ、昨年度は実施できなかった生徒・教職員だけでなくPTAも参加する地域清掃活動「若竹クリーンプロジェクト」は、例年同様にPTA会員参加してもらい実施することができた。来年度ヘ向けて、実施可能な行事もあったが、今後の活動計画を見直す時期になったと考えている。

Ⅰ 「総合的な探究の時間」に組み込んで実施した活動

2年生の「総合的な探究の時間」を「ユネスコタイム」と位置づけ、様々な探究活動を「地理歴史・公民科」「理科」「保健体育科」の教員が担当している。生徒は3つのグループに分かれて1週間ごとに各科の担当する内容を順番に受講している。

(1)広島・神戸を訪れる修学旅行に向けた「平和・防災」に関する取り組み

様々な過去の資料を活用した戦争や原爆に関する学習と震災に関する学習を行い、修学旅行の意義を高めるとともに「平和」について深く考える活動を行っている。今年度は、広島市から「被爆体験伝承者」を招いて講話をしていただく行事も組み込んだ。また修学旅行後は、拉致被害者問題など平和に関わる内容にも取り組んでいる。

(2)伊勢湾に流れ込む「新川」水質調査の取り組み

本校は「新川」の堤防沿いに立地しており、その堤防は学校風景の一部となっている。この川は江戸時代に開削された庄内川水系の人工河川で、戦前から交通の便も良いため紡績工場や染色工場などの繊維工業が発達し、高度成長期には住宅地域にもなっていたため、工場排水や生活排水で相当汚染されていた。近年は、繊維工業関連の工場も少なくなり、下水道の整備進んだため汚染も減少している。

生徒は、バケツで川の水を汲み上げ、試薬を用いてペーハー値を調べ、記録する活動を継続している。データをまとめて発表する準備も進めている。

(3)心肺蘇生法とAEDトレーニングなど人命救助に関わる取り組み

生徒はグループごとに分かれて心肺蘇生のトレーニング用人形とAEDトレーナーを使った実習を行っている。1学期は主に傷病者発見から胸骨圧迫と人工呼吸について学び、2学期はAEDの使用法について、3学期は年間のまとめと傷病者の運搬法について学んでいる。認定試験に無事合格した生徒には「普通救命講習修了証」が渡される。この講座のために教員は、応急手当普及員の資格を取り、定期的に更新しながら生徒を指導している。

Ⅱ 防災委員会活動を軸とした防災活動

1年生各クラスから2名の防災委員を選出し、委員会として年2回の「防災新聞」を発行している。昨年度訪問できなかった「名古屋市港防災センター」を訪問し、そこで学んだことを全校生徒向けに新聞にまとめて発行した。また、本校は非常に通学範囲が広く、帰宅困難者が出ることも予想されるため、入学時に非常食を購入して学校に保管し、卒業時に返却する取組みを行っているが、その試食会を実施して非常食の新規購入品の選定も行っている。

 

来年度の活動計画

2023年度は、2年続きで実施できなかった行事のあり方を検討し、新しい実施形態を模索することになる。しかし、今年度より、高校では新学習指導要領が始まった年であり、タブレットが導入されたため、創意工夫をしながら実施ていくこととなる。授業内で工夫して実施をするAEDなどもあり、さらには、「総合的な探究の時間」における位置づけも含め、多少の変更があるかもしれない。

姉妹校提携をしているオーストラリアのシドニー近郊にある「ブルーマウンテングラマースクール」とのオンライン交流計画を2021年度に進め。しかし、コロナの影響で実施することができなかったので、2023年度は本格的なオンライン交流を実施したい。授業と授業を結ぶことが可能なカメラやマイクスピーカーを購入してハード面を克服したが、よりよい共通のテーマ設定と時間設定に苦慮している。今後もホームステイができないことを想定されるが、オンラインでの日常的な交流に発展することを両校ともに期待している。